2018.6.26  80

もう一度、青春ドラマを!笑えて泣けて熱くなる、王道の演劇青春ファンタジー!扉座「リボンの騎士」観劇レビュー



扉座「リボンの騎士」舞台写真
扉座「リボンの騎士」
 

もう一度、青春ドラマを!笑えて泣けて熱くなる、王道の演劇青春ファンタジー!扉座「リボンの騎士」観劇レビュー

 
劇団扉座 第62回公演「リボンの騎士~県立鷲尾高校演劇部奮闘記2018~」観てきました。
笑えて泣けて一緒に熱くなれる、王道の青春ドラマ!!久しぶりに舞台でこんなに感動をしました。ぜひ!皆様に観て欲しい1作。観劇レビューさせていただきます。

 
扉座「リボンの騎士」舞台写真
扉座「リボンの騎士」

初演は、20年前。V6の井ノ原快彦、一色紗英、鈴木蘭々が主演で銀座セゾン劇場での公演。
弱小演劇部が手塚治虫のマンガ『リボンの騎士』を劇化上演するために奮闘する姿を描いた青春ドラマが広く共感を得て、これまで高校演劇や地方劇団、プロデュース公演などで繰り返し上演されてきた名作です。

実は、7年前に神奈川の県立青少年センターホールで約200名のオーディションから選ばれたメンバーと扉座メンバーで公演した時、このレビューを書いてる私、橋本昭博が主演をやらせていただきました。ですので、かなり思い入れのある作品ですので、普段の観劇レビューよりも個人的な思いが溢れるところもあるかと思いますが、どうかご了承くださいませ。

しかしながら、信じて欲しいです。橋本は厚木文化センター、座・高円寺と2回見て、たくさん笑い、熱くなり、泣きました。面白いです!!王道の青春演劇ファンタジー!これぞ、演劇!!
皆様、超絶おすすめ致します!!こんな舞台、最近なかなか観られません。騙されたと思ってぜひ、劇場へ。本当に、観て欲しい1作です。

 

スーパー歌舞伎Ⅱ『ワンピース』を手掛けた、横内謙介劇作家40周年記念公演

扉座「リボンの騎士」メインビジュアル
扉座「リボンの騎士」

脚本、演出を手掛けたのは扉座主宰・劇作家・演出家で、劇団以外にもスーパー歌舞伎Ⅱ『ワンピース』脚本・演出等、外部でも数多くの活動をしている横内謙介。

16歳で処女作を書いた横内謙介が、その出身校である厚木高校演劇部での自身の体験をもとにして、弱小演劇部のドタバタや、旧い応援団の有様、学生たちのシラケ具合など、青春時代をリアルに描いた今作。20年前に書かれたにも関わらず、その王道の物語と青春ドラマは全く色褪せることなく、最後まで気持ち良くどっぷりとドラマの中に観客を没入させてくれます。
むしろ、どこか懐かしさを感じるほど、いまでは珍しいくらい、どストレートな王道演劇青春ドラマになっています。

 

STORY

県立鷲尾高校演劇部は女子だけの弱小演劇部。
しかし、その部が創部以来初めて、本気になって、いつも彼女たちをバカにする他の生徒たちを見返そうと立ち上がる。
作品は手塚治虫の漫画を部員の池田マユミが脚本化した『リボンの騎士』。
おりしも暴力沙汰で取り潰しが決まった応援団から、リーダー部長の男子が王子様役で参加してくれることになった。

とはいえプライドも根性もない演劇部員たち。
次々と襲いかかる困難にひたすらに打ちのめされてゆく。
果たして、こんなことで本当に皆を見返すことができるのか……

『リボンの騎士』を上演しようとする演劇部の部員たちが、現実の厳しさを噛みしめつつも友情を結び合い、また淡い恋に揺れながら、少しずつ大人になってゆく姿を、仮面を被って夢見る女の子の素顔を隠し、勇ましく闘うリボンの騎士・サファイアのイメージと重ねつつ描く、青春ファンタジー。
部員たちを優しく見守る妖精的な存在として、リボンの騎士のキャラクターたちも登場する。

 

リボンの騎士のキャラクターと高校生達が繰り広げる青春ドタバタ奮闘劇

扉座「リボンの騎士」舞台写真
扉座「リボンの騎士」

『陽だまりの樹』、NINAGAWA『火の鳥』、『新浄瑠璃 百鬼丸』(どろろ)、ミュージカル『アトム』など、数々の手塚治虫作品を舞台化し、好評を博してきた横内謙介。
さすがの手腕で、今作では『リボンの騎士』を劇中劇として扱い、それを上演しようと頑張るヘナチョコ高校演劇部の涙と笑いの青春グラフィティに仕立て上げています。

2つの世界のシンクロが実にうまく描かれていて、高校生の恋と青春が甘酸っぱくもほろ苦く、それに加え、思春期の彼らの悩みも合わさり、そこにリボンの騎士のキャラクター達が介入してきて、より一層物語を盛り上げてくれます。
いままで、プロデュース公演や外部での公演はありましたが、横内謙介自身の演出による劇団扉座としての上演が長く切望されて来た作品です。

 

38年目を迎えた老舗劇団が平均23歳の若手メイン公演!オーディションメンバー含め、総勢40名以上のキャストが挑む超大作!

