今回上演される「白い病」はオフィスリコプロダクションの第八回公演。2022年6月にシアター風姿花伝にて上演したものの再演となる。
「白い病」は約90年前に執筆された作品ながらも現代の状況に酷似しており、今の時代に上演する意義があると考えての公演だ。
2022年6月に上演した際はかなりの反響があり、4回公演全て完売、再演を望む声も多かった。
2024年現在、コロナ禍は終息しておらず、ロシアのウクライナ侵攻も続いている中、今一度、平和とは、倫理、道徳とは、立ち返って考えるきっかけとなればというのが企画の意図だ。
1937年、カレル・チャペックにより書かれた作品。
未知の感染症が蔓延し、数多の人々が死ぬ世界に、唯一の治療法を知るという医師ガレーンが現れた。
ガレーンは平和を望み、争いをなくしたら治療法を教えると条件を出す。
しかしその願いは聞き入れられず情勢は悪化、人々は戦争への道を進んでいくのだった。
阿部賢一先生(訳者)
チャペックの戯曲『白い病』は、第二次世界大戦前夜の1937年に発表された。
新型コロナウイルスが猛威を振るい始めた2020年春、『パンデミック』を描く作品の先見性に衝撃を受け、私はこの作品を訳出しはじめた。
だが、その後、ふたたび衝撃を受けることとなった。
「戦争」を描く本作の設定が、ウクライナやガザで現実のものとなったからである。
それゆえ、今回の上演は、この作品の意義を考えるまたとない機会となるだろう。
銀ゲンタ(演出・舞台美術)
私が演出を行うようになって今年で5年目となりました。今の自分達にできる事を誠実に突き詰めて表現をしていくことを心に期し「白い病」の再演に全身全霊で挑戦致します。2年前「白い病」を上演した際とは演出を変え、「わかりやすさ、共感しやすさ」を大事にし、お客様に古典戯曲への抵抗を無くして頂きつつ、迫力のある戯曲の面白さを充分に感じて頂きたいと考えております。また昨年から本格的に舞台美術の制作を始め、今作でも空間を活かしながら、しっかりと世界観をお届けできるよう一生懸命、心を込めて創りたいと思っております。
本作は2024年5月29日(水)~6月1日(土)に、スタジオあくとれ(東京中野)で上演。
詳細は公式Xで。
https://twitter.com/officeriko
(文:オフィスリコプロダクション 監修:エントレ編集部)
オフィスリコプロダクション第八回本公演
舞台『白い病』
カレル・チャペック作 阿部賢一翻訳 銀ゲンタ演出
日時:2024年5月29日(水)~6月1日(土)
劇場:スタジオあくとれ
主催:オフィスリコプロダクション株式会社
出演者:小山蓮司・小笠原游大・銀ゲンタ・城戸健太・末次由樹・西田来華・北田万里子・黒瀬巧・村木開・山本悠貴・渡邉秀夫・香川耕二
スタッフ:演出・舞台美術 銀ゲンタ / 照明 針谷あゆみ / 音響 中島鉄平(:Aqua mode planning:) / 演出補佐 北田万里子
美術協力 桜井咲黒(虚飾集団廻天百眼) ワタナベユウキ(虚飾集団廻天百眼)/ 舞台監督 銀ゲンタ / 宣伝写真 井場央貴
宣伝美術 山本パール / 広報協力 由井柾 西田来華 / 制作 Muu
5/29(水) 14:00/19:00
/30(木) 14:00/19:00
/31(金) 14:00/19:00★
6/1 (土) 13:00/17:00
★31日19:00終演後アフタートークがあります!
登壇:翻訳 阿部賢一先生と出演者