
光に照らされ、影とともに立ち現れる、秘密と不穏をまとった家族の物語――。『Ombres Portées/キャストシャドウ』ラファエル・ボワテル(演出・振付)による関連企画ワークショップ&ポストトーク開催決定!
(c)Christophe Raynaud de Lage
カンパニー・ルーブリエ/ラファエル・ボワテル『Ombres Portées/キャストシャドウ』
演出・振付を手掛けるラファエル・ボワテルによる、関連企画ワークショップ&ポストトークの開催が決定した。
ヨーロッパの現代サーカス界を牽引する存在として異彩を放つ演出家・振付家のラファエル・ボワテル。日本を拠点とするサーカスアーティストとの国際共同制作『フィアース5』(2021、2023年)の演出で、日本でも脚光を浴びたラファエル・ボワテル率いるカンパニー・ルーブリエが、6年ぶりに世田谷パブリックシアターに登場する。
ラファエル・ボワテルは、2021年、ジョセフ・ナジやフィリップ・ドゥクフレなどが担当してセンセーションを巻き起こしたフランス国立サーカスアートセンター(CNAC)の卒業公演のディレクターに抜擢され、大きな話題を呼んだ。さらに、2024年パリ五輪・パラリンピックに向けた大規模文化プログラムの一環で、パリの歴史的建造物であるパレ・ロワイヤルを舞台にした斬新なパフォーマンスの演出で世界的に注目を集めるなど、その活動は常に存在感を放っている。
この度、『Ombres Portées/キャストシャドウ』の上演に合わせて、今作で演出・振付を手掛けるラファエル・ボワテルを講師に迎えた関連企画ワークショップの開催が決定した。10月24日(金)の公演終演後には、ラファエル・ボワテルを迎えたポストトークも行われる。
カンパニー・ルーブリエは、演劇、ダンス、音楽、映画といった様々な表現をボーダーレスに取り入れた“総合芸術”としての現代サーカスと、オリジナルの装置によって生み出される唯一無のパフォーマンス、そして光と音が織りなす芸術的な舞台空間で、世界各国の観客を魅了しているカンパニーだ。
今回上演される『Ombres Portées/キャストシャドウ』は、クラウド・スウィング、コントーション、アクロバット、エアリアルなどの迫力あるサーカスアクトとともに、ラファエルの作品では初めてとなる“言葉”が役割を持って登場し、秘密と不穏な影をまとった家族の物語が紡がれる。光と影が織りなす舞台空間で、パフォーマーたちが家族、秘密、変わりゆく運命を圧倒的な身体表現で体現する作品世界は、息をのむほどの美しさに満ちている。
光に照らされ、影とともに立ち現れる、言葉と肉体が交錯する現代サーカスの新境地を劇場で体感してみては。
詳細は公式サイトで。
https://setagaya-pt.jp/stage/25028/
(c)Pierre Planchenaul
(c)Christophe Raynaud de Lage
ラファエル・ボワテル(演出・振付)コメント
このたび、『Ombres Portées/キャストシャドウ』を世田谷パブリックシアターで上演できることを本当に嬉しく思っています。
『Ombres Portées/キャストシャドウ』は非常に濃密な作品です。サーカス、ダンス、演劇といった様々なジャンルが融合されており、非常に映画的な演出で、スタイリッシュな人物たちが登場します。
これは家族の物語、家族の秘密、そしてその秘密がそれぞれの家族に与える影響を描いています。
家族とは、心地よく安心できる場所、繭のような存在です。でも私は、時に家族の中で眠っているものが、目を覚ます必要もあると思ったのです。
そのすべてが、詩的な美しさと光に満ちた瞬間、そして同時に本当の緊張感とドラマを伴って描かれます。それぞれの内面へと深く潜り込んでいくような瞬間、光が身体を彫刻のように浮かび上がらせ、音楽が観客の心をつかむ瞬間があります。
この作品を観るのに、特別な説明書は必要ありません。ただ受け取って、感じてもらえればいいのです。誰もがきっと、自分自身をこの作品の中に見出せると思います。なぜなら、それは「人生」について語っているからです。
ラファエル・ボワテル(『Ombres Portées/キャストシャドウ』演出・振付)
ラファエル・ボワテル(演出・振付)コメント動画
カンパニー・ルーブリエ/ラファエル・ボワテル
『Ombres Portées/キャストシャドウ』トレーラー
カンパニー・ルーブリエ/Cie L’Oublié(e)
2012年、振付・構成・演出を務めるラファエル・ボワテルを中心に設立。サーカスに、演劇、ダンス、映画などの様々な分野を融合させた新しい身体的・視覚的言語の開発に力を入れている。特にエアリアルについては伝統的なサーカスでは見られない画期的な新しい装置を開発。唯一無二のスタイルが注目を集め、世界中で人気を博す。
日本拠点のアーティストとの国際共同制作『フィアース5』(2021, 23年)のオリジナルで、伝統的なサーカスをオマージュした人気作『5es HURLANTS』(2015年)、19年に初来日公演となった『When Angels Fall/地上の天使たち』(2018年)のほか、『UN CONTRE UN』(2020年)、本作『キャストシャドウ』(2021年)など、複数の作品で世界中をツアー。ボルドー国立歌劇場と共同制作されたパルクール作品『HORIZON』(2019年)は、2024年9月に開催されたパリ2024夏季オリンピックに向けたカルチュラル・オリンピアードの中でも上演され注目を浴びた。
ラファエル・ボワテル/Raphaëlle Boitel
1984年生まれ。6歳より演技を学び、パフォーマンスを始める。8歳にてアニー・フラテリーニに見初められ、1992年に名門、国立サーカス学校アカデミー・フラテリーニに入学。1998年から2010年まで、フランス現代サーカスの旗手ジェームス・ティエレと共に活動。13年のツアーの間、平行して演劇や映画、テレビなどでも活躍する。12年、Cie111/オーレリアン・ボリーにて活動。その後、カンパニー・ルーブリエを設立する。自身の作品の他、ミラノ・スカラ座、パリ・シャトレ座、オペラ=コミック座などでオペラの振付を担当。2020年には、フランス国立サーカスアートセンター(CNAC)の卒業制作の演出に抜擢された。
(文:エントレ編集部)
世田谷アートタウン2025関連企画
カンパニー・ルーブリエ/ラファエル・ボワテル
『Ombres Portées/キャストシャドウ』
【出演】カンパニー・ルーブリエ
2025年10月24日(金)〜10月26日(日)/世田谷パブリックシアター