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LDH×宝塚 未だかつて観たことがない 化学反応が起こる新しいステージが実現!! 『HiGH&LOW THE 戦国』観劇レビュー

『HiGH&LOW THE 戦国』写真提供/阿部章仁 舞台⁉︎ミュージカル⁉︎LIVE⁉︎
どの枠組みにもおさまらない「新しいステージ」が誕生‼︎

STORY

───時は戦乱の世。
かつてその一帯には五つの社が建てられ、社の周辺はそれぞれ国が栄えていった。

以前は緑豊かだったが、内乱によって砂漠と化した《須和国》。
河口に栄えた水の都《乃伎国》。
生まれながらに戦う戦闘族が集まる火の国《尊武国》。
ここに《袁空国》、《佐峨国》を加えた五つの国が群雄割拠する時代。

各国の長たちは自国の繁栄を願い信頼できる仲間とともに戦いを続けていたが、彼らの戦意を我がものとするべく、忍び寄る影が……。

社に封印されたチカラを解き天下を治めんとする野望が、《須和国》《乃伎国》《尊武国》の三国を巻き込み大合戦へと発展していく……!

 

『HiGH&LOW THE 戦国』写真提供/阿部章仁 

オープニングから期待感を高めるカウントダウンと音楽で始まり、そこから2時間半のノンストップエンターテインメントが繰り広げられました!
清く正しく美しく、気品に満ちた女の園「宝塚」と熱い男社会のイメージが強い「LDH」。それぞれの世界観を確立し、根強いファンがいる両者がどうまじわるのか?始まるまでは全く想像ができず、それぞれの良さを打ち消し合ってしまわないか?とさえも思っていましたが、両者の良いところが活かされた大変見応えのあるステージでした!

私はどちらかというとLDHのグループのLIVEに行ったり、映画やドラマを観ていたので、そちらは馴染みがありますが現役で宝塚歌劇団に所属する瀬央ゆりあさん、水美舞斗さんは初見でした。
瀬央さん、水美さん、お二人の姿は浮世離れした美しさで「これが現役宝塚の輝きか‼︎」と思わず息を呑みました。特に水美さんが登場した瞬間は目を奪われ凝視してしまいました。ブルーのお衣装を纏う姿が清潔感と透明感に溢れ、オーラ、ビジュアル、表情、声、スタイルの良さ、どれ一つ綻びがなく、「完璧」なお姿でした。
宝塚の男役は「だれよりも男性であること」を意識されていると聞いたことがありますが、「やはり本物の男性と並んではどこか女性らしさを感じるのでは?」と観劇前は思っていました。がしかし、並んでも「女」を感じる隙はなく、むしろ本物の男性をも凌ぐ「男感」があり驚愕しました。それも「漢」と暑苦しいものではなく、全女性の視線を、いや女性だけではなく、男性含めた全人類の視線を釘付けにし、心を虜にしてしまうような洗練されたカッコ良さと存在感、全てを包み込むような頼もしさと大きな愛で満ちた男性の姿がそこにありました。歩き方や座り方、佇まいまでどれ一つとっても惚れる要素しかありませんでした。


『HiGH&LOW THE 戦国』写真提供/阿部章仁


『HiGH&LOW THE 戦国』写真提供/阿部章仁

私の一推しの登場人物は水美さん演じる乃儀国のリーダーである神洲崎湧水です。理知的で頼り甲斐があり、誰もが憧れるような存在でありながら、影では苦悩し孤独な姿が思わず支えたくなり心を持っていかれました。側近であり幼馴染の姫川弦流(藤原樹)にだけは素直に弱さを見せる姿にもグッときて、だんだんと惹かれていく様子が丁寧に描かれており、感情移入できました。2人が出てくると舞台の清涼感が増したように感じる程爽やかで、そして多分HiGH&LOW史上最も美しく儚い印象に残るようなシーンが満載でした。藤原さん演じる弦流の誠実さがまた素敵で、その後の展開は必見です!


