2020.12.22  33

楽劇座・関口純のクリエイターズファイル1 ゲームの人・五條隆将(株式会社セガ)


 ≫広告掲載のご案内


楽劇座・関口純のクリエイターズファイル1 ゲームの人・五條隆将(株式会社セガ)
楽劇座・関口純のクリエイターズファイル1 ゲームの人・五條隆将(株式会社セガ)
 

楽劇座・関口純のクリエイターズファイル1 ゲームの人・五條隆将(株式会社セガ)

 この対談は、世の中にまだコロナの「コ」の字も蔓延していない、それはそれは大昔の昨年、2019年9月30日に収録されたものです。本来は年始に公開予定だったのですが、あれよあれよという間に世の中の自粛やら緊急事態宣言といった波にさらわれ、気がつけば向こう岸一歩手前、年末公開の運びとなってしまいました。そんなこんなで当時と今とでは私たちを取り巻く環境・状況も、好むと好まざるに拘らずかなりの部分で変化しており、この後に予定されていた他のクリエイターの方々との対談スケジュールも、私たちの世界の新しい行動基準に則して、現在のところ見送ったままとなっております。といった訳で、当対談の内容も今となってはすでに前時代感・・・「マスク」も「三密」もコロナの「コ」の字すら話の何処にも出て来ません・・・がないでもありませんが、100年後?のクリエイター諸君には、ビフォー・コロナ時代の最後の記録としては却って面白いかもしれません。変わりゆくものが有れば、変わらぬものも有る・・・もしかしたら、この“変わらぬもの”こそクリエイトの神髄なのではないだろうか? 

 
その人との出会いは劇場の客席にあった・・・。

 劇団創立以来、私は楽劇座の定期公演では毎回欠かさずキーボードを生演奏している。以前、私のブースは客席の後ろに位置し、そこから否が応でも客席の様子を窺い知ることとなる・・・客席が分かり易く盛り上がる様な作品&ノリの良い観客という好条件が揃えば話は別だが、そうでもない場合・・・相当な楽観主義者を除外すれば、これは作・演出家にとっての“ある種の地獄”である。通常の神経の持ち主ならば間違いなく疑心暗鬼を誘発せざるを得ない環境である。まあ、こうした感覚と創立以来の全公演で対峙している訳だから、そろそろ慣れても良さそうなものだが・・・。だが私の場合、それだけではないのだ。 そう、それは同級生全員が“常識”という名の下に、敢えて個性を殺すかの如く、同じ方向を見つめる後ろ姿に戦慄を覚えた“教室の一番後ろの席の感覚”に似ている。まるで“お行儀の良いのっぺらぼう”の修学旅行に参加している様な気分にさせられてしまうのだ。

 
 さて、そんな中にあって、客席がどんな状況の場合でも自分の感性で笑い、頷き、音楽が流れれば、その一際大きな背中を左右に振ってリズムを謳歌しているその男の後ろ姿は私の脳裏に強く刻まれる事となった。いわば創造的な観客である。

 観客として創造性を発揮するにも才能は必要なのだ。ピーター・ブルック風に言えば、演劇は①出し物②演じる者③観る者、それらが出会う④空間があれば必要最低限成り立つ訳だが、まさにこの最重要ファクターの一つ“観る者”として、本質的に観客が演劇創造それ自体に参加しているのは間違いない。

 
 その“創造的な観客”に話を戻そう。そう、その“創造的な観客”こそ五條隆将氏であった。毎公演、その気になる観客は創造性を発揮してくれた。もうこうなると“観客”という名の出演者である。

「あの人、誰だろう?」

 
ある日、ウチの劇団の者に尋ねてみた。紆余曲折、どうやらゲームを仕事にしているらしいの由。

 
実は、私はゲームをやらない。世代的には結構珍しい種族に属する。十代の頃、ゲームに詳しい友人に「プロ野球ゲーム、面白そうだな。買おうかな・・・」などと打ち明けると「純みたいな凝り性があんなのやったら、他が何にも手につかなくなるから絶対止めといた方がいい!」と忠告され、それ以降、その忠告を固く守る事となったというか・・・まあ、それ以降、なんとなく機会を失って今に至るというのが正確なところ。さて、それは兎も角、そんなこんなで「あの“創造的な観客”=五條隆将氏は、やはり創造者=クリエイターだったのだな」と納得したのでした。

