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高橋いさを・田島亮・山像かおり・田中穂先オフィシャルインタビュー~昭和大事件連続上演「光への道は遠く」

写真左から田中穂先、高橋いさを・田島亮・山像かおり

2023年11月2日(木)~11月15日(水)すみだパークシアター倉・下北沢小劇場 B1にて、『ISAWO BOOKSTORE×オフィスリコ×Acting Space 昭和大事件連続上演「光への道は遠く」』が上演される。

1982年の劇団ショーマ結成以降、昭和・平成・令和と日本の演劇界を牽引してきた劇作家・演出家の高橋いさをと、数々のドラマ・映画・舞台等に俳優として出演する一方、映画監督、プロデューサー等としても活動の幅を広げている田島亮が中心となった本企画は、昭和に起きた実際の事件を元にした高橋の戯曲4作品を同時期に上演するものとなっている。

上演されるのは全4作品で、ISAWO BOOKSTOREにて過去に上演された『獄窓の雪─帝銀事件─』『好男子の行方─三億円事件─』『夜明け前─吉展ちゃん誘拐事件─』の3作品はすみだパークシアター倉にて上演、新作公演となる『あなたはわたしに死を与えた─トリカブト殺人事件─』は下北沢小劇場B1にて上演される。

このたび、全4作品の劇作と『獄窓の雪─帝銀事件─』『あなたはわたしに死を与えた─トリカブト殺人事件─』の演出を手掛ける高橋いさをと、『好男子の行方─三億円事件─』『夜明け前─吉展ちゃん誘拐事件─』の演出を務め、『獄窓の雪─帝銀事件─』『夜明け前─吉展ちゃん誘拐事件─』に出演する田島亮と、『夜明け前─吉展ちゃん誘拐事件─』に出演する西瓜糖の山像かおりと、『好男子の行方─三億円事件─』に出演する劇団柿喰う客の田中穂先の4名によるオフィシャルインタビューが到着した。

偶然が重なって4作品連続上演の企画公演になった

──今回の企画がどのようにして立ち上がったのか、教えてください。

田島 まず、俳優の銀ゲンタくんと制作者の北田万里子さんから、すみだパークシアター倉で2週間の企画公演をやりたいというお話しをいただきました。僕はその頃、ちょうど(高橋)いさをさんの戯曲『夜明け前』を映像化していたので、これを舞台でやってみたいなと思い、『夜明け前』と『好男子の行方』の二本立てを上演しよう、というところから企画がスタートしました。その話をいさをさんに持って行ったところ、ちょうど同時期にいさをさんも下北沢で昭和の大事件を題材にした新作を上演する予定だったんです。

──当初、田島さんたちと高橋さんたちとでは、別々に公演の企画を進めていて、たまたま同時期に昭和の大事件が題材の高橋戯曲を上演しようとしていた、ということなんですね。

田島 本当にたまたまだったんです。それで、せっかくだから僕らの企画といさをさんの企画で、昭和大事件のパッケージにしましょうか、という話になり、すみだでやる作品に『獄窓の雪』を追加して、それをいさをさんに演出していただこう、となりました。最初からこういう形の企画公演にしようと思っていたわけではなくて、いろいろな偶然が重なって引き寄せられた感じがします。

高橋いさを

──高橋さんは今回の企画を持ちかけられたとき、まずどう思われましたか。

高橋 とにかく無謀だな、と思いました。

一同 (爆笑)。

高橋 作・演出家と俳優というのは、蜜月の時代があるような気がしていて、(田島)亮くんは僕のことを好きになってくれたみたいで、私もそれに返答しようとしているんですね。まだ知り合ってそんな長い時間は経っていないんですけど、今は……

山像 蜜月ですか(笑)?

高橋 蜜月、うん(笑)。これがいつまで続くかわからない、とか言っちゃうとあれなんですけど(笑)。

田島 一番いい時期がこれから、ということですね(笑)。

好きに暴れて欲しい俳優たちを集めた

──『あなたはわたしに死を与えた』については高橋さんの方でキャスティングされたと思うのですが、すみだパークスタジオ倉の3作品についてはどのように決まったのでしょうか。

田島 ほとんど僕がオファーしました。僕はいさをさんの戯曲から、俳優に対して「好きに暴れなさい」というメッセージを感じるので、自分の大好きな俳優たちにすみだで暴れてもらいたいと思って、とにかく会話が上手くて、自分が輝くことよりも作品や相手が輝くことを第一に置いている人を集めて、作品を通じて「会話をすることの素晴らしさ」を見せたいと思ってキャスティングしました。

田島亮

──山像さんへのオファーの経緯を教えてください。

田島 流山児★事務所の『ヒ me 呼~ひみこ~』(2021年)という舞台で拝見してファンになって、『夜明け前』で僕の相手役として、恐れ多いなと思いながら駄目もとでお声掛けしました。

山像 いやいや、相手役だなんてこちらが恐れ多いです(笑)。今回の企画を聞いて、すごい冒険だなと思いました。私は1作品のみだけど、演出家は2本掛け持ちだし、役者も掛け持ちで何本か出演する人がいるし、でもまあやってみなきゃわかんないな、という思いで今は臨んでいます。

──田中さんと田島さんは2019年にserial number『機械と音楽』で共演されています。

田島 その頃の(田中)穂先は芝居を始めてまだ3年目くらいで、僕の方が一応10年以上先輩だったんですけど、完敗でしたね。「こういうやり方をするんだ」と穂先から学んだことも多くて、尊敬する後輩としてそれ以来仲良くしていて、いつかまた一緒にやれたらと思っていました。