『HiGH&LOW THE 戦国』写真提供/阿部章仁


『HiGH&LOW THE 戦国』写真提供/阿部章仁

今まで、映像でHiGH&LOW作品を観慣れている者からすると、最初は時代設定に戦国?どういうこと?どうなっていくの?と戸惑い、目の前で繰り広げられるスピード感に満ちた演出に思考が追いつきませんでした。
ですが、ベースは変わらず、各々の色やキャラクターが確立し、それぞれの『正義』や『大切なもの』を守るために闘う部分にハイロー感を感じ、徐々に物語に没入していくことができました。
最初は正直ミスマッチ感や違和感、ごちゃ混ぜ感を感じる場面もありましたが、物語が進んでいくと、各々の輝きや魅力が化学反応を起こし、溶け込み、不思議なパワーを放っていて、最後には「なんだかすごいものを観た‼︎」と大きな満足感がある、人に話したくなるような作品でした。
特に死神のシーンは妖しく、おどろおどろしい様がダンスと音楽と照明で見事に表現され、ぞくぞくするような怖さと恐ろしさを感じました。また、最高に高揚するようなパフォーマンスや歌声に「やっぱりLDHすごい!宝塚素敵!」と素直に称賛せざるおえない瞬間が何度もありました。

『HiGH&LOW THE 戦国』/阿部章仁

宝塚の神々しさ、気品と異空間、異世界感、LDHのパワーとスピード感、パフォーマンス力が不思議とマッチしていて新しいエンターテインメントが生まれていました。
主要キャストは各々見せ場があり、それぞれのファンが沸くようなポイントがありました。そのため、単独公演では観られない、今まで触れることのなかった新たな領域の魅力を知ることができ、双方のファンにとって有益な作品ではないかと感じます。主演の片寄涼太さん、RIKUさんはLiveとはまた違う形で役柄になりきり、それぞれが心情を歌い上げています。浦川翔平さんのラップのシーンもカッコよかったです!女性出演者はいますが、男役のお二人くらいで、「女性」役が登場するシーンがなかったことに気づきました。ファンは変にヤキモチを焼いたり、モヤモヤする気持ちにもなりにくいのではないかと思います。むしろ、水美さんも瀬央さんも女性が憧れてしまうような凛とした美しさとカッコ良さがあり虜になってしまうはずです。
芝居に歌やダンスだけでなく、アクロバットやラップ、華麗な太刀捌きや豪華な演出まで、LDHと宝塚の魅力が詰まったここでしか観られないエンターテインメントを是非劇場で体感下さい‼︎

(文:あかね渉


『HiGH&LOW THE 戦国』/阿部章仁

『HiGH&LOW THE 戦国』/阿部章仁

公演情報

『HiGH&LOW THE 戦国』

【企画・プロデュース】EXILE HIRO
【演出】TEAM GENESIS
【脚本】平沼紀久/渡辺啓
【衣裳】有村淳(宝塚歌劇団)

【出演】

片寄涼太(GENERATIONS)/水美舞斗(宝塚歌劇団)/RIKU(THE RAMPAGE)/瀬央ゆりあ(宝塚歌劇団)/藤原樹(THE RAMPAGE)/浦川翔平(THE RAMPAGE)
小野塚勇人(劇団EXILE)/うえきやサトシ/櫻井佑樹(劇団EXILE)/阿部亮平/久保田創/冨田昌則

※日替わりキャスト※
MINAMI/颯希(SATSUKI)/Ryo/AIRA/RAIZYU/syuichi/MIZUHO

SHUN(Baby Twiggz)/SHOOT(Soulja Twiggz)/KC(General Twiggz)

YOUTA/MADD/TWIGGZ/藤澤慧士/真鍋恭輔/宮永裕都/じゃっき~/杉本佳幹/横山慶次郎/佐久本歩夢/桜井鷹

【日程】
2024年1月29日(月)~2月25日(日)
東京・THEATER MILANO-Za(東急歌舞伎町タワー 6階)

公式サイト
https://www.high-low.jp/stage/sengoku/

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