池の下『ガラスの動物園』

結成30周年を記念しテネシー・ウィリアムズの不朽の名作に挑む 池の下 第31回公演『ガラスの動物園』12月12日から中野 劇場MOMOで上演

池の下『ガラスの動物園』
池の下 第31回公演『ガラスの動物園』

池の下 第31回公演『ガラスの動物園』が12月12日(金)から中野 劇場MOMOで上演される。

 
池の下は、1996年 演出家・長野和文を中心に演劇と舞踏の融合をめざし結成。以降、国内外で高く評価され、2006年には利賀演出家コンクールで優秀演出家賞を受賞。『狂人教育』は韓国・中国・日本・ポーランドで上演され、大きな反響を呼んだ。「海外作品シリーズ」では、海外の現代戯曲を通じて日本の今を照らす試みを展開。これまでにアゴタ・クリストフ『エレベーターの鍵』(2012)、マルグリット・デュラス『アガタ』(2015)、ハロルド・ピンター『灰から灰へ』(2018)などを上演してきた。

今回、結成30周年を記念して、テネシー・ウィリアムズの不朽の名作『ガラスの動物園』に挑む。
出演は、稲川実加、SUMIO、青木五百厘、岩切チャボ。
翻訳は小田島雄志、演出・美術は長野和文が手がける。

 

STORY
1930年代アメリカ・セントルイス。父に去られた家族は、過去の思い出にすがる母アマンダ、内気で足の不自由な娘ローラ、日常に疲れた息子トムの3人で暮らしている。アマンダはローラの将来を案じ、トムの職場の青年ジムを家に招くが、淡い希望は静かに崩れ去る。家を出たトムは自由を手にするが、ローラの面影に囚われ続ける。幻想と現実、希望と喪失が交錯する静かな衝撃の物語。

 

『ガラスの動物園』 – 戦争前夜の静かな崩壊(演出ノートより)

『ガラスの動物園』は、1944年に発表されたテネシー・ウィリアムズの自伝的名作であり、近代アメリカ演劇の代表的作品です。
今回の演出では、この物語を「戦争前夜」という視点で新たに読み解きます。舞台は1930年代末、世界恐慌の爪痕が残るアメリカ。閉塞と不安に覆われた時代に、家族の内部にも静かな崩壊が忍び寄ります。ローラの「ガラスの動物園」は彼女の壊れやすい心の投影であり、現実との断絶の象徴でもあります。母アマンダは輝いていた過去への執着、ローラは世の中から受け入れられない純粋さ、ジムは現実社会へのリアルな野望、そしてトムは現実と理想の狭間で引き裂かれる現代人の姿を映しています。ローラを照らす灯火は、夢か、幻か、それとも戦火の前触れか――。2025年の今、私たちはこの“静かな崩壊”の物語に、どのような光を見出すのか。

 
詳細は公式サイトで。
https://www.ikenoshita.com/topic.html

(文:エントレ編集部)

舞台『ガラスの動物園』

【作】テネシー・ウィリアムズ
【翻訳】小田島雄志
【演出・美術】長野和文

【出演】
稲川実加 SUMIO 青木五百厘 岩切チャボ

2025年12月12日(金)〜14日(日)/東京・劇場MOMO

公式サイト
https://www.ikenoshita.com/topic.html

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