巧みに想像を折り込んだチェーホフの評伝劇! 青年座「わが兄の弟」が紀伊國屋ホールで開幕
青年座『わが兄の弟』左より 横堀悦夫、安藤瞳 撮影=坂本正郁青年座の舞台「わが兄の弟」が4月7日に紀伊国屋ホールで開幕した。作はマキノノゾミ、演出は宮田慶子。
本作はロシアの劇作家アントン・チェーホフの評伝劇。帝政ロシアの貴族的奢侈による社会的矛盾と第一次ロシア革命直前の過激な革命主義が混在する時代を背景として、若きアントン・チェーホフの生活者としての人物像に迫る。
作はマキノノゾミ、演出は宮田慶子。このコンビによる青年座公演は、『MOTHER』『フユヒコ』『赤シャツ』『横濱短篇ホテル』に続く第5作目になる。
横堀悦夫、山本龍二、石母田史朗、大家仁志、野々村のんがチェーホフ一家として出演する。
青年座『わが兄の弟』左より 山本龍二、横堀悦夫、大家仁志、石母田史朗 撮影=坂本正郁
青年座『わが兄の弟』左より 横堀悦夫、那須凜、豊田茂、野々村のん、小暮智美、津田真澄 撮影=坂本正郁
青年座『わが兄の弟』左より 横堀悦夫、安藤瞳、大家仁志 撮影=坂本正郁
青年座『わが兄の弟』左より 名取幸政、小暮智美、津田真澄 撮影=坂本正郁
「かもめ」のニーナ、「ワーニャ伯父さん」のアーストロフ、「三人姉妹」の三姉妹、「桜の園」のフィールスなど、チェーホフ作品の登場人物を思わせるキャラクターが随所に登場。そうか、こういう事があってあの作品が・・・、と思わず信じてしまいそうになる展開が面白かった。
また、最初にチラシを手にした時には、タイトルを見て「わが兄の弟って自分のこと? どういうこと?」と思っていたが、芝居を観終わってみると何となく納得がいくような気がした。不思議な感覚になる作品だった。
本作は紀伊國屋ホールで4月16日まで上演される。
詳細は青年座公式サイトで。
(文:エントレ編集部)
青年座「わが兄の弟 ―贋作アントン・チェーホフ傳―」
作=マキノノゾミ
演出=宮田慶子
出演
アントン(チェーホフ家の三男)・・・横堀悦夫
ニーナ・・・安藤瞳
パーヴェル(父親)・・・山本龍二
エヴゲーニャ(母親)・・・大須賀裕子
アレクサンドル(長兄)・・・石母田史朗
ニコライ(次兄)/ポポフ・・・大家仁志
マリヤ(妹)・・・野々村のん
ミハイル(末弟)・・・松田周
アーニャ・・・坂寄奈津伎
シナイーダ(リントワリョーフ家の長女)・・・津田真澄
エレーナ(次女)・・・小暮智美
ナターリア(三女)・・・那須凜
スマーギン(三姉妹のいとこ)・・・豊田茂
グレゴーリイ(老従僕)・・・名取幸政
マーリュシカ(小間使い)・・・田上唯
ドールゴフ中尉(コルサコフ監視所の軍医)・・・高松潤
2017年4月7日(金)~16日(日)/東京・紀伊國屋ホール