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マシュー・スウィートの楽曲に乗せて…ミュージカル『GIRLFRIEND』ついに開幕!

写真提供/東宝演劇部マシュー・スウィートの楽曲に乗せて…甘酸っぱい青春ラブストーリー開幕!

2024年6月13日、日比谷シアタークリエにて、ミュージカル『GIRLFRIEND』の開幕記念会見および、ゲネプロ(出演:高橋健介さん・萩谷慧悟さん)が行われました。

本作は、90年代の”パワーポップ”(ロックの一種)シーンの中で、最も輝いたアメリカのシンガーソングライター、マシュー・スウィートのCDアルバム『GIRLFRIEND』をベースにして描かれた物語。

舞台はネブラスカ州の田舎町。学校に馴染めないウィルと、野球部でスポーツ万能で人気者のマイクは、「ミックステープ」をきっかけに心を通わせ始めます。“2人でいるときは自分らしくいられる”と感じて距離を縮める2人ですが、マイクは大学進学のためリンカーンへと旅立つことになり…
青春時代に誰もが味わう感情を、丁寧に美しく描いた物語。恋愛の苦さと甘さ、90年代の”パワーポップ”の素晴らしさを感じられる作品です。

キャストの仲の良さが垣間見える、和気あいあいとした開幕記念会見

まずは開幕記念会見の様子からご紹介します。会見に登壇したのは、トリプルキャストでウィル役とマイク役を務める、高橋健介さん・島太星さん・井澤巧麻さん・萩谷慧悟さん・吉高志音さん・木原瑠生さんの6名。

会見は和気あいあいとした雰囲気で、6名の人としての魅力やカンパニーの空気感の良さが、会見を通して伝わってきました。キャストの会話が面白くて抜粋するのが難しかったので、できるだけ詳細に会見の様子をお伝えしたいと思います!

質問:今の気持ちを色に例えると…?
高橋さんは、「正直に言うと、真っ白かもしれない」とコメントし、すかさず萩谷さんから「飛んじゃってない?セリフ」と、切れの良いツッコミが入ります。 高橋さんは笑って否定しつつ、「ここまで作ったものをいい意味で1回忘れて、真っ白な状態でお客様が入って、いろんな色を足していけたらと思います」と“真っ白”の意味について説明しました。

質問:おすすめシーン
高橋さんは「はっきり言うと僕から始まります!だからそこです!」と大きな声で宣言。会場から笑いが起こります。「そこから物語が始まるので、集中して見ていただけたらなと思います。そこでうまく入れれば、皆さんも楽しい1時間50分になると思うので、よろしくお願いします!」とコメントしました。

萩谷さんは「物語って第一波みたいに展開するところがあると思っていて。この作品でいうと、2人がよりぎゅっと距離が縮まるシーンがあるんですけど」と星空を眺めながら、萩谷さんが歌う場面をおすすめの場面として紹介。


写真提供/東宝演劇部

「その一連の雰囲気をすごく繊細に、(高橋さんと)一緒に作っているので。そこが全チーム違うし、僕はすごく気に入っているのでぜひ見てもらいたいなと思っております」とコメント。

島さんは「ネタバレにならない程度ってことですよね…」と再確認して、「バレちゃったら申し訳ないんですけど」と前置き。周囲から「ダメだよ」と総ツッコミを受け、「静粛に」と独特のワードセンスで、客席の笑いを誘います。さらに「(みどころは)1幕の59ページ」と天然回答を炸裂。萩谷さんが「俺の言ったシーンかな」と言うと「その前!たぶんページ数で言った方が分かりやすい」と、本気かギャグか分からないユーモアあるトークを繰り広げて、さらに笑いを誘いました。

吉高さんは「楽しいシーンもたくさんあるんですけど、緊張感を持ったシーンもたくさんあって。学生の彼ら2人にしか出せないような独特な間とか、“学生の時ってこういうスピード感で会話していたな”というのを思い出したので、そういう初々しさや緊張感も楽しんでほしい」と回答。甘酸っぱい青春を味わえるところを本作の醍醐味として挙げました。

