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BDPアカデミー公演 「KUSHINADA -櫛名田姫-」

受け継がれていく命と愛の物語 観客を天上にいざなう壮大な楽曲が魅力 BDPアカデミー公演 ミュージカル『KUSHINADA -櫛名田姫-』5月9日(金)から渋谷区文化総合センター大和田 伝承ホールで上演

BDPアカデミー公演 「KUSHINADA -櫛名田姫-」ミュージカル『KUSHINADA -櫛名田姫-』左から、横山温人、上野愛実、乃咲絢美、尾形真桜、演出の中沢千尋

BDPアカデミー公演 ミュージカル『KUSHINADA -櫛名田姫-』インタビュー特集

劇団BDPは2001年に青砥洋によって創立。当時、児童劇団「大きな夢」に所属する高校生以上の団員で結成され、第一回公演として「飴屋の夜に…」を上演した。その後、新国立劇場・小劇場で「姫神楽」や「KUSHINADA」、都内劇場で「小さな貴婦人」や「パパからもらった宝もの」を上演してきた。
現在は22歳以上を対象とした「BDPプラス」と、高校生以上22歳以下を対象とした「BDPアカデミー」の二つに分けて活動を続け、演技力、歌唱力、ダンス力を磨き続けている。

「KUSHINADA -櫛名田姫-」
『KUSHINADA -櫛名田姫-』(2020年)新国立劇場 小劇場にて上演

BDPアカデミー」は子どもミュージカルから大人の演劇まで様々な公演を行う劇団BDPの養成機関。高校生から大学生までの劇団員が日夜稽古に励んでいる。
今回上演されるミュージカル公演『KUSHINADA -櫛名田姫-』は、このBDPアカデミーによる公演だ。

本作は古事記のヤマタノオロチ伝説を元にしたミュージカル作品。脚本を手掛けたのは『ディズニー映画「アナと雪の女王」の訳詞・劇団四季「バケモノの子」脚本等で活躍している高橋知伽江。また、音楽は片野真吾、演出は中沢千尋が手がける。

エントレではクシナダ役(Wキャスト)を演じる乃咲絢美と上野愛実、スサノオ役(Wキャスト)を演じる尾形真桜と横山温人、さらに演出の中沢千尋にインタビュー取材し、本作の魅力について聞いた。

動画はインタビュー取材に加え、取材当日に行われた通し稽古を収録・編集したもの。【動画5分】

 

神と人間の関わりを丁寧に描く

――まずミュージカル『KUSHINADA』について教えてください。

中沢 「ミュージカル『KUSHINADA』は、受け継がれていく命と愛の物語かなと思っています。いろんな災いが続く中で、大切に思う人をどう守るか、そしてその時に勇気を出してどう決断するかを描いている作品かなと思っています。・・・合ってる?」

一同 「合ってます!」

中沢 「古事記をミュージカルにしたものなんですが、日本の中でも大事な神話を用いたものなんです。神話の世界を現代のみなさんに身近に感じてもらって、何かあった時に自分がどう生きていくか、決断していくかっていうことを、いろんな人に知ってもらいたいし、考えてもらいたいなと思っています。」

BDPアカデミー公演 「KUSHINADA -櫛名田姫-」
ミュージカル『KUSHINADA -櫛名田姫-』左からスサノオ役の横山温人、クシナダ役の上野愛実

――実際にお稽古をしてみていかがですか?

上野 「和物作品は、私たちが生きる現代とはしゃべり方も違うし、たぶん感じ方も違うんだろうなって思っているので、丁寧に演じていきたいなと思っています。」

乃咲 「神様と人間との関わりがこの作品には出てくるんです。みんなが知っているような偉大な神様と私たち人間が、どういう風に関わって行ったらいいのかっていうのをすごく考えるので、そういうところが面白いと思います。」

尾形 「日本の古い文化っていうものに、簡単な意味で触れるっていうことじゃなくて、実際そのキャラクターを演じるっていうのはなかなか無い経験なので、言葉遣いだったり所作だったりが、やってて面白いと思いますし、難しいなとも思います。」

