2019.3.7  160

これは、まだ幼いピュアな恋。でも、世界中の誰よりも、熱く燃える真実の愛。ミュージカル「ロミオ&ジュリエット」観劇レビュー


 ≫広告掲載のご案内


撮影:田中亜紀 写真提供:ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』公演事務局
撮影:田中亜紀 写真提供:ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』公演事務局
 

これは、まだ幼いピュアな恋。でも、世界中の誰よりも、熱く燃える真実の愛。ミュージカル「ロミオ&ジュリエット」観劇レビュー

 
久しぶりに、ストーリーを知っている作品を観て泣きました。この熱い感動をお伝えしたくてレビューを書かせていただきます。多分、だいぶ語ります。お読みくださる皆様、ご覚悟を(笑)

原作となるのは、言わずと知れたイングランドの劇作家、ウィリアム・シェイクスピアによる同名戯曲。2001年から世界各国で上演され、立て続けに大ヒットを記録。日本では、2010年に潤色・脚本、小池修一郎により宝塚歌劇団星組で初演。その後も、日本オリジナルバージョンとして再演を繰り返し、好評を博してきました。
2017年、振り付け・美術・衣装などを一新した新演出版として上演。今回ご紹介する2019年版は、その新演出版の再演となります。
加えて今年は、新たにフレッシュなキャストを迎え、世界中に愛される究極の恋の物語に新たな歴史が誕生します!

このレビューでは、ダブルキャスト、トリプルキャストの中から、ロミオ役:大野拓朗さん、ジュリエット役:木下晴香さん、ベンヴォーリオ役:木村達成さん、マーキューシオ役:黒羽麻璃央さん、ティボルト役:廣瀬友祐さん、死役:大貫勇輔さんver.で私の燃え上がる熱い感動をお届けいたします!

撮影:田中亜紀 写真提供:ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』公演事務局
撮影:田中亜紀 写真提供:ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』公演事務局

舞台となるのは、イタリアの街・ヴェローナ。この街では、キャピュレット家とモンタギュー家が代々憎しみ合い、争いを続けてきました。
本作は、両家の激しい争いの場面から始まります。冒頭に披露されるナンバー「♪ヴェローナ」は、両家の若者達がオラオラといがみ合うエネルギッシュなダンスが炸裂していて、開幕早々、劇場の温度がぐんぐんと上がって行くような熱量に溢れています。

そんな激しい争いが街で起っているなど露知らず。モンタギュー家のひとり息子・ロミオ(大野拓朗)は、日々、理想の恋人を探して街をさ迷い歩き、同じ時、キャピュレット家のひとり娘・ジュリエット(木下晴香)もまた、未来の大恋愛を夢見ていました。

撮影:田中亜紀 写真提供:ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』公演事務局
撮影:田中亜紀 写真提供:ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』公演事務局

ある日、キャピュレット家では、ジュリエットに大富豪・パリス(姜暢雄)を求婚者として紹介しようと舞踏会を開催。そこへ、ロミオが友人のベンヴォーリオ(木村達成)とマーキューシオ(黒羽麻璃央)に誘われて忍び込み、ロミオとジュリエット、恋を夢見る若き二人が互いに一目惚れするのです。

ロミオ役の大野拓朗さんは、「あの争いの多い中で育って、よくこうも真面目で優しい青年に育ったものだよ」と感心してしまう位、素直で、白い歯を見せた笑顔の輝かしいこと!ジュリエットに出会って以来、『ジュリエット』と発するだけで本当に嬉しそうで、心なしか、身体から音符やハートが見えるような感情のわかりやすさ。そして、可愛らしい少年のような一面の中にちらつく、一途で責任感の強い男らしさ。あれは惚れます・・・(笑)

ジュリエット役の木下晴香さんの、透明感のある清らかなお声は言わずもがな。本作でも、持ち前の美しい歌声を披露してくださいます。純粋で、でも程よく気も強い少女。木下さんは、“可憐”という言葉がぴったりな、とてもキュートなジュリエットだなと思いました。1幕ラスト、結婚式の場面でロミオに向ける甘くて幸せそうな笑顔を思い出すと、胸がキュッと締め付けられます。

