は、当初 2020年に上演予定だったがコロナ禍により延期。およそ2年の時を経てついに2022年春に上演される。
物語の主人公で博識の若き町医者、秋津永流<あきつながる>を演じるのは福士蒼汰。そして陽気でお調子者の口出し屋、草臥<そうが>は宮野真守が演じる。
2017年の『髑髏城の七人』Season 月〈上弦の月〉〈下弦の月〉、2020年の『浦島さん』『カチカチ山』でそれぞれ主演を務めた福士蒼汰と宮野真守だが、今回はお互い助け合い、時には足も引っ張り合う”バディ”として新感線の舞台で共演する。
さらに、松雪泰子、髙嶋政宏、粟根まこと、木村了、清水葉月などが出演する。
作は中島かずき、演出はいのうえひでのりが手がける。
また、物語の舞台《無頼の宿》が富士の裾野にあるということにちなんで、劇団☆新感線としては初となる静岡公演も決定。2022年3月から大阪、静岡、東京の順に上演される。
劇団☆新感線 いのうえ歌舞伎『神州無頼街』メインビジュアル
本作の製作発表が行われ、演出のいのうえひでのり、出演の福士蒼汰、松雪泰子、髙嶋政宏、宮野真守が登壇。この様子は劇団☆新感線YouTubeチャンネルで生配信された。
製作発表に登壇を予定していたが、体調不良により欠席した中島かずきは書面で以下のようにコメントした。
『今回の『神州無頼街』ですが、時代伝奇小説への挑戦が自分のテーマでした。大正から昭和にかけて活躍した国枝史郎の作に『神州纐纈城(しんしゅうこうけつじょう)』という傑作時代伝奇小説があります。この作品へのオマージュが『神州無頼街』です。
プロデューサーから富士の裾野が舞台なのに「甲州」じゃないのと聞かれましたが、『神州纐纈城』も富士の裾野が舞台です。だから今回も『神州』なのです。
大きな歴史の流れとその裏で交錯する妖しき人々の宿業。そこに若い二人の活劇青春譚の要素を加えて、今の時代でも面白いと思える作品にしたいと考えました。
そして、この作品は「狼蘭族」の物語でもあります。『蛮幽鬼』『シレンとラギ』で描いてきた人殺しを生業とする一族の、新しい物語です。その辺もぜひ楽しみにしていただければ。』
いのうえひでのり
演出を手がけるいのうえひでのりは、
『この神州無頼街は、(中島)かずきさん自身も初めてだと思うんですけど、幕末の侠客たちのを舞台で描いているんです。僕たちとしても初めてです。世界観としてはヤクザが出てくる話で、魔術、とまではいかないまでも魑魅魍魎が跋扈するような非常に不思議な作品になっております。いのうえ歌舞伎ですが、この2年間の鬱憤を晴らすつもりで、思った以上に音楽芝居の側面もあります。非常にロックな時代活劇になっていると思います。
本当は2年前にやるはずだったものが、こうやってほとんど同じメンバーで延期して上演できるというのは奇跡に近いと思うので、これは演劇の神様が絶対やれよと言ってくれているような気持ちになりました。なんとか頑張って千穐楽を迎えたいと思います。』とコメント。
福士蒼汰
物語の主人公で博識の若き町医者・秋津永流を演じる福士蒼汰は、
『本来は2020年にやる予定だったんですけど、コロナ禍でできなくなりました。最初中止ということで悔しい思いがあった中、みなさまの声で「延期にしようよ、中止じゃなくて」となって、新感線としてもやってみるか!となりました。しかもメンツもこうやって揃うことができてすごく嬉しいです。
2年前にできなかったことでも、今できることがあるんじゃないかと思うので、2年分で経験したことを今年出すことができるのかなと思います。みなさまの気概や思いを感じながら稽古に励んでいます。充実した稽古なんですが、マモちゃんと共演できてうれしいなというのが一番です。よろしくねマモちゃん!』と、宮野愛を全面に押し出すと、宮野真守も『照れるなあ』とにこやかな笑顔を見せていた。
松雪泰子
司会から完全な悪役と紹介された麗波を演じる松雪泰子は、
『今、みなさんと稽古させて頂いているのが喜びでしかなくて。2年間ためてきた想いがこの作品の中で爆発的に広がっていくんだなっていう実感があります。いのうえさんが仰っていたように、曲も本当に素敵で、聞き応えのあるいい楽曲ばかりですよね。ワクワクするし楽しんで頂けるんじゃないかなと思います。
私は新感線では初の悪役ですので、思いっきり暴れたいと思います。』とアピール。
髙嶋政宏
新感線にはこれが初出演。麗波の夫・蛇蝎を演じる髙嶋政宏は、
『昨日は興奮して寝られなかったです! 新感線に出るのが夢だったんです。今初めて言いますが、本当は2回チャンスがあったんです。1回目は駆け出しの時、2回目はとあるミュージカルとダブってて、できなかったんですよ!だからこの場に立てるだけで素晴らしいですね。』と興奮気味に挨拶。