井澤さんは「前半、2人で座って話すシーンが結構あるんですけど、そういうところで目線1つ細かいところまで、“この時どういう気持ちだから目線下がるよね”とか、細かいこだわりで作っていたりするので、そういう細かなところを見ていただけたらなと思います」と役作りの過程を説明しつつ、みどころを紹介。

木原さんは「そうっすね…」と回答が6人目だったにも関わらず沈黙気味。高橋さんが「考える時間いっぱいあったよ」と、突っ込んで笑いを誘います。
木原さんは「言いたいことあったんですけど、だいたい(みんなが)言っちゃった」と言いつつ、「1個あるとしたら…同じ場所に何回か行くところがあるんですが、そのシーンの空間の中で起きる出来事は、2人にとって繊細に描いていかなきゃいけないかなぁと思っているので、観ていただきたいですね」とコメントしました。

質問:演出家の小山ゆうなさんとのエピソード
ここで爆笑をさらったのはやはり島さんです。「僕、2週間くらいものもらいが治らなかったんですよ、稽古期間。」と独特な入りでトークがスタート。病院2社に通っても治らず、そのまま稽古場へ行った島さんに、小山さんからレトルトのカレーとお味噌汁の差し入れがあったそう。「僕、北海道在住だから、東京に今ウィークリー借りて暮らしてるんです。だから、ごはんなんて、おにぎりとか雑草ばっかなんですよ。」と島さん。

周囲から「雑草はやばい。」とツッコミを受けながらも「小山さんからいただいたカレーとお味噌汁飲んだら、2社(通っても)治らなかったものもらいが、次の日治ったんですよ!」と熱弁。これにはメンバー全員大爆笑で、客席からも笑いと拍手が。島さんは「小山さんは演出家をやりつつ、お医者様なんじゃないかと。感謝感謝で顔が上がんないです」と語り、周りから「頭ね!」と総ツッコミを受けて、さらに笑いを誘いました。

質問:マシュー・スウィートの好きな楽曲
井澤さんは、「ユー・ドント・ラヴ・ミー」を挙げ、「原曲とアレンジが違うんですけど、劇中だと淡々と伴奏がされているなかで、メロディーはすごくエモーショナルでその温度差みたいなものがすごく切なくて。」と今回ならではのアレンジに着目してコメント。

さらに「今回ミュージカル用に楽曲が書かれたわけではなくて。もともとある楽曲をミュージカルという形で表現しているので、自分的にどういう風に気持ちと曲がリンクするのかなと思っていたんですけど、この曲はまさにそのシーンとマッチしていて、歌っていて気持ちが入るというか。あと、ハーモニーも綺麗な曲なので、見所がたくさんあって自分は1番好きな曲ですね」と、複数の理由をあげて楽曲の魅力を説明しました。

木原さんは「エヴァンジェリン」と回答。「結構(振りが)自由!曲中で。ペアごとに全然違う表現をしていて、すごく楽しくやらせてもらっているなというのがある」と理由を説明。さらにサウンドが「エヴァンジェリン」の原曲に近いことを挙げ、「そこが楽しみだなと思っているので、僕はエヴァンジェリンが好きです」とコメントしました。

吉高さんは「ガールフレンド」を挙げ、「音楽の力を借りて、関係性が縮まることが多く、ガールフレンド自体も気持ちを晴らしていくニュアンスもあって。ロックな音楽の力を借りて気持ちが高ぶっていくナンバーになっていて、聞いていてもリズムを取りたくなるようなナンバーなので、楽しんでもらいたい」とアピール。

質問:最後にひとこと
萩谷さんは「アンダー25チケットがあるので、若い人にも見てほしい。(劇中に)カセットテープなどのアナログなものが登場するんです。(作品に取り掛かるまで)僕らもピンとこなかったものもあって。その1個1個の重みに感銘を受けたので、知り合いでアンダー25の方を引っ張ってきて、一緒に見ていただけたら」と、若い人にこそ時代を超えて作品を観てほしいと、熱い思いを語りました。

高橋健介さん&萩谷慧悟さんの魅力

ここからは、高橋さんと萩谷さんによって行われたゲネプロの様子をご紹介します!

