SixTONES京本大我主演!全編音楽劇で魅せる‼︎ ミュージカル『シェルブールの雨傘』舞台挨拶&観劇レビュー
ミュージカル『シェルブールの雨傘』 SixTONES京本大我主演!全編音楽劇で魅せる‼︎ミュージカル『シェルブールの雨傘』舞台挨拶&観劇レビュー
なんて美しい出会いなんだろう…幻想的で情緒的で、言葉はいらないけれど、思わず言葉を紡ぎたくなる…
そんな始まりでした。
オープニングから京本大我という人間の美しさ、優雅さ、華やかさ、繊細さ、儚さ、色っぽさ、そして快活さと力強さの全てを見ることができました。台詞も含めた全編音楽のみで構成された今作はきょも(京本さん)の歌声とダンスを思う存分堪能できます。伸びやかで美しく、そして時に切なく情感たっぷりに歌い上げ、指先まで気持ちを宿すように踊るきょも(京本さん)の姿に目と心を奪われました。
あまりにもきょも(京本さん)が佇む世界が美しかったため、冒頭からえらく長く語ってしまいましたが、支える演者やその世界観の融合が素晴らしい作品でした!
ミュージカル『シェルブールの雨傘』
今作は1964年に公開されたジャック・ドゥミ監督の映画で、第17回カンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞し、
「ロシュフォールの恋人たち」や「華麗なる賭け」などの名曲を生み出した映画音楽界の巨匠ミシェル・ルグランによる美しい旋律に乗せて描かれています。公開からおよそ60年経った今も愛される不朽の名作であり、日本では1983年に舞台化され、これまでさまざまなキャストで再演を重ねてきました。そして今回、新たなキャストと演出によりおよそ10年ぶりに上演されます。
舞台は1957年、アルジェリア戦争が続くフランスの港町シェルブール。京本大我さん演じる20歳の自動車整備士のギィと朝月希和さん演じる17歳のジェヌヴィエーヴはある雨の日に出会い恋に落ちます。永遠の愛を誓いあうほどの二人ですが、ギィに戦争への召集令状が届くことで物語は大きく動いていきます。
ミュージカル『シェルブールの雨傘』
朝月さん演じるジェヌヴィエーヴは真っすぐでチャーミングで、きょも(京本さん)演じるギィに愛され、あまりにもラブラブな姿にファンならば思わず焼きもちを焼き、そのポジションを変わって欲しいと思うほど魅力的でした。淡い恋の始まりから燃え上がるように愛し合い、熱く抱擁を交わし、愛をささやき、共に歌い踊る二人の姿はこれ以上ないほど「幸せな恋人たち」を描いていました。この人しかいない!と思えるくらいの愛する人に出会い、命懸けで愛を誓う姿に、人生に一度はこんな恋がしたい!と思わされました。まだ若い二人ですが未来の子どもの名前を話し合うほど結婚に向け思いを募らせる姿は微笑ましく羨ましくもありました。だからこそ、その後、戦争に翻弄されすれ違ってしまう未来を考えると胸が苦しくなりました。恋の幸せと戦争がもたらす不幸とそのコントラストがあまりに大きく心を揺さぶられます。渡部豪太さん演じるスマートで情熱的なカサール、井上小百合さん演じる献身的で優しさに満ちた女性マドレーヌ…魅力的な二人の存在も物語に大きなうねりをもたらし運命を大きく変えていきます。
ミュージカル『シェルブールの雨傘』
終盤、新しい恋の幸せを感じながらも、消化不良の昔の恋を思い出し、後ろ髪が引かれるような場面に胸が締め付けられました。あまりにも切ない結末を誰が予想できたでしょう?
セットは淡い二人の恋に似つかわしいピンクとブルーを基調としたフランスの街並みが表現され、色合いが華やかでお洒落で、絶対に女子が好きな世界観です。時間は90分ほどであっという間、美しくも切ない世界に見惚れている間に終わってしまいます。
ミュージカル『シェルブールの雨傘』
主人公ギイを演じる京本さんは「お話をいただいたときは大人な恋愛作品と言う印象を受け、まだ僕には早いんじゃないかと感じた」と最初は不安を抱いていたようですが「今まで井上芳雄さんだったり、坂本(昌行)くんだったり、名だたる先輩方がこの作品を大事に演じてこられましたので、僕もプレッシャーに打ち勝って、この作品のバトンをつないでいけるように、大事に大事に演じきりたいと思っています!」と力強く意気込みを述べられていました。そんなきょも(京本さん)の思いの詰まった作品! 恋とは?愛とは?本当の幸せとは?美しくも狂おしいほどに苦悩する京本大我演じるギィの姿に劇場で胸キュンし、切ない恋の結末をお見守りください。
ミュージカル『シェルブールの雨傘』
(文:あかね渉)
ミュージカル『シェルブールの雨傘』
【演出】荻田浩一
【出演】京本大我 朝月希和 井上小百合 渡部豪太 春野寿美礼
2023年11月4日(土)〜26日(日)/東京・新橋演舞場
2023年12月3日(日)〜10日(日)/大阪・松竹座
2023年12月14日(木)〜16日(土)/広島・広島文化学園HBGホール
公式サイト
https://cherbourg-2023.jp/
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