2018.6.8  102

【観劇レビュー】もしあなたが召集令状を受け取ったらどうしますか? 福田悠太・出演 映画原作の日本発オリジナルミュージカル『DAY ZERO』


 ≫広告掲載のご案内


舞台「DAY ZERO」撮影:神ノ川智早
ミュージカル「DAY ZERO」撮影:神ノ川智早
 

もしあなたが召集令状を受け取ったらどうしますか?映画原作の日本発オリジナルミュージカル『DAY ZERO』

DDD青山クロスシアターにて、オリジナルミュージカル『DAY ZERO』観劇してきました。観劇レビューさせていただきます。

『予期せぬ招集令状を受け取ったら【出征する日=デイ・ゼロ】まであなたはどう過ごすだろうか?』
チラシに書かれたこの言葉。自分ならどうするだろうか?と考えながら、劇場へと向かいました。

2007年にアメリカで公開され、その硬派な問いかけに波紋を起こしたアメリカの社会派映画『DAY ZERO』を原作とした日本初のオリジナルミュージカル。
上演台本を手掛けたのは、映画「アナと雪の女王」訳詞、劇団四季ミュージカル「アラジン」訳詞、「ノートルダムの鐘」の日本語台本・訳詞を担当した劇作家の高橋知伽江。

作曲・音楽監督として「I GOT MERMAN」「きみはいい人、チャーリーブラウン」「RENT」などの音楽監督の深沢桂子。
このタッグは2016、2017年に東野圭吾 原作「手紙」をミュージカル化し高い評価を得た、最高の組み合わせ。
演出は「手紙」に役者として出演していて、今作が初の外部商業演出となる、吉原光夫。

面白くならないはずがない。

 

強力な布陣のスタッフが創り出す、日本発のオリジナルミュージカル。

ミュージカル「DAY ZERO」撮影:神ノ川智早
ミュージカル「DAY ZERO」撮影:神ノ川智早

 
舞台は少し先の未来。2020年のアメリカ。
予期せぬ一枚の召集令状を受け取った30代の幼馴染3人の、葛藤と苦悩と決断のゆくえを軸に進められていく、、、

STORY

ニューヨークに住む幼なじみの3人の男性のもとに召集令状が届いた。30代になり、もう徴兵されることはないと思っていたのに…。21日後には今の生活を離れ、出征しなくてはならない。
着実にキャリアを積み重ねている弁護士。正義感の強いタクシー運転手。闘いには向かないと思っている小説家。
彼らの信念、勇気、愛……そのすべてが試される3週間。
DAY ZERO出征の日まで、誰を愛し、何を守れるのだろうか?

 
出演は、弁護士のジョージ・リフキン役に今回が舞台単独初主演となる ふぉ~ゆ~福田悠太。
タクシー運転手ジェームス・ディクソンには、ミュージカルで活躍する上口耕平。そして小説家アーロン・フェラーには、急成長の内藤大希。
さらに元AKB48の梅田彩佳、元劇団四季のヒロインで活躍した谷口あかり、若手の実力派俳優西川大貴が脇を固める。

初めて舞台の単独主演を務める福田は
「自分でもなにそれ? という気持ちとゾッとする気持ちと嬉しさと楽しみな気持ちで胸がいっぱいです。やれる限り精一杯やりますので、精一杯の人間を見たい方は是非遊びに来て下さい」
と意気込みを語っている。

 

総勢6人のキャストが1本のギターと歌声で濃密なドラマに挑む!!

