江戸糸あやつり人形×能×琵琶『わが父、耳なしの琵琶奏者』12/10~ザムザ阿佐谷で上演
江戸糸あやつり人形結城座自主公演『わが父、耳なしの琵琶奏者』が12月10日(日)からザムザ阿佐谷にて上演される。江戸糸あやつり人形結城座
とは江戸時代(1635年)に初代結城孫三郎が旗揚げ以来、388年続く伝統ある糸あやつり人形劇団。国記録選択無形民俗文化財及び、東京都無形文化財に指定されている。
「伝統と革新、古典と新作の両輪」を活動指針に掲げ、古典公演はもとより、新作・写し絵・海外公演等、幅広く公演を重ねてきた。
2021年6月には結城数馬が十三代目結城孫三郎を襲名し、次世代へと着実に歩を進めている。
本作は小泉八雲「耳なし芳一の話」を、シンガポールの現代演劇を牽引する演出家チョン・ツェシエン氏が大胆に翻案。結城座としては6年ぶりに海外演出家を招いた作品となる。
さらに客演には能役者・清水寛二氏と琵琶奏者・荒井靖水氏を迎え、日本の伝統と現代が渾然一体となった舞台をつくりあげる。
かつて一流音楽家の琵琶奏者として名を馳せた芳一は、今や見る影もなく、都会の片隅の薄汚れたアパートの一室で酒浸りの生活を送っていた。そんな芳一の身を案じる息子は、叔父(芳一の弟)の和尚に、父を叔父さんの寺に置いて欲しい、と頼み込む。林の奥深くにあるその寺は、800年以上昔に源平の合戦が戦われた場所で、今も戦死した武者の亡霊が出るという。芸術にとり憑かれた芳一は平家の亡霊につけ入られ、徐々に狂気に陥っていく。芳一を亡霊の手に渡すまいと、和尚は芳一を縛り上げ、全身に経文を書き入れた。経文が書き入れられた芳一の身体は、亡霊からは見えないのだ。しかし、芳一は亡霊の呼び声に応えて縄を解き放ち……。
三代目両川船遊(出演)
憚りながら
結城座が外国人演出家に作品を依頼するのは、今回で三人目です。第一番目の演出家がフランスのフレデリック・フィスバックで「宦官提督の末裔」。二番目が中国のワン。チョン「雀去冬来」。そして今回、シンガポールのチョン・ツェシエン(私たちはTCと呼んでいます)。私達のような小さな劇団が色々な海外の演出家と組んでみて、彼らと協働で舞台を作っていくのがいかに大変な事か身に沁みていたのに、面白さが忘れられず性懲りもなくまた外国の演出家と組んで芝居作りにチャレンジしてしまいました。
外国の演出家は文化だとか風習が違うため、毎回トラブル続きで問題も多々あるのですが、その反面とてつもないシゲキも受けるのです。
TCとは数年前に知り合い、いつかこの人と芝居作りの作業をする予感を持っておりましたが、既に8月に約2週間のワークショップを重ね、十一月の本稽古に向かっております。
これからどんなトラブルが待っているのか、またそれにも増して、たくさんのシゲキを与えてくれることを、今から座員一同楽しみにしています。
本作は12月10日(日)から東京・ザムザ阿佐谷で上演される。
詳細は公式サイトで。
https://youkiza.jp/archives/9436
(文:結城座 監修:エントレ編集部)
江戸糸あやつり人形結城座自主公演『わが父、耳なしの琵琶奏者』
【翻案・演出】Chong Tze Chien(チョン・ツェシエン)
【原作】小泉八雲「耳なし芳一の話」
【出演】十三代目結城孫三郎 三代目両川船遊 他結城座 清水寛二(能役者) 荒井靖水(琵琶奏者)
2023年12月10日(日)~12月17日(日)
会場:ザムザ阿佐谷(東京都杉並区阿佐ヶ谷北2-12-21)
公式サイト
https://youkiza.jp/archives/9436
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