『最初の稽古の時に嬉しくて、いのうえさんが稽古をつけてくれるんですけど、いのうえさんの背後にピタっとくっついて右に動いたら右に、左に動いたらそのまま左に動くっていう感じでずっとやっていましたね。嬉しくて!』と、本作に参加できることの楽しさを前面に押し出していた。
宮野真守
そして、永流とバディを組む草臥を演じる宮野真守は、
『念願の福士くんとの初共演なんです。僕らは「髑髏城の七人」Season月を上演したときにずっと一緒にいたのに、Wチームで同じ役だったんで同じステージには立てないっていう不思議な関係性だったんです。2020年に残念ながらこのお芝居が延期になった時に、演劇を止めない気持ちで前に進んで、「浦島さん」と「カチカチ山」という少人数でやるお芝居を別々に作ったんです。だからまた一緒に舞台に立てなかった。
でも、この2年があったからできることが増えた中で、ついに僕らがステージ上で共演するというのは一番のおすすめにしていかなきゃなと思っているところです。
しかも、作家のかずきさんが僕らにあて書きしてくれた役であるというのが非常にありがたくて! 声優を生業としている僕に口出し屋っていう役で、声とか歌とかで物語に介入してく役にして頂いたので、存分にパフォーマンスして行きたいなと思います。』と意気込みを語った。
『神州無頼街』製作発表
また、いのうえ歌舞伎にしては歌が多いという点についていのうえは『髑髏上の七人Season月をやったときに、お客さんから「なんでマモに歌わせないんだ!!」という声があったんです。捨之介に朗々と歌わせるわけにはいかないから、今回はちゃんと歌を組み込んでいます。思う存分歌って頂ければ。』とコメント。
そして福士蒼汰のアクションへの期待について聞かれたいのうえは『映像でもアクションを見せていますが、生でのキレは全然違う。ビックリするぐらい動けるんです。しかも彼は研究熱心で、アクション監督にダメ出しされてても嬉しそうなんですよ。アクション好きなんでしょうね。彼の生の動きは格別なものがあるでしょうね。』と太鼓判を押していた。
右から福士蒼汰、宮野真守
記者からの「宮野さんから学びたい、盗みたいものは?」という質問に
福士『えっと、まず顔芸でしょ』
宮野『顔芸はしてない! よく変顔してますねっていうけど、してないから!』
と丁々発止のやり取り。
気を取り直して、
福士『歌が本当に聞いていて丁寧で心地いいんです。』
宮野『蒼ちゃんが歌う日がくるんじゃないかな?』
いのうえ『今回はロックでみんなで楽しい感じが出ればいいと思うから、参加できるシチュエーションがあればそういうこともやって行きたいなと思います。』
宮野『注目ですよ。歌う福士蒼汰が見られるかも。』
福士『じゃあ、歌うかどうか、本番のお楽しみで!』
と、見どころをアピール。
その後も終始笑いの絶えないなごやかな製作発表が続いていった。
右からいのうえひでのり、松雪泰子
今回YouTube配信された映像は、後日ダイジェストが公開予定とのこと。
【2/5追記】こちらで公開されました。
https://www.youtube.com/watch?v=LP5Ti7X_cl0
そして、本日 1月25日(火)から東京公演の先行チケット販売が開始、現在受付中だ。申し込みの期限は2月6日(日)23:59まで。
また、大阪公演・静岡公演の一般発売は1月30日(日)から。
詳細は公式サイトで。
http://www.vi-shinkansen.co.jp/shinshuburaigai/
(撮影:田中亜紀 文:エントレ編集部)
2022年劇団☆新感線42周年興行・春公演
いのうえ歌舞伎『神州無頼街』
【作】中島かずき
【演出】いのうえひでのり
【出演】
福士蒼汰/松雪泰子 髙嶋政宏/粟根まこと 木村 了 清水葉月/宮野真守
右近健一 河野まさと 逆木圭一郎 村木よし子 インディ高橋 山本カナコ 礒野慎吾 吉田メタル 中谷さとみ 保坂エマ 村木 仁 川原正嗣 武田浩二
藤家 剛 川島弘之 工藤孝裕 菊地雄人 あきつ来野良 藤田修平 北川裕貴 下島一成 鈴木智久 山﨑翔太 米花剛史 渡部又吁 小板奈央美 後藤祐香 鈴木奈苗 森 加織
2022年3月17日(木)~29日(火)/大阪・オリックス劇場
2022年4月9日(土)~12日(火)/静岡・富士市文化会館ロゼシアター 大ホール
2022年4月26日(火)~5月28日(土)/東京・東京建物Brillia HALL
公式サイト
http://www.vi-shinkansen.co.jp/shinshuburaigai/
東京公演 先行チケット
https://w.pia.jp/s/shinshuburaigai22hps/
チケットを探す
※大阪・静岡公演の一般発売は2022年1月30日(日)AM10:00から。
※東京公演の一般発売は2022年3月5日(土)AM10:00から。