東京マハロ『貴子はそれを愛と呼ぶ 2025』

SNSから動き出すラブコメディ 初演から1年半 早くもリバイバル上演 今藤洋子、松村龍之介らが出演 東京マハロ『貴子はそれを愛と呼ぶ』インタビュー特集1

東京マハロ『貴子はそれを愛と呼ぶ 2025』東京マハロ リバイバル公演『貴子はそれを愛と呼ぶ』

東京マハロ リバイバル公演『貴子はそれを愛と呼ぶ』で作・演出を手がける矢島弘一と、出演の今藤洋子、松村龍之介、本間剛、福田ユミにインタビュー取材した。

 
東京マハロ」は脚本家・演出家の矢島弘一が2006年11月に旗揚げした劇団。
不妊治療や震災直後の被災地、いじめ問題に性同一性障害など現代社会が目を背けてはならないテーマの作品を上演してきた。近年ではコメディ作品にもチャレンジして脚本の幅を広げている。

今回上演される『貴子はそれを愛と呼ぶ』は脚本の矢島弘一が初めて書いた「ラブコメ」で、2023年12月に初演した作品だ。
老人介護施設に勤務する46歳独身女性がInstagramに投稿した画像に「いいね!」とコメントが付いたことで物語が動き出してゆく。
作・演出は矢島弘一が手がける。

今回エントレでは作・演出の矢島弘一と、出演の今藤洋子、松村龍之介、本間剛、福田ユミにインタビュー取材し、リバイバル上演される本作の魅力について聞いた。

 
東京マハロ リバイバル公演『貴子はそれを愛と呼ぶ』
東京マハロ リバイバル公演『貴子はそれを愛と呼ぶ』

STORY

東京近郊の老人介護施設に勤務する阿部ちゃん、46歳独身。華があり、男性からモテる同級生の貴子に「男紹介するよ」と言われても『今は必要ない』と意地を張る。そんなある日、何気なくUPしたInstagramのパンケーキの画像に「いいね!」が押される。さらに「美味しそうですね」とコメント。

コメントの主は一目惚れするほどの美男子、ライトさん。阿部ちゃんは浮かれ、あっという間に恋をしてしまう。果たして阿部ちゃんとライトさんの恋の行方は・・・

 

SNSから恋が動き出す

――本作がどんなお話か教えてください

矢島 「主人公は今藤さんが演じる阿部円香(あべまどか)。阿部ちゃんは46歳にして男運に恵まれず、介護職で人に奉仕をする仕事をしています。プライベートでも笑顔を振りまいて、人に迷惑をかけず、いい人を演じていたんですが、ある日SNSを通じて恋をして、その人と未来を見つめて走り出す・・・というお話です。」

作・演出 矢島弘一
東京マハロ リバイバル公演『貴子はそれを愛と呼ぶ』作・演出 矢島弘一

今藤 「お話があった通り、私が演じる阿部ちゃんは46歳の女性で、いい人であるために自分を押し殺して生きてきてしまったところがあって、何かと不器用な女性だと思うんです。
この阿部ちゃんが色んな人と出会ったり、恋をしたりするんですが、お客さんにとっては自分に通じる感情みたいなものを感じていただけるラブコメになっていると思います。阿部ちゃんは私に似ている部分もたくさんあるし、気持ちもわかるなと思います。前回上演した時には膨大なせりふを覚える作業に時間を使ってしまっていたので、今回はさらに阿部円香という人物を深く突き詰めて演じられると思っています。」

今藤洋子
東京マハロ リバイバル公演『貴子はそれを愛と呼ぶ』 今藤洋子

福田 「私が演じる菊田貴子は、阿部ちゃんとは同じ高校だったけど大人になって再会したんです。家族のことや仕事のことを話しているうちに大切な友達になっていく役です。」