撮影:田中亜紀 写真提供:ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』公演事務局
撮影:田中亜紀 写真提供:ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』公演事務局

舞踏会で、運命の出会いを果たした二人。しかし、互いの家は憎しみ合う敵同志、当然、両家の人々が許すはずはありません。
ロミオは、ベンヴォーリオとマーキューシオをはじめとする友人達から、『諦めろ』と必死に説得されますが、全く聞く耳をもちません。

ベンヴォーリオは、見た目や仲間は派手ですが、実は一番周りをよく見ていて、冷静な心も持っている人。仲間達の諍いの仲介に入るのは、ほとんど彼です。そんな、ベンヴォーリオを演じる木村達成さんは、ダンスのキレはもちろん、歌声の伸びやかさに、びっくりしました。群衆にいても、負けずに聞こえてくる力強い高音。少し気が早いですが、今夏に本作と同じく、小池修一郎さん演出で上演されるミュージカル「エリザベート」で拝見することへの期待も高まりました。

そして、黒羽麻璃央さんが演じるマーキューシオは、まるで元気な子犬のようにアグレッシブで動きが軽やか。やんちゃだけれども、友達想いで熱い男。個人的には、舞踏会での無邪気さが可愛くて好きです。今も目を閉じると、マーキューシオのいたずらっぽい笑顔と声が見え聞こえるような気がして、愛おしい気持ちになります。

撮影:田中亜紀 写真提供:ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』公演事務局
撮影:田中亜紀 写真提供:ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』公演事務局

一方のキャピュレット家では、ジュリエットの従兄弟・ティボルト(廣瀬友祐)が一人、複雑な葛藤を抱えていました。小さい頃からジュリエットに淡い恋心を抱いてきた彼。しかしキャピュレット家では、従兄弟同士の結婚は御法度。劇中で、『いつキレるとも知れない危ない男』と紹介されるように、見るからにワイルド&セクシーな男。ですが、たまに見せる彼の寂しそうな瞳から、ただ怖いだけの人ではないことが伝わってきます。彼が歌う、ソロ曲の苦しさと言ったら・・・。ジュリエットへの叶わぬ想い、自分の境遇への怒り。ティボルトを演じる廣瀬友祐さんの苦悩の表情と叫びが忘れられません。

運命。のはずだった、ロミオとジュリエットの出会いは、瞬く間に悲劇をもたらします。
二人の恋を知り、血の気が盛んになった両家の若者達が、いつにも増して激しい争いを始めた結果、ティボルトがマーキューシオを刺してしまいます。
マーキューシオの死の場面。私は今まで、この場面でマーキューシオは、主にロミオに語り掛けて亡くなるイメージが強く、「ベンヴォーリオ、可哀想じゃない?」と思っていたのですが、今回黒羽さんは、ちゃんとベンヴォーリオにも死の間際に柔らかい笑顔を向けていて、何故か私が救われたような気がしました。

悲劇は、悲劇を生む。今度は、友人を殺され逆上したロミオが、ティボルトを刺してしまい、街から追放されてしまいます。この場面で、震えながら座り込むロミオを後ろから抱きしめ、小さな声で『大丈夫』と囁きながら彼の身体を優しくなでるベンヴォーリオの姿を思い出しただけで、涙が溢れてきます。

撮影:田中亜紀 写真提供:ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』公演事務局
撮影:田中亜紀 写真提供:ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』公演事務局

1幕は、ロミオとジュリエットにとって、“幸せの絶頂”。そして2幕は、“絶望”。まるでジェットコースターのような若い二人の恋。高低差が激しすぎて、観ていて本当に心が痛かったです。
そして、ロミオが追放になったと知ったジュリエットの行動が、ロミオとの大きなすれ違いを生み、彼らの恋は、なんとも儚い終わりを迎えます。

