TEAM909「憧れはいつも隣にいた」

舞台は色のない世界。TEAM909による青春カルトサスペンス『憧れはいつも隣にいた』8月28日、29日にひつじ座にて上演

TEAM909「憧れはいつも隣にいた」
TEAM909「憧れはいつも隣にいた」

TEAM909による舞台「憧れはいつも隣にいた」が8月28日(土)から南阿佐ヶ谷・ひつじ座で上演される。

TEAM909は、横浜国立大学劇団三日月座OBで普段は広告映像ディレクターとして働くBobsonが、2017年7月に新宿で結成。
2018年2月に新宿演劇祭にて第1回公演「川の流れにイシをぶつけろ!!!」を上演後、「世界一かわいいのは絶対私で後はみんなブスばっか。」「愛されたいとか言ってる奴は全員死ね」「負け犬だけど生きてていいですか?」など人目を惹く長いタイトルの公演を次々に上演。

「点が線になるカラフルエンターテインメント」を劇団キャッチコピーとして、個性的なキャラクターを用いて現代的なテーマをポップな世界観に昇華させた伏線回収劇を得意としている。

そんなTEAM909の最新作『憧れはいつも隣にいた』は出演者全員女性の青春カルトサスペンス。

青春の美しさや危うさが真っ白な世界の中で表現される。
霧の深い森の中へ入っていくような、渦巻く展開が見所だ。

STORY

「その日、世界は真っ白になった。」

その日を境に、昴舞香(すばるまいか)の世界も一変した。
かつて独特な色使いで天才女子高生画家として名を馳せた彼女だったが、スランプに陥り、今は見る影もない。
自暴自棄な日々を過ごしていた舞香は、ある日、自分に絵を描くきっかけをくれた親友、琥珀エレンが「月虹病(げっこうびょう)」という奇病に侵されて、余命が残りわずかだということを知る。

エレンが舞香に告げた最後の願い。
その実現には、舞香が高校時代を共に過ごした仲間たち『フェイクファントム』の再結成が必要不可欠だった。

『フェイクファントム』の再結成ーーそれは世界のために法を冒し、神に代わって、罪を犯した男たちの命を奪うことを意味していた。

それでも舞香は、エレンのために、バラバラになってしまったかつての仲間たちの元を訪れる。
一方、行方不明だったフェイクファントムのリーダー、赤星愛論(あかぼしめろん)も、別の目的のために動き出していた…。

色がなくなった世界でも、青さを忘れられなかった女の子たちによる、ひと夏の青春カルトサスペンス!

Bobson(脚本・演出)

TEAM909、1年半ぶりの本公演でございます。
「2020年、才能ひしめくオリンピックイヤーに放つ負け犬たちの物語。」などと銘打って前回本公演を行ったにもかかわらず、そのオリンピックイヤーは今年(2021年)になってしまいました。
状況は改善していってるとはいえず、多くの演劇人、いや演劇人だけでなく、たくさんの方が苦労をされているかと思います。

そんな中で、まだまだ様々な制約はあるものの、
こうしてご挨拶の文章を読んでいただけるということは、本当に幸せな事でございます。

暖かい皆様に支えられて、私は本当に幸せ者だと思います。

その一方で、世間一般では、人々の攻撃性が強まっているような気がします。
それがこの非常時のせいなのか、SNSの普及による弊害なのか、学術的な分析はさておき、直感としてどうにもならない事を嘆いて他人に当たる様子は、どこか思春期、反抗期の子供に近いものを感じます。

そして同時に「思春期」=「青春」そのものを嫌う人も増えたような気がします。
「青春は陽キャのもの」なんて言ってる人もいました。
一方で「青春」をテーマした映画や小説、CMなどは、相変わらず定期的に注目を集めています。
でもそんなものをつくってる人たちは、所謂「青春」を謳歌できていなかったなどと言ってるのを耳にしたり…。

「青春」ってなんでしょうね。
大人になってから「青春」を見ると、どこか気恥ずかしさや気持ち悪さを感じたりもします。
その気持ち悪さは「カルト」に通ずるものがあるような気も。

この感情を
「大人になったから。」
なんて言葉で片付けてしまってよいのでしょうか。
「青春」に「輝き」があるとすれば、大人になって、それを失ってしまうのは、よいことなのでしょうか。

今、この非常事態の中、所謂「青春」の機会を奪われた子たちがたくさんいます。

その子たちは将来、「それでもあの頃楽しかったよね」となるのでしょうか、それとも「あんな事があったから、私に青春はなかった」となるのでしょうか。

人は「今」を生きていますが、
人は「過去」から形成されます。
「今」が「過去」になった時、
人はどんな「今」を生きるのでしょうかね。

そんなことをふわふわと考えながら、
この作品をつくりました。

909初の出演者全員女性。Bobson × 女8人。

割と男社会で生きてきた私には、
彼女たちがどこか遠くの存在に思えます。

遠くで輝く存在。
私と彼女たちとの距離は、私と「青春」との距離に似ているかもしれません。

「憧れはいつも隣にいた」

楽しんで頂けますと幸いです!

本作は8月28日(土)から東京・ひつじ座で上演される。
詳細は公式サイトで。

(文:エントレ編集部)

公演情報

TEAM909 第6回公演『憧れはいつも隣にいた』

【脚本・演出】Bobson
【出演】
叶かのん・笹森あき・純奈・空木空・萬ゆこ・斎宮凛・三浦ひかる・イトウエリ

2021年8月28日(土) 13:00 / 17:00
2021年8月29日(日) 13:00 / 17:00

会場 南阿佐ヶ谷・ひつじ座

公式サイト
https://team909-engeki.amebaownd.com/

チケットを予約する
https://www.quartet-online.net/ticket/akoita

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