劇団☆新感線『爆烈忠臣蔵』製作発表 撮影:田中亜紀

忠臣蔵をやろうと奔走する熱き芝居者たちを描く 歌って踊ってのお祭り騒ぎの作品に 劇団☆新感線『爆烈忠臣蔵~桜吹雪THUNDERSTRUCK』製作発表レポート

劇団☆新感線『爆烈忠臣蔵』製作発表 撮影:田中亜紀劇団☆新感線『爆烈忠臣蔵』製作発表 撮影:田中亜紀

劇団☆新感線の45周年興行・秋冬公演『爆烈忠臣蔵~桜吹雪THUNDERSTRUCK』の製作発表が行われ、出演者らが登壇した。

 
爆烈忠臣蔵』は劇団☆新感線45周年記念公演。45周年と銘打ったからには「今回は全員集合だな!!」というどこからともなく降ってきた鶴の一声から本企画が始動した。
座付作家・中島かずき書下ろしによる、歌舞伎の名シーンをリスペクトした劇中劇の数々が、主宰・いのうえひでのりによる演出で華々しく立ち上がる。

本作の舞台は江戸時代。歌舞伎の大名作『忠臣蔵』を上演するために愚かしいほどに芝居作りに情熱を傾け奔走する演劇人を描く。そこに、これまで新感線が上演してきた45年分の作品をごった煮したセルフパロディ・セルフオマージュの要素も詰め込むという。さまざまな特技を持つ役者たちが、次々に登場しては我こそは!と、凌ぎを削る芝居合戦を繰り広げ、これぞ<チャンピオンまつり>にふさわしい、笑い満載、歌も踊りも立ち回りもてんこ盛り、目まぐるしく展開する極上のエンターテインメントが誕生する。

出演は劇団の看板俳優・古田新太、高田聖子、粟根まこと等に加え、2019年の『偽義経冥界歌』以来、6年ぶりの出演となる橋本じゅん、IHIステージアラウンド東京での『髑髏城の七人〜Season月』以来8年ぶりに出演の羽野晶紀、そして2019年、2020年の『偽義経冥界歌』以来5年ぶりとなる橋本さとしが出演する。
さらに、準劇団員との呼び声も高い劇団☆新感線を熟知した豪華ゲスト陣・小池栄子、早乙女太一、向井理が出演する。

本作の製作発表が行われ、作の中島かずき、演出のいのうえひでのり、出演の古田新太、橋本じゅん、高田聖子、粟根まこと、羽野晶紀、橋本さとし、小池栄子、早乙女太一、向井 理が登壇した。

作 中島かずき『忠臣蔵を作ろうとする芝居者の話を書きたいなと思っていたんです。歌舞伎役者になりたいと思い込んで猛烈に突っ走る女性というのを思いついて、こういう話になりました。45周年なので劇中劇でいろんなことを詰め込んだら、今まで書いた中で一番長くなって・・・。これは4時間コースだと思い、自分で反省して20分くらい切りました。ここから長くなるのはいのうえの責任ですので!』

演出 いのうえひでのり『忠臣蔵をやろうとする熱い芝居者たちの話なので、ある意味新感線らしいと思います。これだけの人たちが集まるだからお祭りにしようと思っています。本来、《いのうえ歌舞伎》と相反する言葉として《チャンピオンまつり》というのがあるんですが、これは笑いに特化した作品に冠を付けているんですね。歌舞伎をはじめ、様々なエンターテインメントのパロディやオマージュが満載ですので歌って踊ってのお祭り騒ぎになると思います。昭和世代の方なら、年末年始は忠臣蔵というのが刷り込まれていると思いますが、そういう意味でも年末にぴったりの作品だと思うのでご期待ください。
稽古も始まっていて、久しぶりで体が痛いっていう人もいるけど順調に進んでいます。』

古田新太『もう稽古が始まっているんですけど、劇中劇が多すぎて、これ誰がしゃべってんだよ、よく分かんねえなって思って、まだ役を掴みかねています。今回は松本で幕を開けて3ヶ月くらい公演するんで、その中で30分短くしたいと思っています。
今回のビジュアル写真のテーマは《将軍》だったんですが、こんなに立派な月代(さかやき)を作れることはなかなか無くて、新感線では初めてじゃないかなと思います。本番ではもっともっとキラキラする予定です。』

