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東京芸術劇場 Presents 木ノ下歌舞伎『勧進帳』

人気演目 5年振りの再演 東京芸術劇場 Presents 木ノ下歌舞伎『勧進帳』9月1日から東京芸術劇場 シアターイーストほか各地で上演

東京芸術劇場 Presents 木ノ下歌舞伎『勧進帳』

 

木ノ下歌舞伎『勧進帳』が9月1日(金)から東京芸術劇場 シアターイーストほか6都市で上演される。東京公演は今回が初めて。

 
木ノ下歌舞伎の代表作である『勧進帳』は、主宰・木ノ下裕一が監修・補綴、創作当時は企画員として木ノ下歌舞伎に在籍していたKUNIO主宰の杉原邦生が演出・美術を担い、2010年に初演。その後、2016年にリクリエーション版を上演、ジャポニスム2018の一環として招聘されたパリ公演では好評を博した。
木ノ下裕一と杉原邦生の二人の「再び上演したい!」という思いから、5年ぶりに再演される。また、今回が初めての東京公演となる。

出演はリー5世、坂口涼太郎、高山のえみ、岡野康弘、亀島一徳、重岡漠、大柿友哉。スウィングは佐藤俊彦、大知が務める。
演出・美術は杉原邦生が手がける。

 

STORY

鎌倉幕府将軍である兄・源頼朝に謀反の疑いをかけられた義経たちは、追われる身となり奥州へ向かっていた。
道中の加賀国(※1)・安宅で、義経一行は自らを捕らえるための関所に行く手を阻まれる。義経は強力(※2)の姿、家来たちは山伏の姿に化けて関所を通ろうとするが、関守の富樫左衛門には山伏姿の義経たちを捕らえるよう命令が下されていた。そこで武蔵坊弁慶は機転を利かせて、焼失した東大寺を再建するため勧進(※3)を行っているのだと話す。すると富樫は、弁慶に勧進帳(※4)を読むよう命じるのだった。もちろん勧進帳など持っていない弁慶は、別の巻物を開くと、それを本物と見せかけて勧進帳の文言を暗唱してみせた。その後も一行は山伏を演じきり、関所を通る許しを得る。しかし、ふとしたことから強力が義経ではないかと疑われてしまった。緊迫した状況のなか、弁慶は義経をどこまでも強力として扱い、杖で打ち据える。それを見た富樫は、頼朝の命を破り、一行を通してやるのだった――。

(※1)現在の石川県小松市。
(※2)山伏に伴って荷物を運ぶ従者。
(※3)寺院の建立・修繕などのため、信者や有志者に説いてその費用を奉納させること。
(※4)勧進の目的について記された巻物形式の趣意書。

 

『勧進帳』監修・補綴 木ノ下裕一(木ノ下歌舞伎主宰)コメント

今までに増して、一枚のチケットが重くなっているようです。
疫禍にも収束の光が見えつつあると言っても、依然として突然の中止があり得る世界において、作り手と観客が同じ時と場を共有する舞台芸術はまさに一期一会。お客さまもまた、時間的な余裕と、経済的な余裕を見極めながら、今見るべき一本の舞台を、慎重に選んでいるように見受けられます。
一方、ますます格差が広がっていく社会の中で、誰もが気軽に娯楽や文化芸術を享受できなくなりつつあるのだとしたら、〝公共劇場〟の意義と責任はより重大です。そんな中、東京芸術劇場さんと一緒に『勧進帳』を上演いたします。公共劇場とカンパニーが協同することで、何ができるのか。少しでもクオリティの高い作品をお客様のお目にかける以外にも、まだまだやれることがあるのではないか。より作品をお楽しみいただくための講座、知的好奇心を刺激するための関連イベント、中高生へ向けた鑑賞会、障がい者への観劇サポートなど、ありったけの知恵を絞って、少しでも皆様の傍に〝寄り添える〟公演を目指します。
思えば、『勧進帳』は、登場人物全員が、寄り添えないはず(立場上寄り添ってはいけないはずの)の他者に、それでも少しずつ寄り添おうとする物語でもありました。
「この公演は自分のためにあった」と、お客様お一人ひとりに思っていただけるように、心を込めて臨みます。
チケット一枚の重さを受け止めながら。

 
『勧進帳』演出・美術 杉原邦生コメント

2016 年にリクリエーションした木ノ下歌舞伎版『勧進帳』を5年ぶりに上演できること、とても嬉しく思っています。と同時に、初演時よりさらに目まぐるしく移り変わるこの時代に、7年前の作品が未だ〈チカラ〉を持ち得ているのだろうかと、少しだけ不安を感じたりもしています。
ですが、そもそも歌舞伎の『勧進帳』も、“能の『安宅(あたか)』を歌舞伎化する”というアイデアから創作され、初演から今日に至るまで形を変えながら練り上げられ、幾たびも上演されてきました。その事実こそが、古典芸能の〈チカラ〉を証明していると言えるかもしれません。ということは、“歌舞伎の『勧進帳』を現代劇化する”という野心的な試みによって生まれた僕たちの『勧進帳』も、こうして時代の変化とともに上演を重ねていくことで、日本の古典芸能、さらには、日本の舞台芸術の〈チカラ〉を証明することに繋がっていくはず―――そんな野望を胸に、ただただ良き上演を届けられるよう、粛々と準備を重ねています。
皆さまのご来場お待ちしております。

 
チケットの一般発売は2023年7月1日(土)10:00~ (各プレイガイドにて先行販売あり)
詳細は公式サイトで。
https://kinoshita-kabuki.org/2023/05/25/8975
  
(文:エントレ編集部)

 
 

公演情報

東京芸術劇場 Presents 木ノ下歌舞伎『勧進帳』

【監修・補綴】木ノ下裕一

【演出・美術】杉原邦生[KUNIO]

【出演】リー5世 坂口涼太郎 高山のえみ
岡野康弘 亀島一徳 重岡漠 大柿友哉
【スウィング】佐藤俊彦 大知

[東京公演]2023年9月1日 (金) ~9月24日 (日)/東京芸術劇場 シアターイースト

[沖縄公演]2023年9月29日(金)~10月1日(日)/那覇文化芸術劇場なはーと 大劇場(特設客席)
[上田公演]2023年10月7日(土)・8日(日)/サントミューゼ(上田市交流文化芸術センター)大ホール(特設客席)
[岡山公演]2023年10月14日(土)・15日(日)/岡山芸術創造劇場 ハレノワ 小劇場
[山口公演]2023年10月21日(土)・22日(日)/山口情報芸術センター スタジオA
[水戸公演]2023年10月27日(金)・28日(土)/水戸芸術館 ACM劇場
[京都公演]2023年11月4日(土)・5日(日)/京都芸術劇場 春秋座(特設客席)

 
公式サイト
https://kinoshita-kabuki.org/2023/05/25/8975

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