高橋健介さん
ご自身が会見で話していた通り、まずはウィルの登場シーンからスタート。教科書をゴミ箱に投げ捨てる場面から始まります。「学校嫌い」なところと、地に足がついていないような雰囲気がしっかり滲んでいて、冒頭から物語に入り込めます。


写真提供/東宝演劇部

学校に馴染めず自分が何になりたいのかさえわからない青年・ウィルの心の葛藤を、不器用なキャラクターに乗せて、もどかしく可愛らしく表現する高橋さん。またマイクからの遊びの連絡に飛び跳ねて喜んだり、思春期らしく恋にうまく踏み出せずに悩んだりする姿もリアルに演じているので、思わず応援したくなるようなキャラクターです。高橋さんの爽やかで響きのよい歌声も、ウィルの真っ直ぐな心にマッチしていました。

萩谷慧悟さん
一方萩谷さんは、人気者で明るくて一見悩みなどなさそうに見えるマイクの心の奥に抱えた思いを、目線や仕草で丁寧に描き出します。マイクを器用で快活なキャラクターに仕上げていることで、「正反対の2人」の出会いがよりロマンティックに感じられます。

爽やかな笑顔やスポーツマンらしい身のこなしには、人を惹きつける魅力が詰まっており、人気者でウィルが虜になるのも納得。エネルギッシュにウィルを巻き込んでいくエネルギーがみなぎっていました。


写真提供/東宝演劇部

また萩谷さんは歌声に遊び心があり、マイクの心境に合わせて歌い方や声色が変わるところも魅力的です。特にウィルへ気持ちを伝える場面での弾き語りは、その空間を甘い世界へ変える萩谷さんの歌声に引き込まれました。

「エモい」ラブストーリー作品

本作は、青年同士の恋物語を描いた作品。自分の気持ちに気がついても、それを相手に伝えることができず、つい饒舌になったり沈黙になったり…。思春期の恋愛の甘酸っぱさが、いたるところに散りばめられています。

マシュー・スウィートの曲に合わせて、内に秘めた思いを表現する場面も多い本作。時に切なく時に激しく…「思いの発露」のように、感情のままに頭を振り体全体を使って曲に乗せて歌い踊る姿に、ミュージカルの醍醐味が詰まっています。個人的には、ミュージカル映画「マンマ・ミーア」にも通ずる、ミュージカル独特のワクワク感がありました。

90年代が舞台になっているので、現代とは異なる価値観や倫理観を持っている主人公たちですが、それでも恋に突き動かされる気持ちに違いはありません。純粋でまっすぐな主人公たちが若いエネルギーを爆発させて懸命に生きる姿に、私自身も勇気をもらいました。


写真提供/東宝演劇部

また「ドライブインシアター」や「ミックステープ(カセットテープ)」「固定電話」など、アナログなものがたくさん登場するので、当時にタイムスリップしたような感覚になります。若者言葉で表現するならば「エモい」作品といえるでしょう。当時を知っている方にとっては懐かしく、そして若者にとっては新鮮に世界観を楽しめる作品。当時ならではの恋愛の形を、ぜひ劇場で体感してみてください。

本作は7月3日(水)まで日比谷シアタークリエにて上演されます。
詳細は公式サイトで。
https://www.tohostage.com/girlfriend/

(文:山本萌絵

公演情報

ミュージカル『GIRLFRIEND』

【原作】トッド・アーモンド
【作曲・作詞】マシュー・スウィート
【翻訳・演出】小山ゆうな
【製作】東宝

【出演】高橋健介/島 太星/井澤巧麻(トリプルキャスト)、萩谷慧悟/吉高志音/木原瑠生(トリプルキャスト)
 

2024年6月14日(金)~7月3日(水)/東京・日比谷シアタークリエ

 
公式サイト
https://www.tohostage.com/girlfriend/

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