
松本幸四郎「舞台が残る道ができたと感じた作品」 尾上松也「それぞれの色を楽しんで」 シネマ歌舞伎『歌舞伎NEXT 朧の森に棲む鬼』完成披露上映会レポート

松本幸四郎、尾上松也 撮影:安原のどか
歌舞伎を映画館で楽しむ映像コンテンツ「シネマ歌舞伎」。来年1月に公開となる最新作『歌舞伎NEXT 朧の森に棲む鬼』の完成披露上映会が行われた。
本作は劇団☆新感線の数々の名舞台を手掛けてきた脚本家〈中島かずき〉と、演出家〈いのうえひでのり〉による新作歌舞伎を映画化した作品。松本幸四郎と尾上松也、それぞれ主演をつとめた「幸四郎版」「松也版」の2バージョンが連続公開される。
主演違いの2バージョンを連続公開するのは、20年のシネマ歌舞伎史上初めてのことだ。
本作の完成披露上映会が行われ、
主演のライをWキャストで演じた松本幸四郎と、尾上松也が登壇した。
いつとも知れぬ戦乱の世。
とある島国の深い《オボロの森》の中、野良犬のごとく屍の山を漁る男が一人。
その名は《ライ》。
落武者狩りで屍から金品を奪っていたところに《オボロの魔物》が現れ、
《ライ》の奥底にある欲望を呼び覚ます。
それは、この国の王座を我がものにすること――
魔物が与えた〝オボロの剣〟は《ライ》の舌に合わせて動き、人を斬っては赤い血の雨を降らす。
この出会いこそが破滅の始まりだった――。
松本幸四郎は「シネマ歌舞伎の朧は、上演している舞台を素材として、スクリーンで観るための作品を作っているので、また新作の朧だと思って観て頂ければと思います。
僕が主役のライを演じたものと、松也さんが演じたものでは全く違う。こんなに違いがあるんだと感じていただければ。」と両バージョンの違いを力説。
尾上松也も幸四郎さんの仰ったことが全てだと肯定した上で「それぞれの色、個性を活かしながら、幸四郎バージョン、松也バージョンを作ってくださったので、きっと楽しんで頂けると思います。」と更にアピールしていた。
幸四郎版は、2026年1月2日(金)から、松也版は、1月23日(金)から東劇をはじめ、全国の映画館で公開される。
詳細は公式サイトで。
https://www.shochiku.co.jp/cinemakabuki/

(写真撮影:安原のどか 映像撮影・編集・文:森脇孝/エントレ編集部)
シネマ歌舞伎『歌舞伎NEXT 朧の森に棲む鬼』
【 作 】中島かずき 【演 出】いのうえひでのり
【出 演】松本幸四郎、尾上松也、中村時蔵、坂東新悟、尾上右近、市川染五郎、澤村宗之助、大谷廣太郎、市川猿弥、片岡亀蔵、坂東彌十郎 ほか (令和6年11,12月新橋演舞場公演を収録)
幸四郎版:2026年1月2日(金)〜1月22日(木)
松也版:2026年1月23日(金)〜2月12日(木)

