望海風斗

新たな扉を開き続ける望海風斗ドラマティックコンサート『Hello,』開幕 歌手としてメジャーデビューも

望海風斗
望海風斗ドラマティックコンサート「Hello,」

宝塚歌劇団退団後、数々の作品で主演を務めミュージカル界のトップ女優として人気拡大中の望海風斗さん。2021年の『SPERO』、2022年の『Look at Me』以来、3度目の全国ツアーとなるドラマティックコンサート『Hello,』が3月20日(水)に開幕しました。

望海さんにとって宝塚歌劇団を退団して4度目の春となる今季、新たに歌手活動も本格始動。まだまだ新しい自分、人、作品、そして音楽に出会っていきたい、そんな思いがこめられたような『Hello,』という題名。その思いは全力のセットリストからも。

ここではコンサートの中身を少しご紹介します!
※ネタバレを含みますのでご注意ください。

楽しむポイントは“五感”を開放して

会場すると、ホワイエには望海さんに関連のある作品・楽曲のBGMが流れていました。
「あ、これ○○の時のだ」などと開演を待つ時間も楽しく、客席についてからも開演前の可愛いアナウンスが。
時間になり、舞台上のバンド、ダンサーが次々と照らし出されます。「Hello!」と聞こえると・・・スモークの中、望海さんが登場!ピンクのトップス×白パンツ×白ブーツという衣装に、レイヤーが入ったショートヘアー。平井堅の「POP STAR」でコンサートが開幕します。

望海風斗
望海風斗ドラマティックコンサート「Hello,」 撮影:越前葵

昭和を感じるスタイリングに、次なるは「真夏の夜の夢」、「あゝ無情」の選曲。
冒頭からギア全開のパフォーマンスに会場のボルテージが上がります。特に「真夏の夜の夢」では、リズムに合わせてペンライトを振りまわすのをオススメします。(望海さんのギラギラに誘発されてうずうずしている仲間が近くにいるはず)

望海風斗
望海風斗ドラマティックコンサート「Hello,」

そしてみなさんご存じ、日本語楽曲×望海風斗の歌声の相性は抜群。
温かみのあるノスタルジックな歌声に、衣装も相まって、昭和のスターにしか見えない時間が訪れるのは私だけではないはずです。

その勢いで、次は「お祭りマンボ」へ。昭和歌謡を中心にJ-POPメインの前半パート。なんと、途中でトロッコ(?)のようなものも舞台上に登場。シンプルながら分解・移動できるセットを使い、上手に下手に、下の方から上の方まで (一部客席降りもあり)、観客を巻き込む演出に嬉しくなります。ぜひペンライトや拍手で思いを届けて、(今回のテーマでもある)“五感”を開放して楽しみ尽くしてください。

眠っていた“男役スイッチ”を入れて、懐かしいナンバーも

“昔の自分に戻る時間”では、懐かしいナンバーや以前から好きだったという曲を披露。「勝手にしやがれ」「愛は枯れない」などを歌い、そうそうこの渋さが良いのよね…とため息が漏れてしまいそうなジャケット姿に変身。赤ジャケットなので、ティアドロップのサングラスと合わせてまさにリアル“POP STAR”状態。

望海風斗
望海風斗ドラマティックコンサート「Hello,」

宝塚時代に主演を演じた思い入れのある作品『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』からはもう一曲、「摩天楼のジャングル」も披露。今回のコンサートでは、最近見つけたという“男役スイッチ”を使って、エンジン全開でダンサー陣と共に歌い踊ります。演出・振付担当の桜木涼介さんは、宝塚版『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』の振付も担当されていたそうです。最後のサビはお決まりの、舞台のツラに一列に並ぶフォーメーション。その他ハットやジャケット捌きなど、桜木さんならではの宝塚版のかっこいい群舞を彷彿とさせるような振付に、胸が高鳴りました。当時、コロナ禍で作品を観ることが叶わなかったファンのみなさんも、今回のコンサートで望海さんが作り出す『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』の空気を味わうことができます!

望海風斗
望海風斗ドラマティックコンサート「Hello,」 撮影:越前葵

そしてやはり、ハットの被り方には美学が。想像していただきたいのは、首をすくめてハットに顔をうずめた後、ゆっくりと目深にかぶる姿・・・(その後につばをピッと引っ張るところまでセットで) 男役の色気は健在でした。ハットからは頬の下しか見えず、顎をあげるように2階席を仰ぎ見るしぐさは、渋さと色気がありニューヨークの景色が浮かんで見えるよう。これこれ…!と待ちわびていた方も多いのではないでしょうか。

望海風斗
望海風斗ドラマティックコンサート「Hello,」

その後もボーナストラックは続き、『グランドホテル』より「Love Can’t Happen」、今度は映画の『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』より「アマポーラ」を歌唱。一年越しの「Look at Me」も今回のコンサートで聴くことができます。

女優・望海風斗としての積み重ねと、新たな挑戦

望海風斗
望海風斗ドラマティックコンサート「Hello,」

昨年の2023年は、『ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル』『ドリームガールズ』『イザボー』等の大きな作品を経て、さまざまな役や楽曲との出会いがあった望海さん。その上で、今回のコンサートで何度か口にしている「歌ってみたかった」という思いやその選曲から、次のステップへの挑戦心を感じました。中でも、「Waving Through a Window」「Listen」の歌唱では、歌いこなしの難しい楽曲かと思いますが、確実に自分のものにしていて、舞台上では自分を奮い立たせながら歌っているようにも思えました。新しい扉を開き続けていく姿に、これからの活躍がより楽しみになった、そんなコンサートでした。
メジャーリリース第1弾となるアンジェラ・アキさんから提供を受けた「Breath」も披露し、配信もスタートしています。みなさんぜひ聴いてみてください。

望海風斗
望海風斗ドラマティックコンサート「Hello,」

本コンサートは、東京は3月25日(月)まで、その後福岡、愛知、大阪の順で全国を回ります。
詳細は公式サイトにて!
https://nozomi210.com/hello/

(文:真来こはる

公演情報

望海風斗ドラマティックコンサート「Hello,」

【演出・振付】桜木涼介
【音楽監督】武部聡志

【出演】
望海風斗

井上望、碓井菜央、加賀谷真聡、
神谷直樹、齋藤駿、仙名立宗、
中道杏菜、半山ゆきの (五十音順)

【BAND】
Band Master, Keyboards & Manipulator 五十嵐宏治
Guitars 植田浩二
Saxophone & Flute 小林香織
Keyboards 園田涼
Drums 鶴谷智生
Bass 浜崎賢太
(五十音順)

【日程】
東京:2024/3/20(祝)~3/25(月)/日本青年館ホール
福岡:2024/3/30(土)~3/31(日)/キャナルシティ劇場
愛知:2024/4/20(土)~4/21(日)/東海市芸術劇場大ホール
大阪:2024/4/24(水)~4/28(日)/Sky シアターMBS

公式サイト
https://nozomi210.com/hello/

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