
別々の劇団員×全公演シャッフルキャスト! 日本の劇団『その鉄塔に男たちはいるという』栗原功平・土田英生・おおたけこういち・畑中智行 インタビュー特集
日本の劇団『その鉄塔に男たちはいるという』
日本の劇団『その鉄塔に男たちはいるという』でプロデューサーを務める栗原功平、作・演出する土田英生(MONO)、出演の おおたけこういち、畑中智行にインタビュー取材した。
「日本の劇団」は日本にある十年以上続く老舗劇団の劇団員から、それぞれ代表者一名が参加し、出演者全員劇団員のみで構成される企画。
2024年4月に『第十七捕虜収容所』を上演。さらに12月に『十二人の怒れる男』を上演して好評を博した。
今回は 第三劇として土田英生(MONO)を作・演出に迎え『その鉄塔に男たちはいるという』を9月に上演する。
今回エントレでは本作のプロデューサーを務める栗原功平(劇団スーパー・エキセントリック・シアター)、作・演出する土田英生(MONO)、出演するおおたけこういち(劇団スーパー・エキセントリック・シアター)、畑中智行(キャラメルボックス)にインタビュー取材し、本作の魅力について聞いた。
STORY
戦意高揚のために送り込まれた慰問部隊。そこから逃げた4人は深い森の中に立つ巨大な鉄塔に隠れている。
彼らは戦争が終わるまでそこで過ごすつもりなのだ。ある時、そこに1人の脱走兵がやってくる。
彼の話によれば、4人がここにいることはばれているらしい。
そして、終戦を迎えた時、彼らを取り囲んでいたのは銃を構えた日本人達だった。
《ありそうでなかった形》日本の劇団とは?
――まず、日本の劇団について教えてください
栗原 「10年以上続いている老舗の劇団から一人ずつ呼んで、みんなでガチンコ芝居をやってもらおうという企画です。」
土田 「劇団スーパー・エキセントリック・シアターのメンバーがそういうことを考えているというのが、最初聞いたときは意外でした。」
おおたけ 「普段、他の劇団の方たちとかかわり合いがあまりないから、関わってみたい気持ちがすごく強かったんじゃない?」
栗原 「その気持ちはすごくあります!」
畑中 「普段は完結しちゃうんですね、SET(劇団スーパー・エキセントリック・シアター)の中で。」
おおたけ 「そこがうちの座長(三宅裕司)のモットーでもあるからね。」
栗原 「日本の劇団は《ありそうでなかった形》ですよね。」
おおたけ 「チラシを見ても、俳優の名前よりも劇団名の方がデカいですからね!」
畑中 「かまし方がハンパないですよね!」
――脚本に『その鉄塔に男たちはいるという』を選んだ理由は?
栗原 「僕は《役者さんにストレスを与える芝居》が好きなんです。すごく良質な脚本で、ちゃんとした会話劇で、役者さんにストレスを与える脚本を探していたところ、本作を読んで『これ面白い!』となって選びました。」
土田 「ありがとうございます。」
畑中 「本場の方が来て演出してくださるなんて、すごい事ですね。びっくりしました。」
鉄塔に逃げ込んだ男たち 戦争が終わるのを待っている一週間
――本作、『その鉄塔に男たちはいるという』はどんなお話ですか?
土田 「戦場に慰問に行ったマイムグループがいるんです。その人たちが戦意高揚の慰問が嫌で、一回だけやって逃げ出します。そして森の中の鉄塔で戦争が終わるのを待っている一週間を描いています。言ってしまえばそれだけの話です。」
畑中 「戦争と言っても昔の話ではないんですよね。」
土田 「そうです。現代の設定ですね。」
畑中 「作品自体の懐が深いというか、いろんな団体で経験を積んで、スキルも違うメンバーが集まってきていても、いい化学反応が起きやすい作品だなと思うんです。そういうアプローチが非常に楽しいし、結構口論しているシーンも多くて、難しいこともたくさんあるんですけど、すごく挑戦しがいのある作品なので稽古も楽しいです。(おおたけさんに、次のコメントどうぞという振り)」
おおたけ 「いや、全部言って渡さないでよ!」
土田 「いやいや、ここからが本領発揮ですよね!」
畑中 「SETの方ですからね!」
全日程がプレミアム! 完全シャッフルキャスト公演
――シャッフルキャスト制ですが、難しさや楽しさは?
おおたけ 「シャッフルするためにダブルキャストになっているので、僕と同じ役を演じる人がもう一人いるんです。自分が脚本を読んだ後に、また違う方が同じ役を演じるのを観られるし聴くことができるんです。これが衝撃だったしとても勉強になっているんです。『ああ、豊田さんが演じた風にやろう』って思ったりして(笑)。」
土田 「実は今、キャストが変わっていても、どのシーンも同じ演出をしようとしてるんです。最初はそれが窮屈になっちゃうんじゃないかなと心配してたんですけど、どれだけ同じ間にしても、キャストが違うと雰囲気が全然違う。だから後はどうなるのか、楽しむだけですね。
この作品は30年前に思いついて書いたものなので、今読むとちょっと他人なんですよね。
今の方が上手に書けるはずなんですけど、20代の自分の発想に勝てないというところもあるんです。例えば《水筒の取り合いのシーン》なんかは、これどういう風に考えて書いたんだろうって思うんです。若い自分の面白いところは何箇所かありますので、そこを楽しみたいです。」
栗原 「今回のために修正して頂いたんですよね。」
土田 「はい、大分直しました。 脚本としては一番良くなっていると思います!」
――この作品の面白いところはどんなところですか?