中沢 「所作ね。」

横山 「ちょっとした動きでも『それは違うよ』と言われたり、『それだと洋風や現代風だからもっとこうして』というのが、本当に山ほどあって。馴染みがないものに挑戦していくというのが難しくもありつつ、とても面白いなと思っています。」

――そんなに違いがあるんですね

横山 「そうですね。現代では手を握ったりハグをしたりすることもあると思いますが、自分で愛を発見して、愛だと気付いて手を取るというのは、神聖な気持ちというか、重みが違うという感じがするんです。そういうところも大事にして演じるようにしていきたいです。」

見せ場は、愛に気付くシーン

――挑戦しているところを教えてください。

上野 「技術的なところでいうと、高い音域の楽曲が多くて難しいんです。フレーズひとつひとつを丁寧に抜き取って練習してできるだけ上達していきたいなと思っています。スサノオとクシナダが愛に気付くシーンは、この作品の一番の見せ場のシーンです。お稽古でも何度も言われているんですが、姫として2歩も3歩も下がったという感覚にならないといけない。現代とは愛の感じ方が違うんだなと思っています。できるだけその気持ちが自然に湧いてくるように心がけています。」

乃咲 「個人的に思い入れのあるシーンがありまして、5年前の上演時に、私は小学生だったんですが少女クシナダを演じたんです。劇中で、少女クシナダと大人になったクシナダが交差して入れ替わるシーンがあるんですけど、『ああ、5年前もやったな。私、大きくなりました。』みたいな感じで、私の中ですごく心に来るシーンですね。」

BDPアカデミー公演 「KUSHINADA -櫛名田姫-」
ミュージカル『KUSHINADA -櫛名田姫-』左からスサノオ役の尾形真桜、クシナダ役の乃咲絢美

尾形 「スサノオが最初にクシナダと出会うシーンがあるんですが、神であるスサノオが初めて人間に出会うシーンなんです。初めての人間に興味津々になっているのが興味深い面白いシーンだなと思います。」

横山 「最後の方でスサノオとヤマタノオロチが対決するシーンがあるんですが、一筋縄では勝てなくて、スサノオは怪我をして苦戦するんです。でも、姉のアマテラスやクシナダ、天女たち、いろんな人が頑張れって言ってくれて、エネルギーやパワーをくれるんです。そこは演じていて本当にグッとくるシーンなので、すごくすごく好きなシーンです。」

中沢 「今回は愛の力というのがキーポイントかなと思っていて、美しい愛を描きたいなと思っているんです。美しくもあり、強くもあり、みなぎる力になる愛を演じてほしいと思っております。劇中で祈祷師というものが現れるんですけど、そのシーンはすごく壮大で、迫力がある好きな場面です。」

天上にいざなう壮大な楽曲が魅力

BDPアカデミー公演 「KUSHINADA -櫛名田姫-」稽古より
BDPアカデミー公演 「KUSHINADA -櫛名田姫-」稽古より

――お気に入りの楽曲を教えてください。

上野 「一幕ラストの いざ戦いを挑まん という曲です。クシナダの曲は全部本当に素敵で、選ぶのが大変なんですけど、いざ戦いを挑まん は、スサノオがクシナダのために命をかけて戦うという決心をしてその歌が始まるのですごくエネルギーがあって、舞台上のみんなの思いがひとつになった感じがする、大好きな楽曲です。」

乃咲 「二幕の 母の想い です。クシナダのお母さんのテナズチが歌う曲なんですが、今まで育ててきた玉のような子供たちがオロチによって七人も亡くなってしまって、最後の一人はどうにかして守ってあげたいという、母が天にすがるような思いがその曲にすごく込められているんです。子供や家族を思う気持ちは昔でも現代でも変わらないんだなと実感できるすごく大好きな曲です。」

尾形 「スサノオがたくさん悪いことをして、アマテラスが岩戸から出てきて、スサノオは下界に追放されるというところで歌われる 旅立ち という曲です。みんなに見送られるので、すごく気持ちよく旅立てるんです!その曲が個人的にはすごく好きで、お姉さんのアマテラスと唯一デュエットできる曲でもあるので僕の好きな曲です。」

横山 「冒頭の 美しき国 という曲からこのミュージカル『KUSHINADA』が始まるんですが、お客様を天上の世界へいざなってくれる曲なんです。すごく壮大で、一気に天界のモードになるいい曲だと思います!」

――最後にお誘いのメッセージをお願いします!

