SHOW×MUSICAL『DREAM HIGH』

熱気と個性溢れる日韓スペシャルステージ!SHOW×MUSICAL『DREAM HIGH』取材会&観劇レビュー

SHOW×MUSICAL『DREAM HIGH』オフィシャル写真

あらすじ
キリン芸能高校を卒業して10年、世界の音楽シーンを沸かすK-POPスター「The K」となったソン・サムドン。グラミー賞の華やかなステージで、永遠のライバル・チン・グクと火花を散らすが、激しいプレッシャーから耳鳴りに襲われ、夢の舞台は無残に崩れてしまう。
行き場を失ったサムドンは、かつての恩師カン・オヒョクを訪ね、久しぶりに旧友たちと再会する。しかし、彼らもそれぞれの道で悩みを抱えていた。
そんな彼らに、オヒョクはある「特別な課題」を授ける。一方で、権力に目がくらんだ校長とマ・ドゥシク代表は、オヒョクを学校から追い出そうと暗躍を始めていた――。

 
SHOW×MUSICAL『DREAM HIGH』は、2011年に韓国で放送され、その後日本やアジア各国で放送され社会現象を巻き起こした大ヒットドラマ『ドリームハイ』を原作とした舞台作品です。今記事では観劇レビューと取材会の様子をお届けします!
ドラマは、韓流ブームの火付け役となった、ペ・ヨンジュン、Rain、そして、後の「Nizi Project」のプロデューサーJ.Y.Parkが共同で初プロデュースしたことで注目されました。今ドラマがきっかけで当時新人俳優だったキム・スヒョンはトップスターの仲間入りを果たし、IUも出演し人気を高めていきました。

私は観劇する前からわくわくと共にドキドキもしていました。なぜなら、原作は、私がK-POPや韓国ドラマに深くハマるきっかけになった大好きな作品だからです!
当時日本で大人気となり、DVD発売記念で予約購入者先着1万2000名が来場したプレミアムイベントが開催されたのですが、私もそのイベントに参加していました(笑)

また、2PM、miss A、T-ARAなど日本でK-POPブームを巻き起こしていたアイドルが多数出演していたのですが、私は全く知らず…たまったま、地上波でドラマが放送されていたのを観て、レベルの高いダンスや音楽に魅了され、若者達が夢を追う姿に自分を投影しハマっていきました。そしてその中でも私は、チン・グク役のオク・テギョン君に惹かれました。彼のことを調べると、実はジェイソン役のウヨン君と共に2PMというアイドルグループに所属していることを知り、PVを観ているうちに2PMにもハマり、ファンクラブに入るという流れで、かれこれ15年程推し続けています(笑)

原作が好きすぎて(笑)、期待する気持ちと、「原作の世界観が壊れたら嫌だなぁ」という不安を抱えながら観ましたが、物語は“10年後”のお話になっていて、ショーとミュージカルが融合した新感覚の演出だったため、新たな気持ちで観劇することができました!

SHOW×MUSICAL『DREAM HIGH』オフィシャル写真

オープニングからキャストのレベルの高いダンスやステージに一気に引き込まれ、まるでK-POPのライブ会場に来たかのような錯覚を覚えるほど、華やかで迫力のある舞台でした。

その理由のひとつは、本作の振り付けを手がけているのが、K-POP界を代表する振付師・チェ・ヨンジュン氏だからです。彼はSEVENTEEN、TWICE、Wanna One、Stray Kidsなど、今をときめくK-POPアイドルたちの振付を担当してきた実績を持ち、2020年には「大韓民国大衆文化芸術賞 国務総理表彰」を受賞したことでも知られています。また、オーディション番組の審査員としても活躍しており、その指導力と表現力には定評があります。

そんな一流の振付に応えるかのように、キャスト陣も本格的なダンスと歌で舞台を彩り、一瞬たりとも目が離せないステージが続きました。

今作は、日韓の豪華キャストが共演していることでも注目を集めています!主演のソン・サムドン役はトリプルキャストでSE7ENさん、ASTROのジンジンさん、蒼井翔太さんが務めます。チン・グク役はWキャストでINFINITEドンウさん、瀬戸利樹さんが務めます。また、日韓同時プロジェクトとして、日本版と共に韓国版も同時期に開幕し、3人の韓国人キャストは日本版に同役で出演しています!K-POPの成長を担ってきたスターたちが全編日本語で舞台に挑戦しているところも見どころです。

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特に主演のジンジンさんが歌って踊る姿は圧倒的で、ステージでキラッキラに輝いていました!全編日本語ということで、取材会では「日本語が上手くないので…」と台詞部分には自信がないようでしたが、歌い始めると、歌唱力と歌声に観客は魅了され、ジンジンさんのソロLIVEに来たようでした。ダンスパートも水を得た魚のように活き活きと躍ってらっしゃり、K‐POPアイドルASTROのリーダーとして現役で活躍しているだけあるなぁと感じました。主役としての実力や存在感が素晴らしかったです!
全編日本語のミュージカルで主演を務めるという重責は計り知れないものだったはずです。
舞台稽古では、韓国語と日本語を交え、時には通訳を通しながらコミュニケーションを取っていたとのこと。取材会では「台詞が韓国語と日本語が混ざってしまうことがある」と苦笑交じりに語っていましたが、その努力の裏にある覚悟と挑戦に、観客も自然と心を動かされたのではないでしょうか。