畑中 「今はサブスクとかでいろんなエンターテインメントがあるから、次から次に新しい展開を小刻みに転がしていく作品が多い印象があるんです。でも、今作は一個のエピソードをものすごく長く引っ張るんですよ!」
一同 「(笑)」
畑中 「小さいケンカをすごく長くやり取りするのが、ある意味贅沢で。一個起こったことに対してみんなで長く付き合うということが、すごく刺激的で面白いなと思います!」
おおたけ 「登場人物たちはこの鉄塔に逃げてくるところから物語が始まるんですけど、争いとかに抗おうとしているんです。人を笑顔にしようと思って頑張っているんです。笑いってこういう時こそ必要だと思うので、そこが僕はめちゃくちゃ好きです。」
――お客様に向けてお誘いのメッセージをお願いします!
栗原 「もちろん脚本も面白いし、演出もキャストも面白いです。そして何より今回はシャッフル公演ということで、全日程で組み合わせが違います。全て一回限りのプレミアム公演となっていますので、その辺りも全部楽しんで頂けたらなと思っています!」
土田 「どの組み合わせがいいかなんて、やってみるまでわかんないですからね。」
栗原 「どの組み合わせでも絶対に面白いです!僕はずっと稽古を見ていますけど、これは断言できます!」
土田 「なるべくメンバーが違うものを2回は見て欲しいですね。あと今回は今まで上演してきた中で一番劇場が小さいんです。お客さまには、本当に鉄塔のすぐ横にいる感覚で、この5人の会話を眺めてもらうと、同じ空間にいる感覚で楽しんでもらえると思います。ビビッドなドラマを楽しんでもらえると思いますので、是非劇場に来ていただければと思います!」
畑中 「《日本の劇団》と謳っているので、この公演をやっている期間は日本で一番面白いお芝居をやっていると自負しながら、お客様に楽しんで頂けるように精一杯努めますので、是非劇場に足を運んでください!」
おおたけ 「毎日が初日で千穐楽です。僕らは全身全霊でやりますので、是非お楽しみに!」
詳細は公式サイトで。
https://www.set1979.com/stage/stageinfo202509/
(文:エントレ編集部)
作・演出:土田英生(MONO)
出演(50音順):
後田真欧(文学座)
オオダイラ隆生(劇団6番シード)
おおたけこういち(劇団スーパー・エキセントリック・シアター)
佐々木穂高(柿喰う客)
鈴木翔音(スタジオライフ)
田中博士(東京タンバリン)
豊田茂(青年座)
新原武(劇団扉座)
沼田星麻(アマヤドリ)
畑中智行(キャラメルボックス)
公演期間:2025年9月3日(水)~9日(火)
9月3日(水)19:00
9月4日(木)19:00
9月5日(金)19:00
9月6日(土)12:00/16:00
9月7日(日)12:00/16:00
9月8日(月)19:00
9月9日(火)12:00/16:00
※受付開始・客席開場は開演の30分前の予定です。
会場:新宿 THEATER BRATS(シアターブラッツ)
〒160-0022 東京都新宿区新宿1-34-16 清水ビルB1
チケット
パンフレット付:7,700円 ※公演グッズ(1,500円にて販売予定)と同一商品です。
一般:6,500円/当日券:6,800円
※全席指定・税込
2025年7月26日(土)10:00よりチケット発売中
●チケットぴあ <Pコード:535-825> https://w.pia.jp/t/nichigeki-tettou/
セブン-イレブン店内端末にて一般発売日以降直接購入可能
●イープラス https://eplus.jp/nichigeki-tettou/
ファミリーマート店内端末にて一般発売日以降直接購入可能
●ローソンチケット <Lコード:34485> https://l-tike.com/nichigeki-tettou/
ローソン・ミニストップ店内端末「Loppi」にて一般発売日以降直接購入可能
●カンフェティ http://confetti-web.com/@/nichigeki-tettou/
※ご予約前に「GETTIIS」への会員登録(無料)が必要となります。
スタッフ
作・演出:土田英生(MONO)
舞台美術:松生紘子
音響:今村太志、毎原範俊(S.C.ALLIANCE)
照明:赤田智宏、野上花音(ALOP)
演出助手:小暮邦明(劇団スーパー・エキセントリック・シアター)
舞台監督:倉本徹(倉本工房)
宣伝美術:Lamm Lemon
宣伝写真:白根美恵
票券:Mitt
収録:彩高堂
制作:大関真、大森晴香、熊谷美咲(スーパーエキセントリックシアター)
企画・プロデューサー:栗原功平
主催:スーパーエキセントリックシアター
公演公式サイト https://www.set1979.com/stage/stageinfo202509/
公式X(旧Twitter) https://twitter.com/nihonnogekidan @nihonnogekidan