矢島 「阿部ちゃんにとって一番近くて、心を許せる存在で、貴子の言葉に阿部ちゃんが影響を受けていくので、とても重要な役です。」

福田 「そうですね。私は前回も出演していたんですが、稽古場でも笑いが絶えないような面白いシーンがたくさんあるお芝居になっています。」

福田ユミ
東京マハロ リバイバル公演『貴子はそれを愛と呼ぶ』 福田ユミ

松村 「僕が演じるのは右人(ライト)さんという名前で、インスタグラム上で阿部ちゃんと出会い、恋を育んでいくという人物です。矢島さんの描く脚本や演出は、どの作品も女性のみなさんにとって共感しやすく楽しみやすいものになっていると思うんです。わーって笑えたり、クスッとしたり、心にぐさっと刺さったり。そういうのあるよね!という感情の解像度が高いというか。
この作品の初演を僕の母が観に来てくれて『今まで観た作品の中で一番面白かった!』って言ってましたので、きっと多くの人に楽しんでもらえると思います。」

松村龍之介
東京マハロ リバイバル公演『貴子はそれを愛と呼ぶ』 松村龍之介

本間 「僕が演じる町田修はプロ野球の審判をしている男で、寂しい中年男性なのでSNS上で生きている感があります。おじさんの切なさと哀しさを味わっていただければと思います。」

本間剛
東京マハロ リバイバル公演『貴子はそれを愛と呼ぶ』 本間剛

力み過ぎず取り組んでパワーアップさせたい

――リバイバル公演ということですが、変えたいことや、逆に変わらずにいきたいことを教えてください。

矢島 「実は前回上演した時から1年半しか経ってないんです。満席の公演だったんですが、それでも もっともっと多くの人に届けたい作品だなと思っていました。前回の公演中に私がリスペクトしている監督さんから『何年に一回かはやっていくべきだよ』というお言葉もいただいたので、自信を持ってできる作品なんだなと思い、今回のリバイバル上演に至りました。
なので、『よし、ここを変えていくぞ』というよりは、力み過ぎず取り組んで『あの作品をパワーアップさせてお届けするぞ』という感じです。キャラクターも役者によく馴染んできているので、前回よりも絶対面白くなる自信があります。」

今藤 「そうですね。力まず今の視点でこの作品に取り組めば、それだけで登場人物みんなの人生を楽しんでいただけると思います。」

『貴子はそれを愛と呼ぶ』稽古場より
東京マハロ リバイバル公演『貴子はそれを愛と呼ぶ』稽古場より

お客様にお誘いのメッセージ

――お客様に向けてお誘いのメッセージをお願いします

本間 「お盆期間にかかってくる公演なんですが、阿部円香の奮闘記を体験すべく、赤坂までお越しください。お待ちしております!」

松村 「この作品は家族や故郷や、人生の原点に立ち戻った時に刺さるテーマだと思います。お盆は故郷に帰る時期でもありますが、それも含めて楽しんで頂けたらと思います。」

福田 「前回観て頂いた方も、今回が初という方でも楽しめる作品だと思いますので、ぜひ体感しに来てください!」

今藤 「演劇ならではの面白さがいっぱい詰まっている作品だと思います。難しいことを考えずに気楽に楽しめる娯楽作品だと思うので、足をお運び頂けたら嬉しいです!」

矢島 「ここまでの脚本家人生の中で、最大限の良さを出せている作品だと思います。大型連休にふさわしい作品だと思いますので、ぜひご覧ください。」

『貴子はそれを愛と呼ぶ』稽古場より
東京マハロ リバイバル公演『貴子はそれを愛と呼ぶ』稽古場より

 
詳細は公式サイトで。
https://www.tekkosho.jp/stage/takako2025

 
(文:エントレ編集部)

公演情報

東京マハロ リバイバル公演 PRODUCE BY テッコウショ
『貴子はそれを愛と呼ぶ』

【作・演出】矢島弘一(東京マハロ)

【出演】
今藤洋子、松村龍之介、本間剛、荒木健太郎、南圭介、
中村信幸、熊澤枝里子、加藤美佐江、安倍香、内谷正文、
春木生、福田ユミ、西野優希

2025年8月6日(水)〜8月13日(水)/赤坂 RED/THEATER

公式サイト
https://www.tekkosho.jp/stage/takako2025

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