皆様こんにちは!
楽劇座の五條なつきです。
前回までの<舞台メイクコラム>、おかげさまでご好評を頂き嬉しい限り。専門的なアイテムの使い方も解説していますので、舞台メイクのやり方がよく分からないという方は、ぜひご一読下さいませ。
舞台メイクコラムをお読み頂いた一般読者の方から
「ハロウィンにも使える舞台メイクを知りたいです!」
とご要望を頂きましたので、今回は舞台メイクコラム番外編として『ゾンビメイク&傷メイク』のHow toをご紹介致します。
どうぞお付き合い下さい!
Back Number
その1《舞台メイクの基本編》
その2《ベースメイク編》
その3《ポイントメイク編》
その4《普段メイクにも使えるメイクアイテム編&まとめ》
その5《ドーラン編》
その6《ハイライト&ローライト編》
その7《チーク&ベースメイクの仕上げ編》
その8《アイメイク編》
その9《仕上げ編》
ベース
傷メイクを施す時は、メークアップパテを使います。ちょっと硬めの粘土みたいな質感です。
↑今回は頬に傷を作ります。目安はこのぐらいの量
作りたい傷の大きさに合わせてパテをちぎり、細長くして傷を作りたい場所にのせましょう。
↑パテを細長く伸ばして傷を作りたい場所にのせる
<POINT>
・顔は必ず余計な油分がない、洗顔直後のすっぴんの状態に!そうでないと、パテが肌にくっついてくれません。
・傷を作る位置はおでこや頬など、固い箇所(骨がある箇所)にしましょう。柔らかい箇所だとパテを押し付けられず、くっつきません。
↑フチを押し付けて肌にパテを固定
場所を決めたら、パテのフチを押しつけながら伸ばすような感覚で肌にくっつけます。なすりつけるような感じ…と言うと分かりやすいでしょうか。フチと肌の段差がなくなるように馴染ませて下さい。
パテがくっついたら、顔全体に肌色のドーラン(グリースペイント)を小豆一粒分ほど伸ばします。
これは、この後のせる色付のドーランが毛穴落ちして色素沈着するのを防ぐためです。この一手間でクレンジングがぐっと楽になるので、お忘れなく!
肌
では、ゾンビらしい不健康なお肌を作っていきましょう!
↑不健康な肌色を作ります
まず使用するのは肌色、緑、青のドーラン(グリースペイント、クラウンカラー、ライニングカラー)です。これらを手の甲でMIXして暗い色を作ります。
↑このぐらいムラになるように色をのせます
納得いく色になったら、わざとムラになるように塗っていきます。この時、鼻や目元、唇に塗るのを忘れがち。特に唇は血色が良いと健康的に見えてしまうので、しっかり色をのせておきましょう!
↑更に不健康な色を作ります
次は肌色と黒のドーランをMIXさせて、こめかみ・目の下・頬骨の下にのせていきます。
↑一気にゾンビっぽい顔色に!
自分の骨格に合わせた位置に塗ると自然にゾンビっぽい、落ち窪んだ感じが出てきますよ(笑)
痣、怪我
今度は赤、青、紫(なければ赤青だけでOK)をMIXします。
これを肌にのせると…どうでしょう?本物みたいな痣や怪我に見えるんです!
↑痛そうな色が表現できました
目のすぐ下にこの色を入れると、血走った感じになってゾンビらしさが倍増します。
口角やおでこ、そして最初に作った傷のあたりに重点的に色をのせるとリアルです。
これだけでもかなり不健康なゾンビらしくなってきました。
<後編>では、血のりも使いながら傷メイクを仕上げてゾンビメイクを完成させていきますので、どうぞお楽しみに!
協力:三善メークアップ研究所(http://www.mitsuyoshi-make.com/)
その17 》舞台メイク番外編 ハロウィンにもぴったり!三善さん直伝のゾンビメイク&傷メイク《後編》
(文:五條なつき ※文章・写真の無断転載を禁じます)