橋本じゅん『久しぶりの新感線出演で少し緊張していたんですけども、稽古場に入ってみたら一昨日くらいも来てたような感覚でした。さっきいのうえさんが仰っていた「全身が痛くなっている人」というのは僕のことで、それだけ年月が経っているのを痛感しつつも、まだ行けるぞという手応えもあります。是非、新感線がやる忠臣蔵を観に来ていただけたらと思います。』

高田聖子『私は19歳の時に新感線の公演に参加しまして、200人くらい入るオレンジルームという劇場で「阿修羅城の瞳」というお芝居をやったんですけど、その時にいのうえさんが「演舞場でやっている気持ちで!」と仰っていたんです。その時は「何を言ってはるんや、この人は!」と思ってたんですけど、まさか本当に新橋演舞場で、こんなに素晴らしい皆さんと、チャンピオンまつりっていう馬鹿馬鹿しいお芝居で舞台ができるので、「ああ、夢があるな」って思っています。頑張りたいと思います。』

粟根まこと『橘川橘右衛門という役を演じます。名前の通りキツい人、堅物です。今回の登場人物は破天荒な人ばかりなので、それを締めてまわるような頭の堅い人を演じたいと思います。高田聖子さんとは夫婦役ということでなんとなく今日の衣裳も似せてもらいました。この二人の跡取り息子を演じるのが太一くんです。夢があります。』

羽野晶紀『私はもう、この機会を待ちに待っておりました!お客様と同じくらいワクワクしていると思います。自分が現役で出てたころよりも劇団がゴージャスになっちゃってて、裏側のスタッフも本当にプロフェッショナルなんですよね。この間「髑髏城の七人」Season月に出演した時に、すごく楽しかったし、すごくやりやすかったんです。体力的にはそこそこしんどいんですけど、また今回出して頂けるということでとても楽しみです! 先輩たちと共演するのは本当に久しぶりなんですが、会うとビューンと昔に戻ってニコニコ、ぬくぬくしてます。素敵なゲストも来てくださっているので、稽古場では一等席で観ているので、毎日稽古が楽しいです。』

ーーー古田さんと夫婦なんですよね?

羽野『そうなんです。』

古田『始まる前に中島さんに呼び出されまして、「古田、羽野と高田とどっちと夫婦がいい?」って』

羽野『ちょっと待って!』

高田『そんな話があったんですか!?』

古田『そんな話があったんですよ。で、俺は、「どっちでもいいわ!」って言って。』

羽野『ひどい!』

高田『まあ、どっちでもええけどね。』

中島『あの・・・、バランスで考えさせて頂きました!』

劇団☆新感線『爆烈忠臣蔵』
劇団☆新感線『爆烈忠臣蔵』メインビジュアル

橋本さとし『僕は劇団を離れている間、気がつけばミュージカルで大活躍しているという・・・』

一同『(笑)』

橋本さとし『劇団ではパロディでしかやったことなかったのに色んな役をやらせてもらってます。離れている間でも劇団☆新感線魂っていうのはモクモクと燃えてたので、久しぶりに戻っても全然違和感なく、劇団☆新感線のチンピラ俳優のまま、戻らせて頂けてます。気持ちは20代のままなんですけど、脳みそと身体は年相応なんで、前よりも漢字が読めなくなってて・・・。』

中島『本読みの時に、本当にガッカリしました!』

橋本さとし『まあ、でも舞台では、劇団☆新感線魂を爆烈させたいなと思います!』

小池栄子『毎日稽古が楽しくて楽しくてしょうがないです!新感線の大ファンですし、かずきさんが書いて下さった脚本が楽しくて魅力的で、いのうえさんがニコニコしながら演出を付けてくださってて。私は今年45歳なんですけど、私が生まれた時にみなさんが劇団を立ち上げたかと思うと、お父さんお母さんと一緒にやっているような気分がするくらいなんです。じゅんさんとは今回親子の役なので、じゅんさんから何かを盗みたいと思ったり・・・。』

