
世界初の麻酔薬開発の背後にある嫁姑や家族間の人間ドラマ 文学座公演『華岡青洲の妻』10月26日からサザンシアターで上演
文学座公演『華岡青洲の妻』
文学座公演『華岡青洲の妻』が10月26日(日)から新宿南口紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYAで上演される。
有吉佐和子の名作『華岡青洲の妻』は、戌井市郎による演出で1970年に初演。その後、文学座内外で数多く再演されてた作品で、舞台のみならず映画、テレビドラマとしても人気の高い作品だ。
文学座の公演としては四半世紀ぶりにキャストを一新。
世界初の麻酔薬開発の背後にある嫁姑や家族間の人間ドラマが、演出家・鵜山仁の手によって現代によみがえる。
出演は小野洋子、吉野実紗、釆澤靖起 ほか。
文学座公演『華岡青洲の妻』
STORY
今から200年ほど以前、天明の頃。紀州紀ノ川沿いに医術を業とする華岡家があった。
後継ぎの雲平(青洲)が京に遊学中、母の於継は近郷の名家の娘加恵を請うて青洲の嫁に迎えた。
加恵は子どもの頃から憧れていた美しい於継に嫁としてよく仕えた。於継も嫁の加恵を実の娘以上にかわいがり、その睦まじさは人もうらやむほどであったが、やがて青洲が京から帰郷すると様子は一変。二人は青洲をめぐって姑と嫁の争いをつのらせていった。
一方、無頓着な青洲は麻酔薬の研究に没頭し、紀州きっての名医と言われるまでになった。研究も進み、麻酔薬の完成には、人体実験を残すだけとなると、於継と加恵は競って実験に身を捧げると言いだす。母として妻として、実験台になることを譲らない二人の確執は結局、後継ぎの子を思い、夫を思うすさまじいばかりの女の争いに他ならなかった。
実験台を得た青洲は着々と実験の成果を上げていくが、やがて加恵はそれがもとで視力が衰え、ついに失明するに至るのだった……。
鵜山仁 コメント
今回の『華岡青洲の妻』、嫁姑の愛憎劇からの小さなジャンプを心がけたいと思います。身体をいわば元手にして生命を造り続ける女たち、その設計図を引く男たち。背景には人ひとりの一生を超える死生観があります。嫁から姑への代替わりは、年長者の死を前提にしています。しかしその宿命に抗うように、自らの命を最後の切り札として闘う女たちのドラマ。さらに面白いのは、そんなドラマを前にした、男たちの振舞いです。嫁姑の確執を、むしろ麻酔薬の開発に振り向けるような狡猾さと強さ。まことに「男というものは凄いもの」で、「男と女というものは、この上ない、恐ろし間柄」なんですね。
詳細は公式サイトで。
https://www.bungakuza.com/hanaoka/index.html
(文:エントレ編集部)
文学座公演『華岡青洲の妻』
【作】有吉佐和子
【演出】鵜山 仁
【出演】
小野洋子、石川 武、つかもと景子、金沢映実、大原康裕、吉野正弘、太田しづか
吉野実紗、釆澤靖起、奥田一平、川合耀祐、小谷俊輔、平体まひろ
2025年10月26日(日)~11月3日(月祝)/東京・新宿南口紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYA
2025年11月9日(日)/八尾市文化会館(プリズムホール)小ホール
料金(全席指定・消費税込) 一般 4,500円(当日300円増)25歳以下 2,500円
お問い合せ:プリズムホールチケットカウンター072-924-9999(9:00~19:00 月曜休館・祝日の場合翌平日)