全編にわたる美しい音楽! 深い演技にすっかり飲み込まれる『ラグタイム』観劇レビュー
ミュージカル『ラグタイム』全編にわたる美しい音楽! 深い演技にすっかり飲み込まれる『ラグタイム』観劇レビュー
1998年に世界初上演され数々の賞を受賞した【ラグタイム】がついに日本で初上演!石丸幹二さん、井上芳雄さん、安蘭けいさんなど、豪華キャストが集結。とても壮大!音楽が素敵!観劇直後はそんな余韻に浸っていました。
物語は20世紀初頭のニューヨークを舞台に、差別や偏見が蔓延る時代を描いています。この差別問題を日本人キャストでどのように表現されるのかが楽しみでしたが、冒頭から舞台らしい表現に『なるほど!これならわかる!』とワクワクしました!
冒頭舞台上のスクリーンを使ったキャストの登場シーンや、衣裳でその人種の違いを明確に表現しています。ユダヤ人ならグレイ系のモノトーン、黒人は鮮やかな原色、白人は真っ白。メイクはあくまで日本人の特徴を失わない程度。そのバランスの良さがとても上品で美しい!
ミュージカル『ラグタイム』
石丸幹二さんが演じるターテが娘に危害を加える人に怒ったり、ロープで娘を繋いでいたりする行動が、はじめは理解できなかったのですが、それは自分の無知であることが後に理解できました。物語を追ううちに、その時代背景や歴史的な背景がより感じられ、だからこそ、井上芳雄さん演じるコールハウス・ウォーカー・Jr.の境遇に涙したし、安蘭けいさん演じるマザーの信念に共感することができました。出演者の深い演技に、すっかり飲み込まれていました。
ミュージカル『ラグタイム』
ミュージカルらしく合唱のハーモニーが心地良く、アンサンブルの方々のダンスが美しかった!個人的にサラ演じる遥海さんの歌に圧巻されました!『RENT』での活躍は聞いてはいたけど、心を込めて歌い上げる熱量が凄かったです!
ミュージカル『ラグタイム』
物語自体は決して楽しいものではありませんが、全編にわたって美しい音楽でつづられることで、ただ感情的に流されるのでなく冷静にこの舞台のテーマを考えることができました。歴史的背景を理解することで、作品をより深く楽しむことができるので、公式HPなどで情報をゲットしてもいいと思います!
公式サイトはこちら。
https://www.tohostage.com/ragtime/
(文:かみざともりひと)
ミュージカル『ラグタイム』
【脚本】テレンス・マクナリー
【歌詞】リン・アレンズ
【音楽】スティーヴン・フラハティ
【翻訳】小田島恒志
【訳詞】竜真知子
【演出】藤田俊太郎
【出演】
ターテ:石丸幹二
コールハウス・ウォーカー・Jr:井上芳雄
マザー:安蘭けい
サラ:遥海
ファーザー:川口竜也
ヤンガーブラザー:東啓介
エマ・ゴールドマン:土井ケイト
イヴリン・ネズビット:綺咲愛里
ハリー・フーディーニ:舘形比呂一
ヘンリー・フォード&グランドファーザー:畠中洋
ブッカー・T・ワシントン:EXILE NESMITH
新川將人、塚本直、木暮真一郎 / 井上一馬、井上真由子、尾関晃輔、小西のりゆき、斎藤准一郎、Sarry、中嶋紗希、原田真絢、般若愛実、藤咲みどり、古川隼大、水島渓、水野貴以、山野靖博
リトルボーイ(Wキャスト):大槻英翔、村山董絃
リトルガール(Wキャスト):生田志守葉、嘉村咲良
リトルコールハウス(Wキャスト):平山正剛、船橋碧士
2023年9月9日(土)~30日(土)/東京・日生劇場
2023年10月5日(木)~8日(日)/大阪・梅田芸術劇場 メインホール
2023年10月14日(土)・15日(日)/愛知・愛知県芸術劇場 大ホール
公式サイト
https://www.tohostage.com/ragtime/
チケットを探す