狂言と赤塚不二夫とイタリア仮面喜劇の異色のコラボレーション作品が上演される。
企画・演出をするのは、和泉流狂言師の小笠原由祠。
大阪を拠点とし、東京・京都・大阪などで古典の名曲を上演する「延年之會」を主宰するほか、パリを中心としたフランス各地・イタリアやベトナムなど海外でも精力的に公演。実演にとどまらず、コンセルバトワールやフランスの老舗劇団”太陽劇団”での芸能指導、また仮面作家として能楽面やイタリアの古典仮面劇の仮面などを制作している。
国内では多くの新作狂言を創作、劇作・演出をつとめ、狂言にとどまらず、国内外の様々な芸能・芸術とのコラボ作品を発表している。
その小笠原由祠が、新たに企画するのが今回の「ネオ狂言」というシリーズだ。
第一弾として選んだ作品は、2011年に京都国民文化祭マンガアートフェスティバルにて国宝・元離宮二条城にて上演し好評を博したという『ポルチーニ』という作品だ。ギャグマンガの神様・赤塚不二夫のキャラクターたちが能舞台の上でエネルギッシュに躍動する意欲作という。狂言師はもちろん、日本舞踊家やアクション俳優たちを招いて、今までにない新しい仮面劇として上演する。
上演は、古典の名曲『茸』と新作狂言『ポルチーニ』の二本立て。
STORY
古典狂言『茸(くさびら)』
ある男の屋敷に、この頃奇妙なキノコが生えてくるという。
とってもとっても生えてくる不思議な茸に気味が悪くなった男は、山伏に祈祷を頼みに行く。山伏は自信たっぷりに、恩着せがましく祈祷を始めるが、茸は減るどころか段々数が多くなり……
「にほんごであそぼ」などにも度々登場し、子どもたちにも大人気の古典の名曲です。
新作狂言『ポルチーニ』
科学万能を信じて疑わない世界的科学者イヤミ博士は、
バカボンのパパの口車にのせられて、奇妙なキノコたちの駆除に向かう。
そこで目にしたものは「ニャロメ茸」をはじめとした得体のしれない茸たち。自慢の科学力をもって茸退治を始めたイヤミ博士だが……
「ポルチーニ」とはイタリア語でキノコのこと。
名作狂言「茸」を「自然への畏敬」をテーマに翻案した作品です。
狂言とイタリア古典仮面喜劇“コンメディア・デッラルテ”の手法を用いて演出。赤塚不二夫作品の不滅のキャラクターたちが登場します。
小笠原由祠(企画・劇作・演出)
新作狂言「ポルチーニ」は、2011年に赤塚不二夫ギャグマンガを仮面劇で創作上演致しました。
「ポルチーニ」とはイタリア語でキノコの事で、本作は、とってもとっても生えてくる得体の知れないキノコに対して、山伏が祈祷をもって挑むものの、祈れば祈る程増殖すると云う風刺狂言「茸(くさびら)」をベースにしています。2011年は、東日本大震災や大型台風などの自然災害がおこった年でもあり、私は古典「茸」に“自然への畏敬”と云うテーマを見出しました。
狂言とイタリア古典仮面喜劇のコンメディア・デッラルテは共に風刺劇です。古典狂言「茸」は権力者に対しての風刺性が読み取れますが、新作「ポルチーニ」では人間のエゴイズムを風刺します。
今回は12年振りの再演で令和版としてリメイク致し、混迷する世界情勢をテーマにバージョンアップしてご覧頂きます。
小笠原弘晃(出演)
様式美の狂言と、ギャグ漫画の王様赤塚不二夫キャラクターのコラボレーション。
一見対局の存在にも思える二つのアートが、国立能楽堂で夢の共演です!
新たな狂言の可能性「ネオ狂言」第一弾。是非目撃してください!
本作は2023年12月6日(土)東京・千駄ヶ谷の国立能楽堂で上演される。
詳細は公式サイトで。
https://www.atelier-oga.com/
(文:加藤充華 監修:エントレ編集部)
ネオ狂言『ポルチーニ』
◆レクチャー&デモンストレーション
◆古典狂言『茸(くさびら)』
◆新作狂言『ポルチーニ』
【企画・作・演出】小笠原由祠
【出演】
小笠原由祠 小笠原弘晃 泉慎也
藤間直三 TAKAKO 青山郁彦 杉本茜
鈴木修平 河合智哉 加藤暉叡 ほか
【協力】株式会社フジオ・プロダクション
【主催・制作】Atelier OGA.
2024年1月13日(土) 大槻能楽堂(大阪・谷町四丁目or谷町六丁目)
公式サイト
https://www.atelier-oga.com/
チケット
一般:5000円
学生(U-25):2500円
お申し込みはコチラ→公式サイト(チケット申込フォーム)
問い合わせ
Atelier OGA.(アトリエ オガ.)
TEL/FAX 06-6942-1577
ticket@atelier-oga.com
公演チラシ
公演チラシ:PDF版