本作は長塚圭史の演出で『音のいない世界で』、『かがみのかなたはたなかのなかに』、『イヌビト~犬人~』と、「こどもも大人も楽しめる」シリーズの第四弾。
『モグラが三千あつまって』は1975年に発表された児童文学で、現在の世界情勢にも通ずる、動物たちの攻防戦が描かれている。長塚圭史がこどもの頃に読み、衝撃を受け、いつか舞台化したいと長年あたためてきた。物語を通して平和への願いが貫かれ、あらゆる世代の観客に、「今」、伝えたいメッセージが詰まっている作品だ。
振付は、これまでの「こどもも大人も楽しめるシリーズ」すべての作品の振付を手掛けてきた、近藤良平。音楽は『イヌビト~犬人~』に続き、阿部海太郎が手がける。
出演は吉田美月喜、富山えり子、小日向星一、栗原 類の4名。
プレビュー公演を経て、7月14日(金)に新国立劇場 小劇場で開幕した。
舞台『モグラが三千あつまって』(左から)富山えり子、小日向星一 撮影: 引地信彦
STORY
南の海に浮かぶ三つの島。
北の島に住むモグラ族は自分たちで食べ物をつくることに成功したが、西の島に住むネコ族、東の島に住むイヌ族は毎年モグラ族からタロイモを盗んでいた。
いつまでも負けてばかりはいられないモグラ族は知恵もののマチェックと度胸のあるバンゲラ親分を中心に、戦いに備えて大きな地下都市をつくり始める。
ある日、やきいも隊長に率いられたイヌ族が攻め込んでくるが、モグラ族は知恵をふりしぼって見事にイヌ族を追い払う事に成功する。
しかし、勝利に酔いしれ、すっかり眠り込んでいたモグラたちの島へ、今度はガンペッタ王率いるネコ族がタロイモを盗みに攻め込んでくる……。
上演台本・演出 長塚圭史コメント
子供の頃読んだ私にとって特別なこの本を、凡そ40年後、これほど豪華なクリエーターと、可能性に満ち溢れた4人の魅力いっぱいの俳優と、全力で情熱を注いでくれるスタッフたちと共に立体化できるなんて!全くもって夢のようです。世界中の少年少女に伝えたいです。大人になるのも捨てたもんじゃないぞと。この気持ちは初めてです。
非常に豊かな創作期間を与えてくれたこと、そして2012年よりこのシリーズを続けさせてくれたこと、新国立劇場に心より感謝致します。力強い作品になったと思います。是非劇場へいらしてください!
公演の詳細は公式サイトで。
https://www.nntt.jac.go.jp/play/mogura/
(文:エントレ編集部)
舞台『モグラが三千あつまって』
【原作】武井 博 【上演台本・演出】長塚圭史 【振付】近藤良平 【音楽】阿部海太郎
【出演】 吉田美月喜、富山えり子、小日向星一、栗原類
2023年7月14日(金)~30日(日)/東京・新国立劇場 小劇場