2016.6.14

柿澤勇人主演 「ラディアント・ベイビー~キース・ヘリングの生涯~」観劇レビュー


舞台「ラディアント・ベイビー」
舞台「ラディアント・ベイビー」舞台写真

柿澤勇人主演 「ラディアント・ベイビー~キース・ヘリングの生涯~」観劇レビュー

青年座On7(オンナナ)の小暮智美です。初めての観劇レビュー、書いてみます!!

先日、日比谷シアタークリエにて『ラディアント・ベイビー~キース・ヘリングの生涯~』を観てきました。
予備知識一切ゼロで劇場に足を踏み入れたところ、ロビーに数点絵が飾ってあります。
あれ?この絵見たことあるな~、知ってるな~という感覚に包まれ、劇場内に足を踏み入れると、舞台上にはこれまたポップで可愛い世界が出現しています。私の心の声は「ウワォ!」です(笑) そして、可愛い声の舞台アナウンスが聞こえてきます…どうやら出演者の子役さんの声かな?観劇前、思いのほか心をマッサージされたリラックス状態から、物語はスタートするのです・・・あ~!この感じだけでも体験して欲しいです(笑)

ラディアント・ベイビー
舞台「ラディアント・ベイビー」シアタークリエのロビーの様子

 

キース・ヘリングの短くも壮絶な人生

タイトルにもある通り、この作品はキース・ヘリング(1958-1990)の短くも壮絶な人生を描いています。
彼について少し説明をさせてください。

キース・へリングは地下鉄構内の広告板にチョークで絵を描くサブウェイ・ドローイングで一躍有名になり、アンディー・ウォーホルなどと並び称される1980年代アメリカの代表的芸術家。この作品のタイトルでもある《ラディアント(光り輝く)・ベイビー》は彼の代表的なアイコン。大ブレイク後も根強い人気を保ち続けており、今もなお有名ブランドが彼の作品とのコラボ商品を展開し、そして社会活動にも積極的で、彼自身がHIV陽性者だったこともあり、生前よりHIV/AIDSに関する活動に取り組んだ。没後、世界中で展開されている「Act Against AIDS」の最初のポスターにも作品が起用されている。

舞台「ラディアント・ベイビー」
舞台「ラディアント・ベイビー」舞台写真

キースのあまりにも短い人生が、音楽とダンスとアートの力が融合し舞台上に圧倒的な力を持って驚くほどのスピードで表出する感じ。キース自身の人生の断片が鋭く切り取られ、キースと共に生きたツェン、アマンダ、カルロス、家族・・・。彼自身の生きたいくつもの時代を音楽に乗せ激しく交錯、行き来することで、キースの生ききった人生の意味が立ち昇ってくるような気さえします。
それは間違いなく俳優達全員の献身的な演技がそう感じさせてくれた理由の一つだと確信します。

「ラディアント・ベイビー」舞台写真
舞台「ラディアント・ベイビー」舞台写真

キース・ヘリング役の柿澤勇人さん、キースそのものでした。キースのことを全く知らない私でしたが、キースの才能の萌芽、情熱、孤独、使命…きっとキースってこんな人だったんだろうなと。そしてキースはN.Yの芸術学校でツェン・クワン・チー役、平間壮一さんと出会いアートに対する価値観で意気投合。「パラダイス」というディスコでは、カルロス役の松下洸平さんと運命であり必然の出会いをし、3人は互いに大切な存在になっていきます。その後、キースがスターダムに一気に駆け上がり多忙を極める頃、ギャラリーの推薦でやってくるアシスタントのアマンダ役、知念里奈さん。彼女の献身的な仕事ぶりは、アーティスト・キース・ヘリングにとって欠かせない存在になってゆきます。

キースを見つめる、彼ら3人の目線が随所に豊かでこちらに多くのものを想像させてくれます。彼らによって生かされたキースであったと…そして彼らもまたキースによって生かされていたのだと…言葉以上のものが伝わってきます。

舞台「ラディアント・ベイビー」
舞台「ラディアント・ベイビー」舞台写真
 

演出:岸谷五朗さんからのメッセージ

そして、もう一つ書いておきたいのは、演出:岸谷五朗さんとこの作品との関係です。

岸谷さんの言葉より、

“HIVと闘う子供達への支援「Act Against AIDS」の活動を1993年より23年間継続しています。最初の出発点は、キースの描いてくれた絵がシンボルとなり始まりました。我々に多大な勇気をくれたのがキースの心とその絵でした。
そんな彼の生涯をエンターテイメントミュージカルとして演出できる事に、大きな運命的な繋がりを感じています。
彼への恩返しと共に観客へ素晴らしい作品が届けられるように、スタッフ・キャスト一同頑張っていきたいと思っています。”

 
今回の作品に蠢く圧倒的なエネルギーは、この岸谷さんの目線があるからこそなんだろうなと、より惹き付けられます。

「ラディアント・ベイビー」舞台写真
舞台「ラディアント・ベイビー」舞台写真

最後に…観終わって心に残ってることの一つに、キースがエイズを発症し亡くなるまでの二年間に他のアーティストが一生かけて創る作品量とほぼ同等の作品を創作したという事実・・・。それを信じさせてくれたこの『ラディアント・ベイビー~キース・ヘリングの生涯~』のスタッフ・キャスト全員に心からの拍手を送ります。
キースのアートと人生を思う存分体験して欲しいです!! 是非劇場へ!! 
6月22日まで日比谷・シアタークリエで上演中。6月25日、26日には大阪・森ノ宮ピロティホールで上演されます!

 
追伸・・・観劇後はロビーに飾ってあるキースの作品からしばらく目が離せませんでした・・・。アートって凄い!って本当に素直に思いました!!

 

(文:小暮智美)

公演情報

舞台「ラディアント・ベイビー ~キース・ヘリングの生涯~」

脚本・歌詞:スチュアート・ロス
音楽・歌詞:デボラ・バーシャ
歌詞:アイラ・ガスマン
演出:岸谷五朗

出演:柿澤勇人 平間壮一 知念里奈 松下洸平 他

2016年6月6日(月)~22日(水)/東京・日比谷 シアタークリエ
2016年6月25日(土)・26日(日)/大阪・森ノ宮ピロティホール

舞台「ラディアント・ベイビー ~キース・ヘリングの生涯~」公式サイト
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この記事を書いたのは

小暮智美
女優。青年座所属、新劇女優7人ユニットOn7(オンナナ)メンバー。 ブログはこちら

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