(SYAKE-SPEARE|しゃけすぺあれ)は2005年、日大芸術学部演劇学科在学中の中込遊里と有布によって旗揚げ。劇団名の由来は、劇作家シェイクスピア(William Shakespeare)をローマ字で読み、旗揚げ二人のイニシャルになぞらえてhをyと置き換えたもの。
2010年より日本語を発語することから発想する音楽劇を上演。力強さと柔らかさを兼ね備えた「何ものにもならない」ニュートラルな身体と音声、ジェンダーフリーの配役を用い、「コンテンポラリー能」とも言われる独特の世界観を築く。近年ではシェイクスピア作品の連続上演を行っており、古典戯曲を換骨奪胎し現代の問題として捉えなおしている。2013年、2014年「利賀演劇人コンクール」奨励賞を連続受賞した。
鮭スペアレ版『マクベス』ミラノ公演より
2022年5月、イタリア・ミラノの劇場Teatro NO’HMA から招聘を受け、国際演劇賞参加作品として鮭スペアレ版『マクベス』を現地で上演した。
そして、5月22日(日)に本作の東京公演を南青山の銕仙会能楽研修所で行う。
スコットランドの将軍にしてグラミスの領主マクベスは、仲間の将軍バンコーと凱旋途中、荒野で三人の魔女と出会い、「万歳、マクベス、やがて王となるお方」と挨拶され、王になる野望を抱く・・・。
「何か煌びやかなものによって(主体性なく)踊らされている」のがマクベスの世界観である。
突然の出世をした将軍マクベスは、(よせばいいのに)さらなる権力を欲して、愛する王様を殺すという罪を犯してしまう。そこから先は転がり落ちていくばかり。一緒に犯罪に手を染めた愛妻も気が狂って死ぬ。マクベス自身も戦争で負けて殺される。
あーあー…ほんと、人間ってやつは、なんなんだろうなあ…と、マクベスの姿を通して自身を顧みざるを得ない。考えてみれば、人生において、自分の狙ったとおりうまくいくことなどほとんどないよなあ。西遊記の孫悟空が釈迦の手のひらから出られないように、私たちは、いかにノリにノッていたとしても、誰かの手のひらの上で踊らされているのかもしれない。
だから、思いきり、全力で切なさを味わいながら、マクベスと一緒に踊ろうと思う。お客様もぜひ一緒に踊ってください。踊る阿呆に見る阿呆、同じ阿呆なら踊らにゃ損、損。
今作は夜公演にアーカイブ付きのライブ配信を行うほか、5月19日(木)までクラウドファンディングも行っており、コースによっては海外公演までの道のりレポートや、演出メモ付きの上演台本データ、最前列確約チケットなど、さまざまな返礼品を受け取ることができる。
クラウドファンディングサイトはこちら。
https://ubgoe.com/projects/161
本作は5月22日(日)に東京・銕仙会能楽研修所で上演される。
詳細は公式サイトで。
(文・エントレ編集部)
鮭スペアレ版『マクベス』2022 【Spazio Teatro NO’HMA Teresa Pomodoro(ミラノ)招聘記念公演】
【作】ウィリアム・シェイクスピア
【演出】中込遊里
【出演】清水いつ鹿、宮川麻理子、上埜すみれ、葵、水上亜弓、中込遊里(以上鮭スペアレ)、西田夏奈子【演奏】吉田能(あやめ十八番)、中條日菜子、フルハシユミコ、中込遊里
(公演終了)2022年5月4日(水)~5月5日(木)/ミラノ・Teatro NO’HMA
2022年5月22日(日)/東京・銕仙会能楽研修所
公式サイト
https://syake-speare.com/
チケットを探す
https://www.quartet-online.net/ticket/macbeth2022milano