2019.10.10  26

アナログとデジタルの融合もお見事! 市川猿之助&中村隼人 スーパー歌舞伎II『新版 オグリ』観劇レビュー


 ≫広告掲載のご案内


『新版 オグリ』
『新版 オグリ』市川猿之助
 

『新版 オグリ』観劇レビュー

 
公開稽古前の会見で市川猿之助さんは「伯父(二代目市川猿翁)が『オグリ』を上演したのが20数年前です。当時も映像を使った演出をやりたかったけど、技術が追い付いてなくてできなかったんです。それが20数年たってやっと時代が追い付いた。今度はそれを僕の身体を使って実現するんです」と熱く語っていたのが印象的でした。

 

STORY

武芸学問に通じた美貌の若者、藤原正清後に小栗判官=オグリ(市川猿之助・中村隼人)は、縛られることを嫌って心のままに生き、集まった若者たちとともに自らを小栗党と称していた。ある日小栗党は、横山修理の娘、照手姫を輿入れ行列から奪い去る。照手姫とオグリは強く惹かれ夫婦となることを誓うが、修理は二人の仲を許さず、オグリたちは殺され、照手姫は川に流されてしまう。閻魔大王の前にやってきたオグリたちは地獄で大立廻りを繰り広げるが、ついには捕えられ、オグリは顔も手足も重い病に侵された姿で娑婆に送り返される。

生き返ったオグリは、遊行上人(市川猿之助・中村隼人)の導きで善意の人が曳く土車に乗り、熊野を目指すこととなる。その道中、照手姫と再会するが、姫はオグリに気づかず再び別れていくのであった。果たして二人は再び会うことができるのか、オグリの旅の行く先は?

 
『新版 オグリ』市川猿之助、中村隼人
『新版 オグリ』市川猿之助、中村隼人
 
登場する人物たちは【運命】に苦しみ、刹那的な生き方を選ばざるを得なかった者が多々登場します。それに立ち向かい、切り開いていくことの喜びを感じさせてくれる作品で、後半になればなるほど物語に引き込まれました。猿之助さんも語っていたように、典型的な王道ストーリーで、決して飽きない骨太な魅力があります。

舞台全面に鏡の装置だけというシンプルな作りだけど、始まって早々に鏡を使って“客席を巻き込んだ”幻想的な演出に思わず『うまい!』と声が漏れるほど。畳みかけるように舞う花びらもアナログとデジタルをうまく融合させていて、なんら違和感のない仕上がりに、ただただ綺麗だなぁと見惚れてました。

 
『新版 オグリ』市川猿之助
『新版 オグリ』市川猿之助

 
二幕は一幕とはガラリと雰囲気を変えて遠慮なく遊んでました!(笑) おばあちゃんたちのスマホを使っての井戸端会議とか、真っ白な世界の地獄とか。小ネタ満載で面白いんだけど、うまく社会風刺も織り交ぜていて気が付けば考えさせられていたり。

地獄の閻魔に歯向かうシーンは熱くなって泣けた!親に棄てられた六郎の苦しさに共感する仲間たちも、オグリが真理を突き六郎が自分に打ち勝ち一刀入れるシーンはメチャクチャ激熱!!前作『ワンピース』を観た人なら共感できるはず!

『ワンピース』でも、スーパー歌舞伎IIとしての挑戦がたくさんあって「かぶいててカッコいいなぁ!」なんて思ってたけど、今作もまだまだかぶいてました!

 
詳細は公式サイトで。

 
(文:かみざともりひと)

 

 

公演情報

スーパー歌舞伎II『新版 オグリ』

【原作】梅原 猛
【脚本】横内謙介
【演出】市川猿之助 杉原邦生

【出演】
市川猿之助(交互出演) 中村隼人(交互出演) 坂東新悟 市村竹松 市川男寅 市川笑也 中村福之助 市川猿弥 中村玉太郎 市川弘太郎 市川寿猿 市川右近(交互出演) 市川笑三郎 市川男女蔵 市川門之助

石橋正次 下村青 石黒英雄 髙橋洋 嘉島典俊 浅野和之

2019年10月6日(日)~11月25日(月)/東京・新橋演舞場

公式サイト
スーパー歌舞伎II『新版 オグリ』

プレイガイドで検索
ぴあicon ローチケicon イープラス

最近の記事


 ≫もっと見る
 

編集部ピックアップ!

エントレがおすすめする他の舞台



Copyright 2019 Village Inc.