中沢 「この作品は、高橋知伽江先生が描くダイナミックな脚本をもとに、片野真吾先生が壮大な音楽を作ってくださいました。純粋に物語の美しさを楽しんでもらえたらと思います。また、この作品にはヤマタノオロチというのが出てきます。巨大な存在をどう舞台の中で想像させていくかは挑戦だと思っているので、そこもお楽しみに。」

横山 「とにかく壮大で迫力のある作品なので、圧巻の舞台をお楽しみください!」

尾形 「演出ひとつひとつに深いこだわりがあって、演技も深めていきますので、ご注目ください!」

乃咲 「歌も演技も振付も素晴らしいものになると思います。難しい楽曲も多いんですが、みなさまに楽しんでもらえるように精進していきます!」

上野 「この作品は、切ない表現が素敵だなと思っています。切なく美しい舞台になっていると思います。5年前に初めてこの作品の本読みをしたときに解き放たれたような気持ちがしたんです。丁寧に演じて行きたいと思いますので、是非、観に来てください!」

BDPアカデミー公演 「KUSHINADA -櫛名田姫-」
ミュージカル『KUSHINADA -櫛名田姫-』左から、横山温人、上野愛実、乃咲絢美、尾形真桜、演出の中沢千尋

 

STORY

天上から出雲の国に降り立ったスサノオは、クシナダ姫に出会い惹かれる。しかしそのクシナダは間もなくヤマタノオロチに、いけにえとして捧げられるという。八つの頭を持つオロチは出雲の国を荒らしまわり、これまで毎年一人ずつクシナダ姫の姉たちをさらっている。スサノオはクシナダ姫、そして出雲の国の民を救うために立ち上がる!!

 
本作は5月9日(金)から渋谷区文化総合センター大和田 6階 伝承ホールで上演される。
詳細は公式サイトで。
https://www.gekidan-bdp.jp/w/kushinada

 
(文:エントレ編集部)

公演情報

BDPアカデミー公演
ミュージカル『KUSHINADA -櫛名田姫-』

【脚本】高橋知伽江
【音楽】片野真吾
【演出】中沢千尋

【出演】
クシナダ 乃咲絢美/上野愛実
スサノオ 尾形真桜/横山温人

アマテラス 荒実ゆき(BDP)/ 木谷仁美(BDP)

~天女たち~
ワカナ 佐野亜也子/石田美々子
モエギ 清水葵/半村美桜
キナリ 先灘由希/荒井巴那
ヤナギ 木ノ本唯華/麻生和奏
スオウ 森美怜/坂井ななみ
カスミ 森田真優

アシナズチ 北村翔太郎(BDP)
テナズチ 福原佑実(BDP)

イシナギ 松田綸

祈祷師 藤井弥來/加藤碧貴

~クシナダの姉たち~
一姫ユキシロ 遠山莉子(BDP)/小栁明日花
二姫サワラビ 藤井花音
三姫ハツヒナ 西浦綾菜
四姫カオドリ 米澤杏実
五姫セリツミ 吉垣安里
六姫フジナミ 土屋眞綾
七姫クサモエ 今泉蘭

シラハエ 佐藤己大

少女クシナダ 奥山真実
幼いクシナダ 瀬谷心音

※全キャストどちらの組にも出演いたします。

2025年5月9日(金)~11日(日)
渋谷区文化総合センター大和田 6階 伝承ホール

公式サイト
https://www.gekidan-bdp.jp/w/kushinada

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