長くなってしまいましたが、もう一つ特筆させてください。
大貫勇輔さんが演じる、死。物語全体に纏わり付くように、気がついたら存在して、セリフを一切話さないのに、なんとも不気味な存在感。暗闇にいてもわかる、大貫さんの、人間業とは思えない身体のしなやかさと圧倒的肉体美は要注目です!観劇中、無意識に目が追ってしまっていることに、ゾクっとしました。

撮影:田中亜紀 写真提供:ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』公演事務局
撮影:田中亜紀 写真提供:ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』公演事務局

本作は、「日本オリジナルバージョン」ということで、登場する若者達が革ジャンやジーパンを履いていたり、携帯やメール、既読スルーなど、現代風なアレンジが多く加えられています。アレンジ前の本作を観たことのある方は、新しい解釈、新しい見方が出来る様になっていると思いますし、初めての方はどこか自分の生活に重なる親近感を持って観ることの出来る作品になっていると思います。

長々と語りましたが、全然足りません。なぜなら、脇を固めるベテランのキャストの皆様、ダンサーの皆様も、私が語るまでもなく、本当に素晴らしいからです!
ぜひ、この熱い感動を一人でも多くの方に体感していただきたい。
そして一度観たら、メインとなる、ダブルキャスト、トリプルキャストの今回拝見出来ていない方のお芝居も気になってくる。・・・現に私の今の葛藤です(笑)

撮影:田中亜紀 写真提供:ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』公演事務局
撮影:田中亜紀 写真提供:ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』公演事務局

本公演は、東京国際フォーラム ホールCで上演中。3月10日(日)まで公演された後、愛知と大阪でも公演されます。
詳細は公式サイトで。

 

(文:越前葵)

このレビューを書いたのは

越前葵
えちぜん あおい|舞台・演劇は酸素。生きるために必要な要素のひとつ。趣味は、観劇・お城巡り・御朱印集め。劇団☆新感線の「髑髏城の七人」に影響されて、絶賛殺陣を習い中。

 


 

 

 

 

公演情報

ミュージカル「ロミオ&ジュリエット」

【原作】ウィリアム・シェイクスピア
【作】ジェラール・プレスギュルヴィック
【潤色・演出】小池修一郎

【出演】
古川雄大 大野拓朗(Wキャスト)
葵 わかな 木下晴香 生田絵梨花(トリプルキャスト)
三浦涼介 木村達成(Wキャスト)
平間壮一 黒羽麻璃央(Wキャスト)
渡辺大輔 廣瀬友祐(Wキャスト)

大貫勇輔 宮尾俊太郎(Wキャスト)

春野寿美礼 シルビア・グラブ 岸 祐二 宮川 浩 秋園美緒 姜 暢雄 石井一孝 岡 幸二郎

【R&Jダンサー】
飯田一徳 祝 陽平 大場陽介 岡田治己 小南竜平 小山銀次郎 酒井 航 鮫島拓馬 鈴木凌平 高木勇次朗 仲田祥司 渡辺崇人 伊藤香音 おごせいくこ 織 里織 小松芙美子 齊藤恕茉 Sarry 島田友愛 杉浦小百合 鈴木百花 平井琴望 深瀬友梨 松島 蘭

2019年2月23日(土)~3月10日(日)/東京・東京国際フォーラム ホールC
2019年3月22日(金)~3月24日(日)/愛知・刈谷市総合文化センター
2019年3月30日(土)~4月14日(日)/大阪・梅田芸術劇場メインホール

公式サイト
ミュージカル「ロミオ&ジュリエット」

プレイガイドで検索
ぴあicon ローチケicon ほか

 シェアする

 ツイート

 シェアする


こちらの記事も合わせてどうぞ!

最近の記事


 ≫もっと見る
 

編集部ピックアップ!

エントレがおすすめする他の舞台



Copyright 2019 Village Inc.