チェルフィッチュ× 藤倉大 with アンサンブル・ノマド 『リビングルームのメタモルフォーシス』が9/20(金)より東京芸術劇場 シアターイーストにて日本初演
『リビングルームのメタモルフォーシス』メインビジュアル 宣伝美術:岡﨑真理子(REFLECTA, Inc.)
チェルフィッチュ× 藤倉大 with アンサンブル・ノマド 『リビングルームのメタモルフォーシス』が、9/20(金)より東京芸術劇場 シアターイーストにて日本初演を迎える
本作は、毎年5〜6月にオーストリアの首都・ウィーンで開催されるヨーロッパ最大級の芸術祭 ウィーン芸術週間(Wiener Festwochen)から、岡田利規が全作品の脚本と演出を務める演劇カンパニー・チェルフィッチュに、藤倉大と現代音楽アンサンブルのクラングフォルム・ウィーンとのコラボレーションによる音楽劇の新作の委嘱があったことからはじまった。
昨年5月に世界初演を迎えた本作が、東京芸術祭 2024 にて日本初演となる。
世界初演(Wiener Festwochen 2023)より (C)Nurith Wagner-Strauss
2021年から始まったクリエーション過程では、演劇と音楽の新たな関係を探るべく、戯曲の執筆と音楽の作曲が同時進行で行われ、2021年11月に開催した東京でのワークインプログレス公演では、クラングフォルム・ウィーンの映像出演による試演と、アンサンブル・ノマドの生演奏による試演の両方を実施。
その後、楽曲制作と戯曲執筆のためのワークショップ、最終クリエーションを経て、2年間の創作プロセスの集大成として、2023年5月にウィーンで世界初演、その後ヘレンハウゼン芸術祭とオランダ・フェスティバルでのツアー上演が実施された。
日本初演となる東京公演では、東京芸術劇場「ボンクリ・フェス」の常連で藤倉からの信頼も厚く、2021年からのクリエーションワークショップをともにしたアンサンブル・ノマドが出演。
賃貸契約の一方的な破棄により、住む家をいきなり追い出されそうになる家族の物語だが、次第に人智の及ばない強大な力が見え隠れし始め、その問題自体が舞台上から消え去り——人間の世界を圧倒する存在が上演を支配し、まったく新しい世界が舞台上に立ち現れる、という構成で、演奏家が舞台空間を共有し、演劇と音楽のパフォーマンスを舞台上に並置することにより、双方が溶け合った先にあるフィクショナルな空間を生み出すことを目指した”音楽劇”だ。
世界初演(Wiener Festwochen 2023)より (C)Nurith Wagner-Strauss
俳優たちはナラティブとは別の基準によって作られた振付を遂行し、次第に変態し、楽家もまた、楽譜に書き込まれた多彩な技法を用いて音楽を変容させるという。
岡田利規(演劇作家、小説家、チェルフィッチュ主宰)コメント
『リビングルームのメタモルフォーシス』は、そういう題名の音楽劇というより、そういう名の冠された何か、音楽と演劇の拮抗からなる何か、なのです。
ただ、そんなこと言っても通りが悪い。イメージしてもらえない。
なので不承不承、音楽劇、と呼ばれることに甘んじている次第です。こういうのは、時間がかかるものです。
何十年とかかるかもしれない。チェルフィッチュは(きっと、藤倉大さんも)待つつもりです。待つしかないので。
こつこつとやるしかないので。東京公演もそのこつこつの一環です。お客さんに見てもらうことによって世界を変容させることによって。
藤倉大(作曲家)コメント
岡田利規さんとチェルフィッチュの役者さん達と2年掛けて、東京と僕の住むロンドンをネットで繋いで作り上げたこの音楽劇。最初から最後までお互い全く妥協することなく、その上今までにないものができたと思う。
僕がアーティスティック・ディレクターで東京芸術劇場が主催する音楽祭、ボンクリ・フェスに、岡田さんが来てくださり、そこでの経験がこの音楽劇の最後の部分に反映されている、とおっしゃっていた。
まさにその場所、東京芸術劇場で東京公演ができるのは運命なのだろう。
より特別な舞台になると思う。
公演は、9/20(金)〜9/29(日)、東京芸術劇場 シアターイーストにて。
詳細は公式サイトへ。
https://www.geigeki.jp/performance/theater371/
(文:エントレ編集部)
チェルフィッチュ×藤倉大 with アンサンブル・ノマド
『リビングルームのメタモルフォーシス』
【作・演出】岡田利規
【作曲】藤倉大
【演奏】アンサンブル・ノマド
【出演】青柳いづみ、朝倉千恵子、川﨑麻里子、椎橋綾那、矢澤誠、渡邊まな実
2024年9月20日(金)~9月29日(日)/東京芸術劇場 シアターイースト