エントレ読者の皆様、こんにちは!
楽劇座の五條なつきです。
ご好評頂いている舞台メイク講座も、いよいよ最終回。
どうぞお付き合い下さい。
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その1《舞台メイクの基本編》
その2《ベースメイク編》
その3《ポイントメイク編》
その4《普段メイクにも使えるメイクアイテム編&まとめ》
その5《ドーラン編》
その6《ハイライト&ローライト編》
その7《チーク&ベースメイクの仕上げ編》
その8《アイメイク編》
口紅
基本は赤ですが、役や自分に似合うかどうかで色を選びます。
リップブラシにとって、唇に塗っていきましょう。
唇が薄い方は実際の唇より一回りオーバー気味に、厚い方は一回り小さめに形をとるといいですよ。(私は薄い唇なので、一回りオーバー気味に描きました)
さて、以上で舞台メイクの完成です!!
完成!
近くで見るとかなり濃いメイクですが、照明をあてて遠くから見ると…陰影も付いて表情も伝わりやすく、舞台映えするメイクに仕上がりました。これで自分の役を思う存分演じられます。
ですが、これで終わりではありません。公演の後に忘れてはいけないのが…そう、クレンジングです!
クレンジング
一般的なクレンジングは舞台メイクを落とす事を想定していないので、舞台メイク専用のものを使いましょう。
三善のクレンジングの場合はさくらんぼ大の大きさにクリームを取り、メイクと馴染ませてから化粧水を含ませたコットンで拭き取ります。
↑コットンで拭き取る時は優しく!ゴシゴシこすらないようにしましょう。
劇場は大小に関わらず、楽屋の水道が少ない事が多いもの。水なしで落とせるクレンジングがあると、とても便利です。
これにて舞台メイク講座は終了!
いかがでしたでしょうか?
最後に、市川さんに舞台メイクをする上での大切なポイントも教えて頂きました。
舞台メイクのポイント
・パーツ1つ1つを完璧にしようとすると終わらない。
メイクをしていると、どうしてもパーツ1つ1つを綺麗に仕上げたい!という気持ちになってしまいますが、目だけを、唇だけをじっくり見られる…という事はほとんどないですよね。
特にお客様と距離のある舞台では個々のパーツをいかに美しく仕上げるかよりも、全体でバランス良く仕上げる方が大切。
パーツ毎に完璧主義になると「ここが足りない…」「あそこが気になる…」「まだ直したい!」と、永遠にメイクが終わりません(笑)最後にトータルのバランスで整える事を忘れないようにしましょう。
・遠目で舞台からの見え方を確認!
では、バランスを見るためにはどうすればいいのでしょう?
答えは、お客様と同じ目線で「遠くから自分のメイクをチェックする」事!
メイクをしているとついつい鏡を至近距離で覗き込んでしまいがちですが、お客様はそんなに近くで役者の顔を見る事はありません。遠くからどう見えるか?をチェックする事を忘れないで下さい。
↑このぐらい遠くからの見え方をチェックしています!
実際のレッスン中にも、市川さんがかなり遠くから私のメイクを何度も何度もチェックされていたのが印象的でした。
毎月公演をして、もちろんその度に舞台メイクをしている私も、改めてレッスンを受けると新しい発見がたくさんあって、とても楽しかったです!!
ご協力頂いた三善メークアップ研究所様、そして市川様、本当にありがとうございました。
プロの役者として現場に入ると、始めての舞台だったとしても「舞台メイクは出来て当たり前」とされているので、誰も教えてくれません。
「舞台メイクのやり方が分かりません」
「ドーランってどうやって使うんですか?」
「実は普段と同じメイクで舞台に立ってます…」
などなど、舞台メイクのやり方が分からなくて困っている新人役者さんをたくさん見てきたので、今回の記事が少しでもお役に立てればこんなに嬉しい事はありません。
やってみると意外と簡単に、しかも舞台での自分を綺麗に見せてくれるメイクばかり。
舞台メイクに苦手意識があった方も、ぜひ挑戦してみて下さい。舞台メイクが上手く出来ると、役者としての自分に自信が持てるようになりますよ。
今回も最後までお付き合い頂き、ありがとうございました!
協力:三善(http://www.mitsuyoshi-make.com/)
その16 》舞台メイク番外編 ハロウィンにもぴったり!三善さん直伝のゾンビメイク&傷メイク《前編》
(文:五條なつき ※文章・写真の無断転載を禁じます)