宮沢りえ

【動画6分】佐藤二朗「負が力になるところをこの目で観たい」 宮沢りえ出演舞台『そのいのち』製作発表レポート

舞台『そのいのち』宮沢りえ、佐藤二朗本作が舞台初共演となる宮沢りえと佐藤二朗

 
佐藤二朗の12年ぶりの書き下ろし新作戯曲による舞台『そのいのち』の製作発表会見が行われ、宮沢りえ、佐藤二朗が登壇した。

 
本作の脚本を務めるのは、俳優として、また、演劇ユニット「ちからわざ」の主宰として活動し、全公演で作・出演を担当している佐藤二朗。
本作は2012年上演の『ハラナイ荘の人々』以来、12年振りとなる書き下ろし新作戯曲であり、映画『竜とそばかすの姫』でヒロイン・すず/ベルの声優を務めたミュージシャン、中村佳穂の楽曲「そのいのち」(2018)にインスパイアされた作品だ。

作品では、介護ヘルパーとして働く山田里見と、彼女の雇い主で障がいを持った相馬花とその夫・和清の穏やかな日々、そして、あることをきっかけにその穏やかな関係が徐々に狂い始めていく、「持つ者」と「持たざる者」の間にある埋めようのない「溝」を描く。

介護ヘルパーとして働く山田里見役には、5度にわたる日本アカデミー賞主演女優賞や読売演劇大賞大賞・最優秀主演女優賞など、数多くの映画、演劇の受賞歴を持つ宮沢りえ。
里見の雇い主である相馬花の夫、和清役は、脚本も務める、佐藤二朗が演じる。
2人は2018年公開の映画『ルイスと不思議の時計』で声優としての共演経験があるが、舞台では初共演となる。

本作の製作発表会見が行われた。動画はこれを収録・編集したもの。【動画6分】

本作を執筆するきっかけを聞かれて佐藤二朗は「鍼がなぜ腰痛や肩こりに効くかというと、鍼であえて傷をつけるからだと。体は傷を補おうとして血を流し、血行が良くなって肩こりや腰痛が治る。僕はこの話が好きで、大げさを恐れずに言えば、それが生きることなんじゃ無いかなと思って」とコメント。
また、作中に登場する相馬花 役を、実際に障がいを持った俳優が演じることについて「最初は先天的な脳性麻痺を患う花という役を健常者の女優さんにお願いしようと思っていましたが、僕にとっては『負を力に変えることが、生きること』だと思っています。障がいのあるお二人にキャスティングしたのは、負が力になるところをこの目で観たかったからです。」と語り、本作のテーマとも深く関わるキャスティングであることを明かした。

宮沢りえは本作の出演を決めたきっかけについて「会話のテンポが良くてユーモアもある脚本だなと思って読んでいたら、途中、鳥肌が立つシーンがあったんですね。その瞬間に『ああ、このお芝居やりたい』って思いました。お稽古も大変になると思うけれど、その大変を乗り越えたいと思える戯曲だった。」と脚本に惚れ込んでの出演であることを語った。

 

<あらすじ>

マンションのキッチンで煙草を吹かす至って平凡な女性、山田里見(56)。
彼女は介護ヘルパーである。
新たな雇い主である相馬花(24)は障がいを持っている。
花は動物ライターの夫・和清(45)とペットのウサギ「スケキヨ」と一緒に暮らしていた。
要介助の妻と歳の差夫の関係はどこか奇妙ながらも幸せそうに見えた。
ある日、花の母・瑠依(44)とその再婚相手の悟(42)、息子の圭祐(10)が訪ねてくる。
上辺は取り繕っていても実の親からも、世間からも見放されている花にシンパシーを感じていく里見。
優しい時間の中で、花も徐々に里見や和清に自分の気持ちを吐露していく。
しかしある出来事をきっかけに、穏やかだった3人の関係が徐々に狂い始めていく。
そしてその先にあった驚愕の秘密…。
浮かび上がる「持つ者」と「持たざる者」の間にある埋めようのない「溝」。
それを前にした時に、3人が選んだ衝撃の結末とは…。

 
詳細は公式サイトで。
https://www.ktv.jp/event/sonoinochi/sonoinochicast/
 

(撮影・編集・文:森脇孝/エントレ編集部)

劇団ちからわざ 第13回公演『そのいのち』

【脚本】佐藤二朗
【演出】堤泰之

【出演】宮沢りえ 佐藤二朗
佳山明(Wキャスト) 上甲にか(Wキャスト)
鈴木楽(Wキャスト) 工藤凌士(Wキャスト)
今藤洋子 本間剛

2024年11月9日(土)~17日(日)/東京・世田谷パブリックシアター
2024年11月22日(金)~24日(日)/兵庫・兵庫県立芸術文化センター阪急中ホール
2024年11月28日(木)/宮城・東京エレクトロンホール宮城

公式サイト
https://www.ktv.jp/event/sonoinochi/sonoinochicast/

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