扉座「リボンの騎士」舞台写真
扉座「リボンの騎士」

神奈川県立厚木高校演劇部で16歳の時に処女作を書いた横内謙介が、岡森諦、六角精児、杉山良一などの高校演劇部の仲間と共に、1982年に旗揚げ。紆余曲折を経て今年で38年目を迎えた、劇団扉座。今作で、第62回公演となります。

主要メンバーはベテランとなり、扉座の本公演といえば、ベテラン勢がメインキャストとなり、若手は台詞がしっかりとある役を勝ち取れることは少なく、メインの役になれるなんて、そんなチャンスはなかなか巡って来ませんでした。

がしかし、今作では、高校生が主役の作品!扉座の若手メインの本公演として、扉座メンバーと研究生が総動員。それに加え、オーディションによって選抜した若き俳優たちを迎え、なんと平均年齢23歳、総勢40名以上のキャストで挑む超大作。多彩で個性溢れるキャストが集結してます。

次世代を担う俳優達が、38年の劇団の厚みを盾に、ここぞとばかりに、持て余していた若いエネルギーを爆発させて、熱い演技を魅せてくれています。
もちろん拙いところもありますが、とにかく全力で奮闘しています。熱いエネルギーが客席にダイレクトに届いて胸を熱くさせます。その奮闘が、高校生の青春、演劇部の奮闘と重なり、何度も目頭を熱くさせてくれます。

 

神奈川で育てられた、加藤萌朝と吉田美佳子。そして扉座の新エース、白金翔太、三浦修平が主演に大抜擢!

扉座「リボンの騎士」舞台写真
扉座「リボンの騎士」

今回、主演に抜擢され、物語の中核を担うのが、加藤萌朝と吉田美佳子。
この2人は、横内謙介が塾長、講師を務める厚木市文化会館の「あつぎ舞台アカデミー」と、神奈川県の主催でミュージカル俳優を育成する「マグカル・パフォーミングアーツ・アカデミー」出身で、小さい頃から育てあげられた2人。

トーコ役を演じた加藤萌朝の華やかさが物語に彩りを与えてくれて、池田マユミ役を演じた吉田美佳子の繊細かつ無骨それでいて達者な演技が抜群に良く、思春期特有のニュアンスをうまく体現し、この物語はマユミの物語なのだと思わせてくれ、リボンの騎士のファンタジー世界との架け橋をうまく創ってくれています。
そして、Wキャストで、扉座の新エース、白金翔太と三浦修平。

まさに、扉座の歴史の中でもかなり稀な大抜擢の主演!新エースの誕生です。
2人の体当たりの演技に、扉座の未来が、演劇界の未来が託されてるように感じます。

 

若手を支える扉座のベテラン勢と、20年前の初演と同じ役を演じる伴美奈子。

それら若手を支える扉座のベテラン勢に、最近ではミュージカル「刀剣乱舞」などでも活躍している新原武、高木トモユキが、リボンの騎士の悪役チームでお客を湧かせてくれて、若手を引っ張りながらも舞台を支えてくれています。
そして、唯一、20年前の初演に出演していた、伴美奈子。

初演で演じた高校生の演劇部の先輩役を20年の時を経て、同じ役で出演しています。
等身大の若手と共に、扉座のベテラン勢がぐっと芝居の質を上げつつ、しっかりと笑いをとってくれていました。
20年の時を超えて同じ役をできるなんて、歌舞伎かよ、と思ってしまうほどの、劇団力。38年の厚みを感じさせてくます。

 

ラッキィ池田・彩木エリが振付の華やかでユニークな秀逸のダンス

扉座「リボンの騎士」舞台写真
扉座「リボンの騎士」

青春ドラマを引き立ててくれていたのが、全編に渡って披露されるダンス。
演劇部、応援団部とともに、もう一つ描かれるのが、ダンス同好会。
シーンの繋ぎで何度も登場し、華やかに時にユニークに踊ってくれ、ダサダサ演劇部との対比としてもうまく物語を繋いでくれて、はじける身体で若者の不満を爆発させてくれていました。

振付は、ラッキィ池田と彩木エリ。とにかく秀逸で、時にユニークな踊りは見ていて楽しく、それでいて、演劇部や様々な高校生、そしてリボンの騎士のキャラクター達とのやりとりが、ダンスの中でもイキイキと渦巻いていて、青春物語がより一層切なくも楽しい時間にしてくれていました。

 

もう一度、青春ドラマを!これからの演劇界を担ってゆくスター達をお見逃しなく!

手の中のスマホに全ての世界があって、遠く離れた世界の誰とでも繋がれる今は豊かなのかもしれないが、きっと、いいね。するだけでは伝わらないことが確かにあって。斜に構えてどこか本気になれない現代で、こんなにも真っ直ぐで泥臭く、王道な青春ドラマを久しぶりに観ました。

スマホもSNSもなくコミュニケーションの取り方も全然違っていた、20年前。その頃に描かれた作品が、現代の若者で蘇ります。これからの演劇界を必ず担ってゆくスター達が必死に奮闘しています。笑えて泣けて熱くなる、王道の演劇青春ファンタジーをお見逃しなく!
ぜひ!劇場へ。熱いエネルギーを浴びに行ってくださいませ。

座・高円寺で7月1日まで!!

 
このレビューを書いたのは

橋本昭博
はしもと あきひろ|俳優。演出家。
演劇プロデュースユニットMoratorium Pants(モラパン)主宰。茨城出身の末っ子四男坊。
趣味は観劇、映画、フットサル。英語とサックスを習得中。ロベルト・ベニーニとダリと銭湯が好き。
橋本昭博ブログ

 

 

 

公演情報

劇団扉座 第62回公演
「リボンの騎士」
県立鷲尾高校演劇部奮闘記2018

脚本・演出:横内謙介
原作:手塚治虫
作品提供・協力:手塚プロダクション
出演:伴美奈子、高木トモユキ、新原武、砂田桃子、吉田美佳子、加藤萌朝 ほか

2018年6月20日(水)~7月01日(日)/東京・座・高円寺1

公式サイト
扉座「リボンの騎士」

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