「ふつう」じゃなくてもいいじゃない、「ありのまま」の私を愛して!ラ・カージュ・オ・フォール観劇レビュー
ミュージカル「ラ・カージュ・オ・フォール」鹿賀丈史と市村正親 写真提供/東宝演劇部「ふつう」じゃなくてもいいじゃない、「ありのまま」の私を愛して!ラ・カージュ・オ・フォール観劇レビュー
今年でミュージカル版は初演から35年目、今回のキャストはジョルジュ役の鹿賀丈史&アルバン(ザザ)役の市村正親コンビが10周年ということも注目ですが、脇を固める他のキャストも10年選手、シャンタルは20年選手、ダンドン夫人とハンナは初演からずっと同じキャストが演じてるというのもいやはやすごい・・・!もうベテラン勢でバッチリ固められております。
「過去の上演も見たことある」方からみたら「今回はどんな感じかな?」と楽しめると思いますが、今回初見です!という人もご心配なく、そしてご安心ください。過去に見たことあるかとか関係なく、ものすごく楽しめます。
ミュージカル「ラ・カージュ・オ・フォール」鹿賀丈史と市村正親 写真提供/東宝演劇部
演劇公演の凄いところというのはやっぱり「劇場の中だったらどこへでもいける!いけないところなんてない!」というところ。現実では絶対無理なところでも、ちょっとなかなか行く機会ないな~というところも板の上だったら実際のところにいる気持ちになるのがすごい。
ミュージカル「ラ・カージュ・オ・フォール」鹿賀丈史 写真提供/東宝演劇部
ジョルジュが前説で登場した段階で、劇場の客席で見ている私たちは、なかなか現実世界では全員が全員そうそう行く機会がないフランスはサントロペ(地中海リゾート、つまりいいところ!)にあるナイトクラブ、しかもゲイクラブのお客さまに早変わりです。
クラブのショーのシーンは歌ありダンスありアクロバットありSMショー!?ありなゴージャスなパフォーマンス。そしてそのパフォーマンスを女の私でも見惚れる男性キャストが演じてます。すごい。圧倒。
ミュージカル「ラ・カージュ・オ・フォール」 写真提供/東宝演劇部
特に1幕終盤、カジェルたちによるラインダンスは宝塚のロケットばりに見応え抜群!心の中では思いっきり手拍子とかで煽りたくなってしまうぐらいの華やかさです!
何よりカジェルの脚線美すごいです。
そして可能であれば、前列のみなさまはオーケストラにもぜひご注目を。
オーケストラピットも非常に盛り上がっております。
ミュージカル「ラ・カージュ・オ・フォール」木村達成、愛原実花 写真提供/東宝演劇部
ストーリーとしては王道すぎるぐらい王道。倦怠期のジョルジュとアルバン、この2人カップルのところに飛び込んできた息子ジャン=ミッシェルの結婚話。「普通」じゃない両親を隠そうとする、「普通」に見せようとする息子、でも母親(!?)にとってはこれが「普通」で、お父さん板挟み。
特殊な環境だからちょっと違うように思いそうですが、幕の裏で広がっているのはどこにでもありそうな光景、この見ている誰かが誰かに「あ~あるある!」「ちょっとー!がんばってー!」と共感して応援したくなるのがこの作品が長く愛されている所以だなと思わされます。
ミュージカル「ラ・カージュ・オ・フォール」鹿賀丈史、市村正親 写真提供/東宝演劇部
登場人物が全員お互いのことを嫌っているのではなくてとても大事で愛しているからこそ、色々あってから回ってすったもんだの大騒動。夫婦愛、親子愛、家族愛、恋愛。いろいろな「愛」の形がこれぞTHE!「王道」ミュージカルで歌って踊って泣いて笑って表現されてます!
この騒動の結末がどうなるか!?はぜひ劇場でその目でしかと確かめてきてください!
(写真提供:東宝演劇部 文:藤田侑加)
ミュージカル「ラ・カージュ・オ・フォール」
【作詞・作曲】ジェリー・ハーマン
【原作】ジャン・ポワレ
【脚本】ハーベイ・ファイアスタイン
【翻訳】丹野郁弓
【演出】山田和也
【出演】
鹿賀丈史 市村正親
木村達成 愛原実花 真島茂樹 新納慎也 香寿たつき 今井清隆 森公美子 他
2018年3月9日(金)~31日(土)/東京・日生劇場
2018年4月7日(土)・8日(日)/福岡・久留米シティプラザ ザ・グランドホール
2018年4月13日(金)~15日(日)/静岡・静岡市清水文化会館マリナート 大ホール
2018年4月20日(金)~22日(日)/大阪・梅田芸術劇場メインホール
公式サイト
ミュージカル「ラ・カージュ・オ・フォール」