藤原竜也、溝端淳平、鈴木杏らが出演の舞台『ムサシ』8月25日(水)から彩の国さいたま芸術劇場で開幕
舞台『ムサシ』 左より 溝端淳平(佐々木小次郎役)、藤原竜也(宮本武蔵役) 撮影:田中亜紀舞台『ムサシ』が8月25日(水)に彩の国さいたま芸術劇場で開幕する。埼玉公演終了後、東京、大阪、北九州、浜松で上演される。
『ムサシ』は、井上ひさしが書き下ろし、蜷川幸雄が演出を手がけた作品で、2009年に武蔵役を藤原竜也が、小次郎役を小栗旬が演じて初演された。
その後も再演を繰り返し、今回で6度目の上演となる。
命の重さや負の連鎖を断ち切ると言う普遍的なテーマの中に笑いを盛り込んだオリジナリティ溢れるエンターテインメント作品だ。
出演は藤原竜也、溝端淳平、鈴木杏、塚本幸男、吉田鋼太郎、白石加代子など。
オリジナル演出は蜷川幸雄、演出は吉田鋼太郎が手がける。
左より 白石加代子(木屋まい役)、鈴木杏(筆屋乙女役)、齋藤慎平(忠助役)、大石継太(平心役)、溝端淳平(佐々木小次郎役)、藤原竜也(宮本武蔵役)、吉田鋼太郎(柳生宗矩役)、塚本幸男(沢庵宗彭役) 撮影:田中亜紀
STORY
慶長17年(1612)陰暦4月13日正午。
豊前国(ぶぜんのくに)小倉沖の舟島(ふな)。真昼の太陽が照り付けるなか、宮本武蔵(藤原竜也)と佐々木小次郎(溝端淳平)が、たがいにきびしく睨みあっている。小次郎は愛刀「物干し竿」を抜き放ち、武蔵は背に隠した木刀を深く構える。武蔵が不意に声をあげる。「この勝負、おぬしの負けと決まった」。約束の刻限から半日近くも待たされた小次郎の苛立ちは、すでに頂点に達していた。小次郎が動き、勝負は一撃で決まった。勝ったのは武蔵。検死役の藩医に「お手当を!」と叫び、疾風のごとく舟島を立ち去る武蔵。佐々木小次郎の「巌流」をとって、後に「巌流島の決闘」と呼ばれることになる世紀の大一番は、こうして一瞬のうちに終わり、そして……物語はここから始まる。
舟島の決闘から6年後の、元和4年(1618)夏。鎌倉は佐助ヶ谷(さすけがやつ)、源氏山(げんじさん)宝蓮寺(ほうれんじ)。名もなき小さなこの寺で、いままさに寺開きの参籠禅(さんろうぜん)がとり行なわれようとしていた。大徳寺の長老・沢庵宗彭(塚本幸男)を導師に迎え、能狂い柳生宗矩(吉田鋼太郎)、寺の大檀那である木屋まい(白石加代子)と筆屋乙女(鈴木杏)、そして寺の作事を務めたあの宮本武蔵も参加している。
ところがそこへ、小次郎があらわれた。舟島でかろうじて一命をとりとめた小次郎は、武蔵憎しの一念で武蔵のゆくへを追いかけて、ここ宝蓮寺でついに宿敵をとらえたのだ。今度こそは「五分と五分」で決着をつけよと、小次郎は武蔵に「果し合い状」をつきつける。
こうして、世に並ぶ者なき二大剣客、宮本武蔵と佐々木小次郎の、命をかけた再対決が、「三日後の朝」と約束されるのだが………。
吉田鋼太郎・・・演出/柳生宗矩役
『ムサシ』、回を重ねておりますが、更にパワーアップし強く、深く、繊細になっていると思います。
出演者一同、初演からのメンバーは体にこの作品が叩き込まれておりますので、叩き込まれたことと、今回新たに発見したこと、その2つをプラスして、更に井上先生の深い世界、蜷川幸雄演出のダイナミックな部分、そして細やかな部分すべてが際立つような仕上がりになってます。
初めてご覧になる方も、何度も観ていらっしゃる方も、またまた楽しめますので、ぜひ劇場へ足をお運びください。素晴らしい作品です。
藤原竜也・・・宮本武蔵役
井上先生と蜷川さんの想いの詰まった『ムサシ』は、初演から12年に渡り世界各地の劇場で、たくさんのお客様にお届けする機会に恵まれてきました。
コロナ禍という大変な状況の中でも、この作品をより良いものに出来るように、チーム一丸となって稽古を重ねてきました。劇場で芝居を観るという喜びをお客様と共有できるように、ひたすらに頑張ります。
溝端淳平・・・佐々木小次郎役
僕個人としては3度目の参加となりますが、また一から小次郎と向き合う中で改めてこの戯曲の崇高さを感じています。同時に老若男女問わずクスッと笑える優しさと、命の尊さを力強く伝えてくれる『ムサシ』はまさに今やるべき戯曲であると思います。井上さんと蜷川さんが残して下さった世界にまた自分が挑戦させてもらえる喜びと、この状況下で板の上に立たせてもらえる有り難みを噛み締めながら、ひとつひとつ丁寧に小次郎という役を生きていきたいと思います。
鈴木 杏・・・筆屋乙女役
振り返れば、人生の3分の1の期間に渡り『ムサシ』に関わっている事になるのだなと気がつきました。
こんなに何回も再演できる作品は中々ないですし、今回で最後かもしれないという思いで、1公演1公演大切に舞台の上に立ち、井上先生の言葉を紡いでいきたいと思います。
頑張ります。
塚本幸男・・・沢庵宗彭役
幸せなことに、これまで『ムサシ』には全公演出演させていただいていますが、この度、初めて沢庵和尚を演らせていただきます。
どんな和尚になるのか、とにかく頑張ります。
『ムサシ』ほど、おもしろい作品はなかなか無いと思っております。
今もまさに地球上で起こっている、恨みの連鎖を断ち切る!!
ぜひ劇場でお楽しみください。お待ちしております。
白石加代子・・・木屋まい役
幾度も再演を繰り返す中で、『ムサシ』ほど思い出の多い作品は他にないといっても過言ではありません。国内はもとより海外公演でいただいた盛大な拍手喝采が物語るように、全人類の課題が敷かれたこの作品のテーマは世界にも通じました。グローバルな思想が貫かれた世界観を楽しんでいただきたいです。
詳細は公式サイトで。
(文:エントレ編集部)
『ムサシ』
【作】井上ひさし(吉川英治「宮本武蔵」より)
【オリジナル演出】蜷川幸雄
【演出】吉田鋼太郎
【音楽】宮川彬良
藤原竜也、溝端淳平、鈴木杏、塚本幸男、吉田鋼太郎、白石加代子
大石継太、飯田邦博、井面猛志、堀源起、齋藤慎平
<埼玉公演>
期間:2021年8月25日(水)~8月29日(日)
会場:彩の国さいたま芸術劇場 大ホール
<東京公演>
期間:2021年9月2日(木)~9月26日(日)
会場:Bunkamuraシアターコクーン
<大阪公演>
期間:2021年9月30日(木)~10月10日(日)
会場:梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ
<北九州公演>
期間:2021年10月15日(金)~17日(日)
会場:北九州芸術劇場 大ホール
<浜松公演>
期間:2021年10月22日(金)~10月24日(日)
会場:浜松市浜北文化センター
公式サイト
https://horipro-stage.jp/stage/musashi2021/