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オヒョク先生役の近藤真彦さんは、「本当に韓国のキャストの方たちは、可愛らしさがあったり、男らしさがあったり、時には弟のようでもありながら、SE7EN君なんかはまるでお兄さんみたいでした。みなさんとても元気で、努力することに必死なんです。それが本当に勉強になります」と、彼らの人柄と姿勢を絶賛されていました。さらに、「彼らは日本語のセリフも覚えて、日本語で歌うんですよ。僕らが韓国に行って、このお芝居を韓国語で覚えて演じろって言われたら……(川崎)麻世さん、どうします?」と突然川崎麻世さんに振り、「もちろん、出来るわけないでしょ!」と即答し、会場は大きな笑いに包まれました。そのやり取りのあと、近藤さんは真剣な表情で「そのくらい大変なことを彼たちはやってるんです。本当にすごいと思います」と韓国キャストの努力と実力に惜しみない賛辞を送っていました。
近藤さんがキャストに向ける眼差しは、劇中でオヒョク先生が生徒たちに真心をもって接している様子と重なりました。

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他に、川崎麻世さんと大友康平さんのコミカルなやりとりは物語のアクセントになり面白かったです。

ソンサムドンのライバル、チングク役の瀬戸利樹さんは、俳優のイメージが強かったので、歌って踊る姿には驚きました!精悍な顔立ちと存在感が際立ち、光っていました。

平野利久さんは、本格的なミュージカル初出演ですが、世界的ダンサーのジェイソン役を堂々と演じていました。幼い頃からダンスをされているだけあり、ダンスシーンは自然で余裕を感じさせるような演技でした。

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ユン・ベッキ役を演じた王林さんは、主要キャストの中でも数少ない女性キャストとして、舞台に華やかさと彩りを添える存在でした。抜群のスタイルで、観客の視線を集めていました。最近ではバラエティー番組への出演が多い印象ですが、この舞台では王林さんのダンスや歌のパフォーマンスを堪能できます。彼女がアイドル出身であることに自然と納得がいくような、輝きを感じられました。

本作の魅力は、K-POPさながらの本格的で華やかなパフォーマンスにとどまりません。夢を追う若者たちの姿や、ぶつかり合いながらも支え合う友情の物語が、原作の世界観を損なうことなく、丁寧に描かれています。登場人物たちの戸惑い、迷い、そして心の揺らぎ…そうした繊細な感情が丁寧に表現されており、観客の心にも染み渡っていきます。夢を追いながらも挫折しそうになる彼らが、もう一度自分を奮い立たせて前に進もうとする姿には、共感と感動を覚えました。

特に印象的だったのは、「舞台で失敗したら…」という不安にとらわれ、ステージを楽しむことができなくなっていたサムドンに、ヘミが優しく「私が助けてあげる」と語りかける場面です。シンプルな言葉の中に込められた思いやりと信頼に胸が熱くなり、思わず目頭が熱くなるような瞬間でした。

また、ソン・サムドン、チン・グク、ジェイソン、ユン・ベッキ 4人が皆んなでアイコンタクトをし合いながら歌い上げるシーンも友情を感じるシーンで心に残っています。

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他にも生徒役には、オーディション番組で注目を集めたBUGVELのMAHIROさんやMINATOさん、若手俳優の瀧澤翼さん、樋口裕太さん、安里唯さん、水越里歌さんらが出演しています。彼らのフレッシュでエネルギー溢れるダンスにも注目です‼︎オヒョク先生を全員で探す場面がありますが、ダンサブルなショーとして魅せる演出がされていて、面白い場面です。クライマックスは皆んなが総出演し、生き生きと歌い上げる素敵なシーンになっています!私も一緒に踊りたくなり、体がいつの間にか動いていました!

今作は原作を知る人も知らない人も楽しめる満足度の高い作品となっています!キャストによる組み合わせや日本と韓国の公演を見比べるのも面白いかと思いますので、どうぞお楽しみください!

(文:あかね渉

公演情報

SHOW×MUSICAL『DREAM HIGH』
出演

ソン・サムドン(Tキャスト):
SE7EN(韓国) ジンジン(ASTRO/韓国) 蒼井翔太(日本)

チン・グク(Wキャスト):
ドンウ(INFINITE/韓国)瀬戸利樹(日本)
ジェイソン:平野莉玖
ユン・ベッキ:王林

カン・オヒョク(Wキャスト): 近藤真彦、別所哲也
マ・ドゥシク(Wキャスト): 川﨑麻世、徳永ゆうき
校長先生(Wキャスト): 長谷川初範、大友康平

演出・音楽・振付
原作: パク・ヘリョン(KBSドラマ『ドリームハイ』)
演出: 久保田唱(日本版)
音楽監督:宮崎誠
振付: チェ・ヨンジュン

◻︎東京公演
公演日程:2025年4月11日(金)〜27日(日)
会場:東京・シアターH

◻︎韓国公演
公演日程:2025年4月5日(土)〜6月1日(日)
会場:ソウル・ウリ金融アートホール

公式サイト
https://dreamhigh-stage.com/

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