ミュージカル「DAY ZERO」撮影:神ノ川智早
ミュージカル「DAY ZERO」撮影:神ノ川智早

悩み、もがき、葛藤する登場人物たちの揺れる心を、繊細かつリアルに描く高橋知伽江の歌詞に、深沢桂子のダイナミックで情緒溢れる音楽がマッチしていて、そこに中村康彦のギターが6人の歌声に彩りを添えつつも、出征する日=デイ・ゼロまでのカウントダウンと共に揺れ動く心情をうまく表現し、しっかりとクライマックスまで導いてくれる。

6人のキャストにギター1本。という、ミュージカルでは珍しくも大胆な構成で挑戦している今作。
ギターだけでは物足りないのでは?と見る前は思っていたが、むしろ壮大なバンド編成よりも、より言葉と心情が伝わったのではないかと思う。

この濃厚で繊細なドラマに、弦の微妙な震えが拍車をかけて物語を進めていき、役者の心情が乗った生の歌声がダイレクトに客席に届いていた。

 

これは未来の話ではない
今、まさに私たちが直面しようとしている現実なのかもしれない

ミュージカル「DAY ZERO」撮影:神ノ川智早
ミュージカル「DAY ZERO」撮影:神ノ川智早

 
日本でも70年以上前には、確かにあった徴兵制度。もう遠くない未来には、その経験をした人がいなくなってしまう。
今年、フランスとスウェーデンでは徴兵制が復活になり、ロシアの軍事的野心や、イスラム過激派テロという東西冷戦後の「新たな危機」に対応している。
日本の隣国の北朝鮮、韓国、中国、ロシアでは当たり前のように徴兵制度がある。
平和だと思っていた日本にも、戦争の足音がすぐ近くに聞こえてきてしまいそうな現代。

不穏な空気の中で生きている「ふつうの人たち」の生活が、一通の召集令状によって、どのように揺さぶられ、変化するかを描き出す問題作。
3人の男たちの葛藤と苦悩と決断は、現代社会を映し出す鏡となり、観るものすべてに問いかける。
美しい歌声とギターの音色を聴きながら、共に考えて欲しい作品だ。

ミュージカル「DAY ZERO」撮影:神ノ川智早
ミュージカル「DAY ZERO」撮影:神ノ川智早

 
予期せぬ召集令状を受け取ったら、【出征する日=デイ・ゼロ】まで、あなたはどう過ごすだろうか ―?

ぜひ。劇場へ。

6月24日まで東京 DDD青山クロスシアター、6月26日に愛知・刈谷市総合文化センター アイリス、6月28・29日に大阪・サンケイホールブリーゼで上演。

 
ミュージカル「DAY ZERO」撮影:神ノ川智早
ミュージカル「DAY ZERO」撮影:神ノ川智早

 
(文:橋本昭博)

この記事を書いたのは

橋本昭博
はしもと あきひろ|俳優。演出家。
演劇プロデュースユニットMoratorium Pants(モラパン)主宰。茨城出身の末っ子四男坊。
趣味は観劇、映画、フットサル。英語とサックスを習得中。ロベルト・ベニーニとダリと銭湯が好き。
橋本昭博ブログ

 

 

 

公演情報

ミュージカル『DAY ZERO』

【原作】Based on the screenplay DAY ZERO by Robert Malkani
【上演台本】高橋知伽江
【作曲・音楽監督】深沢桂子
【演出】吉原光夫
【出演】福田悠太(ふぉ~ゆ~) 上口耕平 内藤大希 梅田彩佳 谷口あかり 西川大貴
【ギター】中村康彦

プレビュー公演:2018年5月25日(金)~27日(日)/水戸芸術館 ACM劇場
東京公演:2018年5月31日(木)~6月24日(日)/DDD 青山クロスシアター
愛知公演:2018年6月26日(火)/刈谷市総合文化センター アイリス
大阪公演:2018年6月28日(木)・ 29日(金)/サンケイホールブリーゼ

公式サイト
ミュージカル『DAY ZERO』

プレイガイドで検索
ぴあicon ローチケicon

 シェアする

 ツイート

 シェアする


 ≫広告掲載のご案内
こちらの記事も合わせてどうぞ!

最近の記事


 ≫もっと見る
 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

編集部ピックアップ!

エントレがおすすめする他の舞台



Copyright 2018 Village Inc.