南沢奈央、濱田龍臣が杉原邦生の演出で二人芝居に挑む KUNIO10『更地』10月9日(土)から京都・新潟・東京で上演
右から南沢奈央、濱田龍臣 ©️吉野洋三杉原邦生が演出・美術を手がける舞台 KUNIO10『更地』が10月9日(土)から京都・新潟・東京で上演される。出演は南沢奈央、濱田龍臣。
杉原邦生は、自身が主宰するプロデュース公演カンパニーKUNIOでの活動を軸に、木ノ下歌舞伎の演出では数々の代表作を生み出し、東京・神奈川・埼玉・松本など各公共劇場のプロデュース公演、新橋演舞場でスーパー歌舞伎IIの演出を手がけるなど八面六臂の活躍を見せている注目の演出家だ。
今回は、杉原の大学時代の恩師でもある劇作家・演出家、太田省吾の代表作のひとつ『更地』を上演する。
バブル経済崩壊期の1992年、太田自身の演出によって初演された『更地』は、阪神・淡路大震災の翌96年に再演。家の解体を終えた更地で過去の記憶を辿る夫婦の姿が観客の胸を打ち、大きな話題になった。
杉原は自身のカンパニーKUNIOにて、東日本大震災の翌2012年に上演。今回は南沢奈央、濱田龍臣の出演で本作を上演する。
杉原邦生
『更地』はある夜、かつて自分たちの家があった場所へとやってきた初老の夫婦の物語です。二人は屋根のなくなったその場所に立ってふと、頭上に浮かぶ月に気がつきます。それまでは見えていなかった、もしくは見ようとしてこなかった、けれど、屋根の上にいつも当たり前にあった月。僕たちはいつの時も、このことを忘れてしまっているのかもしれません。〈屋根〉がなくならないと気がつけなかった〈月〉の光を。
いま僕たちは、ふたたび〈月〉の存在に気付かされ、〈屋根〉の意味を考え直さなければならない時代を生きています。でも、もっと大切なのは、〈月〉の存在そのものだけでなく、〈月〉を輝かせる光のみなもとが別のところに在るという事実です。そのみなもとに立ち返ることでしか、僕たちがつくるべき〈屋根〉の本当のかたちは見えてこないと思うからです。
だからこそ、僕にとっての演劇の原点でもある『更地』をいま、もう一度演りたい、そう思っています。
右から南沢奈央、濱田龍臣 ©️吉野洋三
チケットの一般発売は、9月25日(土)から。
詳細は公式サイトで。
(文・エントレ編集部)
りゅーとぴあ×杉原邦生
KUNIO10『更地』
【作】太田省吾 【演出・美術】杉原邦生
【出演】南沢奈央 濱田龍臣
2021年10月9日(土)〜10日(日)/京都・京都芸術劇場・春秋座
2021年10月30日(土)/新潟・りゅーとぴあ新潟市民芸術文化会館・劇場
2021年11月7日(日)〜14日(日)/東京・世田谷パブリックシアター