田中 一緒に何かやりたいね、という話は会うたびにしていたので、今回の話をもらって嬉しかったです。なかなか共演する機会のない素敵な先輩たちと会話劇でがっつりやれるんだ、と思うとわくわくしましたし、実際に稽古が始まってみたら、もう初日から立って稽古をしていて(笑)。とても贅沢な時間を過ごせています。

エンターテイメントとして書かれた、人間を追える作品

──今回は4作品とも昭和に起きた実際の事件を題材にしていますが、高橋さんはどういったところからこれらの作品を書こうと思われたのでしょうか。

高橋 実際の事件について書かれたノンフィクションを読んだとき、事件そのものよりも、その周辺にいた人たちについての、これまであまりよく知らなかった部分に想像力を刺激されたことがきっかけでした。言ってしまえば今の私なりのエンターテイメントなんです。こういう作品であまり簡単に「エンターテイメント」なんて言っちゃいけないかもしれませんが、私にとってはこれが今興味あることだし、ドラマチックだと思うことなんです。

山像 題名だけ見ると何か重たい作品だと思われるかもしれませんが、稽古場でも笑いが絶えないし、しっかり人間を見て書かれた作品だと感じています。人間を追える作品だし、やっぱり高橋さんがエンターテイメントとして書いたものだから、すごく面白いんですよ。

山像かおり

──田中さんは『好男子の行方』について、どのような作品だと思っていますか。

田中 事件を題材にした作品だと、事件をどう解釈するかとか、犯人は誰だったのかとか、言ってしまえばわかりやすいところにフォーカスが行きがちなんですけど、この作品は事件に関わったのはどんな人たちだったんだろう、というどこか温かな目線から描かれていて、事件を押し付けて来ない感じが僕は好きです。

田島 いい意味でお客さんを裏切れると思います。重たいノンフィクション的な作品なのかな、と思っていたら「あ、笑えるんだ」って。

4作品それぞれの見どころは?

──最後に、お一人ずつに作品の見どころをお聞きしたいのですが4作品あるので、まずは山像さんから『夜明け前』の見どころをお願いします。

山像 吉展ちゃん誘拐事件を題材にしていますが、歯車がここでうまくかみ合っていれば犯罪が起きなかったんじゃないかとか、逆にかみあっていたからこうなっちゃったのかなとか、推理劇的な要素もあると思います。事件のことを知らない方は、どんな事件だったのかを事前に調べずに見ていただきたいです。この事件のことを知らない世代の人たちが、この物語を見たときにどう思うのか、犯人のことやその周りの人たちのことをどうとらえるのかを知りたいので、観劇後にはぜひ感想を聞かせて欲しいです。

──田中さんから『好男子の行方』の見どころをお願いします。

田中 どんなに大きな事件が起きたとしても、その渦中にいる人たちは「個人」で、みんな自分のことで必死なんだけど、事件が起きたことでチームプレーをしなければいけなくなって、そのかみ合わなさとか、逆にかみ合っちゃったことで悪い方向に進んでしまったりとか、とにかく滑稽なんです。誰一人として聖人君子みたいな人はいないけど、一人一人がすごく愛おしくなる話だと思います。

田中穂先

──高橋さんから『あなたはわたしに死を与えた』の見どころをお願いします。

高橋 もちろん役者さんの魅力をまずは見ていただきたいですが、内容について言うと、4作品に共通しているのかもしれませんが、ミステリーとして面白いです。『あなたはわたしに~』は、倒叙形式のミステリー、つまり「刑事コロンボ」と一緒で、名探偵と犯人の対決という構造なんです。そこがこの作品の見どころになるのではないかと思います。

──最後に、田島さんから『獄窓の雪』の見どころをお願いします。

田島 高橋いさをが昭和の事件を新しい視点で描くこの作品は、人生の中で起きるどんな出来事もある種のコメディなんだ、ということが伝わってくると思います。だから、帝銀事件を扱っているし真面目にやっていますけど、笑い満載です。爆笑とかではなく「可笑しいな」という感じで、ニヤニヤしながら見てもらいたいです。

本作は11月2日から東京・すみだパークシアター倉と、11月8日から東京・下北沢小劇場B1で上演される。
詳細は公式サイトで。
https://officeriko.wixsite.com/hikarihenomichi

(文:久田絢子 監修:エントレ編集部)

舞台『 昭和大事件連続上演「光への道は遠く」』

『獄窓の雪─帝銀事件─』
【作・演出】高橋いさを
【出演】中田顕史郎 田島亮 かんのひとみ 酒巻誉洋 杉浦一輝 堂ノ下沙羅 桑島海空 藤井陽人 三原一太 妹尾青洸

『好男子の行方─三億円事件─』
【作】高橋いさを【演出】田島亮
【出演】若杉宏二 坂元貞美 杉木隆幸 筑波竜一 田中穂先 銀ゲンタ 五島三四郎

『夜明け前─吉展ちゃん誘拐事件─』
【作】高橋いさを【演出】田島亮
【出演】杉木隆幸 山像かおり 五島三四郎 筑波竜一 佐河ゆい 荒木理恵 奥野亮子 根津茂尚 かんのひとみ 田島亮

2023年11月2日(木)~11月15日(水)/東京・すみだパークシアター倉

『あなたはわたしに死を与えた─トリカブト殺人事件─』
【作・演出】高橋いさを
【出演】是近敦之 児島功一 佐野功 虎玉大介 堤千穂 上田尋 麻生竜司

2023年11月8日(水)~11月12日(日)/東京・下北沢小劇場B1

公式サイト
https://officeriko.wixsite.com/hikarihenomichi

チケットを探す

【すみだパークシアター倉公演】 https://www.quartet-online.net/ticket/hikarihenomiti

【下北沢小劇場B1公演】https://www.confetti-web.com/detail.php?tid=74333&

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