古田『やめとけ。』

小池『昨日も表情を教えていただいたりしたし、羽野さんは可愛いし、さとしさんは漢字読めないのにショックを受けたりして・・・。私にとってはご褒美のような稽古時間です!長時間にはなるかもしれませんが、観て良かったと思ってもらえる作品にできるよう、一生懸命頑張りますので楽しみにしていてください!』

ーーー小池さんのビジュアルもインパクトありますよね

小池『コントをやっていて良かったと思いました!ポスターはパッと見た時に何かが伝わる表情になっているといいと思うので、いろいろ叫ばせて頂きました。』

早乙女太一『このお話をいただいた時に、こういったメンバーの中に入れることが本当に嬉しくて。45周年も劇団が続いているのが奇跡だと思うし、ハードな内容のお芝居の初日を開けることが奇跡だと思うんですよね。僕の中では本当に千秋楽までできるのかなっていう思いもあったんですが、稽古初日からすごいエネルギーでした。その奇跡をみなさんに観に来て頂きたいなという気持ちです。女方は初めて新感線に出させて頂いた「蛮幽鬼」でやったぐらいで、ものすごく久しぶりです。
あと、初めて今回は人殺しじゃない役ですね。すごく不安です、殺さなくていいんですか!?って、そわそわしています(笑)』

向井理『単純に呼んでもらえて嬉しいなっていう思いと、『髑髏城の七人』Season風と、『狐晴明九尾狩』に出演して、実は4年ごとにやっているということに気がついて、オリンピックみたいな気持ちで参加させてもらっています。今回は自分のせりふで座付き作家っていう言葉が出てくるんですけども、かずきさんの気持ちも入っているんだろうなっていう、独り言のせりふがあったりとかするんです。座付き作家のプライドとか大変さとかが結構入っているんで、これは《かずきさん》としてやった方がいいのかなと思いながら台本を読ませて頂きました。今回はお祭りみたいな作品になると思いますので、観て損はない作品に確実になると思います。』

古田『みんなの稽古を観ていると本当に楽しい作品になりそうなんですけど、太一くんが言ってた通り、千秋楽まで持たないかもしれません。』

羽野『ちょっと、ダメだよ!』

古田『ですから、みなさん、早めの日程のチケットを買って頂いて、是非とも観に来てください。よろしくお願いします。』

 
劇団☆新感線『爆烈忠臣蔵』製作発表 撮影:田中亜紀
劇団☆新感線『爆烈忠臣蔵』製作発表 撮影:田中亜紀

 
なお、製作発表のダイジェスト映像は後日公開される予定とのこと。
公演詳細は公式サイトで。
https://www.vi-shinkansen.co.jp/bakuretsu45/

(文:エントレ編集部)

2025年劇団☆新感線45周年興行・秋冬公演 
チャンピオンまつり いのうえ歌舞伎
『爆烈忠臣蔵~桜吹雪THUNDERSTRUCK』

【作】中島かずき
【演出】いのうえひでのり

【出演】
古田新太 橋本じゅん 高田聖子 粟根まこと 羽野晶紀 橋本さとし /
小池栄子 / 早乙女太一 / 向井 理

右近健一 河野まさと 逆木圭一郎 村木よし子 インディ高橋
山本カナコ 礒野慎吾 吉田メタル 中谷さとみ 保坂エマ
村木 仁 川原正嗣 武田浩二 

藤家 剛 川島弘之 菊地雄人 あきつ来野良 藤田修平 北川裕貴 寺田遥平 伊藤天馬
米花剛史 武市悠資 NaO 千葉恵佑 山崎朱菜 松本未優 河野瑞貴 井ノ口絹子 古見時夢

2025年9月19日(金)~23日(火祝)/松本・まつもと市民芸術館
2025年10月9日(木)~23日(木)/大阪・フェスティバルホール
2025年11月9日(日)~12月26日(金)/東京・新橋演舞場

公式サイト
https://www.vi-shinkansen.co.jp/bakuretsu45/

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