
言葉と肉体が交錯する現代サーカスの新境地!カンパニー・ルーブリエ/ラファエル・ボワテルが『Ombres Portées/キャストシャドウ』を上演
(c)Christophe Raynaud de Lage
言葉と肉体が交錯する現代サーカスの新境地!
カンパニー・ルーブリエ/ラファエル・ボワテルが『Ombres Portées/キャストシャドウ』を上演する
光と音、オリジナルの装置を駆使した唯一無二のスタイルで現代サーカス界を牽引するラファエル・ボワテル。日本を拠点とするサーカスアーティストとの国際共同制作による『フィアース5』(2021、23年)の演出や、2024年パリ五輪・パラリンピックに向けた大規模文化プログラム「カルチュラル・オリンピアード(Cultural Olympiad)」の一環で、パレ・ロワイヤルを舞台にした『ホライズン(Horizon)』を発表し世界的に注目を集めるなど、その活動は常に存在感を放ち続けている。そのラファエル率いるカンパニー・ルーブリエが、今秋、6年ぶりに世田谷パブリックシアターに登場する。
カンパニー・ルーブリエは、演劇、ダンス、音楽、映画といった様々な表現をボーダーレスに取り入れた“総合芸術”としての現代サーカスと、オリジナルの装置を使ったパフォーマンスで世界各国の観客を魅了しているカンパニーだ。2019年の初来日公演『When Angels Fall/地上の天使たち』では、ディストピアと化した世界を舞台に、希望を求めて立ち上がろうとする人々の内なる強さを圧巻の空中パフォーマンスとともに力強く描き出し、日本の観客に衝撃を与えた。
(c)Pierre Planchenault
今回上演する『Ombres Portées/キャストシャドウ』は、クラウド・スウィング、コントーション、アクロバット、エアリアルなどの迫力あるサーカスアクトとともに、ラファエルの作品ではこれまでになかった“言葉”が役割を持って登場する。
ラファエル自身が「私が思い描いた“総合芸術”としての舞台作品」と語る本作では、身体表現、演劇、ダンス、映画、そして登場人物たちの紡ぐ言葉がボーダーレスに融合され、そられすべてが、まるでひとつの夢をみているかのように交錯しながら作品世界を作り上げていく。
光と影が織りなす舞台空間の中で展開されるのは、秘密と不穏をまとった家族の物語だ。タイトルの『キャストシャドウ』とは、ビジュアル・アートにおいて、光を受けた物体によって別の物体の上に落ちる影を指す言葉。ラファエルの最大の理解者であるトリスタン・ボドワンによる芸術的な照明と、アルチュール・ビゾンによる音楽の中で、パフォーマーたちが家族、秘密、変わりゆく運命を圧倒的な身体表現で体現する作品世界は、息をのむほどの美しさに満ちている。
詳細は公式サイトで。
https://setagaya-pt.jp/stage/25028/
(c)Christophe Raynaud de Lage
カンパニー・ルーブリエ/Cie L’Oublié(e)
2012年、振付・構成・演出を務めるラファエル・ボワテルを中心に設立。サーカスに、演劇、ダンス、映画などの様々な分野を融合させた新しい身体的・視覚的言語の開発に力を入れている。特にエアリアルについては伝統的なサーカスでは見られない画期的な新しい装置を開発。唯一無二のスタイルが注目を集め、世界中で人気を博す。
日本拠点のアーティストとの国際共同制作『フィアース5』(2021, 23年)のオリジナルで、伝統的なサーカスをオマージュした人気作『5es HURLANTS』(2015年)、19年に初来日公演となった『When Angels Fall/地上の天使たち』(2018年)のほか、『UN CONTRE UN』(2020年)、本作『キャストシャドウ』(2021年)など、複数の作品で世界中をツアー。ボルドー国立歌劇場と共同制作されたパルクール作品『HORIZON』(2019年)は、2024年9月に開催されたパリ2024夏季オリンピックに向けたカルチュラル・オリンピアードの中でも上演され注目を浴びた。
ラファエル・ボワテル/Raphaëlle Boitel
1984年生まれ。6歳より演技を学び、パフォーマンスを始める。8歳にてアニー・フラテリーニに見初められ、1992年に名門、国立サーカス学校アカデミー・フラテリーニに入学。1998年から2010年まで、フランス現代サーカスの旗手ジェームス・ティエレと共に活動。13年のツアーの間、平行して演劇や映画、テレビなどでも活躍する。12年、Cie111/オーレリアン・ボリーにて活動。その後、カンパニー・ルーブリエを設立する。自身の作品の他、ミラノ・スカラ座、パリ・シャトレ座、オペラ=コミック座などでオペラの振付を担当。2020年には、フランス国立サーカスアートセンター(CNAC)の卒業制作の演出に抜擢された。
(文:エントレ編集部)
世田谷アートタウン2025関連企画
カンパニー・ルーブリエ/ラファエル・ボワテル
『Ombres Portées/キャストシャドウ』
【出演】カンパニー・ルーブリエ
2025年10月24日(金)〜10月26日(日)/世田谷パブリックシアター