ちなみに“五條”という苗字ではありますが、ウチの看板女優・五條なつきとは全く以って赤の他人様でございます。親族でもなんでもありません。これが山本、もしくは鈴木、佐藤、も一つオマケに田中!といった苗字ならばそのままスルーですが、これが“五條”となるとそうはいきません。即ち、それぐらい珍しいお名前だと。当然、なかなか自分と同じ名字の人物と会う機会も少なく、独自のアイデンティティが育つであろうことは容易に想像がつくというものです。クリエイターとしての感性が育まれるにはなかなか恵まれた環境=名字かと思われます。

 
まあ、そんな訳で、

「クリエイターとは、クリエイティブな生き方をしている人のことではないのだろうか?」

という仮説を検証すべくクリエイターズファイルを敢行してみたいと思いついた次第であります。ハイ!

 

五條隆将 プロフィール

ゲームプロデューサー。
PCオンラインゲーム「リネージュII」、「ブレイドアンドソウル」のプロデューサー、運営ディレクターを経て、現在は株式会社セガにてスマートフォンゲームの運営に関わる。

 
関口純 プロフィール

劇作・演出・作曲家。

2010年の楽劇座創立以降、芸術監督として自ら脚本・演出・作曲・演奏を担当。新作書き下ろし作品を中心とした8年間に及ぶ毎月連続公演を経て、2020年2月には通算100回目となる定期公演が上演された。また、アーティスト活動の傍ら、法政大学地域創造システム研究所特任研究員として“芸術創造と社会活動の互換性”の研究に従事。

 

関口 DTM(デスクトップミュージック=パソコンによる音楽制作)始められたそうですね?

五條 そうなんです。小さい頃から創造することは好きだったので、これまでも何度かDTMに挑戦する機会はあったのですが、それ以上にゲームが好きで・・・

関口 ほう

五條 それこそ関口さんじゃないけど、やったらどハマりする人間だった訳ですよ(笑)

関口 ハハハ(笑)

五條 今でこそゲーム会社で仕事をしていますが、この業界に来るまでは様々な仕事をしてきました。生まれ育った名古屋には、自分が目指したかったゲーム会社が無かったというのも理由ですが、創造することを職業にしたかったので、デザイン系の会社に就職しました。

関口 デザインというのは、具体的にどんな・・・

五條 グラフィックデザインですね。当時は、印刷の現場に本格的なデジタル化の波が来ていて、Macを中心とするDTPが成熟してきた頃でした。企業の会社紹介、業界の広報誌なんかを中心に、Adobe系のソフトを勉強しながら仕事をしていました。薬品関係の仕事では実際に薬品を撮影して、現像に出して・・・デジタルカメラは高価でしたのでありませんから(笑)、フィルムをスキャンしてデータ化するのですが、埃がつかないように気をつけながら・・・

関口 (空気をかけてゴミを除去する動作をして)シュッシュッって?

五條 そう、シュッシュッやったりとか(笑)さらに取り込んだ画像を Photoshopで補正したりとか・・・。そんな仕事も凝り性の私には面白いものでしたが、スキルばかり上がっても、本当にやりたいこととは違うと感じていました。

丁度インターネットが普及した頃で、オンラインゲームにハマってしまい・・・子供の頃からの夢であるゲーム会社で働きたいという想いが再燃し、上京して転職しました。

なぜゲームが魅力的に見えたかと言うと、自分が子供から成人するまでに、ゲームもどんどん進化していく様子を見て、大きな可能性を感じたからです。

コンピューターの性能が向上し、昔は真っ黒の画面で飛んでくる球を打ち返していたゲームが、今では映画に迫る表現を可能にしています。そんな無限の可能性を秘めるフィールドで仕事がしたいと思っていました。

ゲームに流れる音楽の表現も向上し、音楽の力というものも実感しました。なので、音楽にも凄く興味がありました。

家にはキーボードがあったので、聞こえてくる音楽を真似して弾いてみたりしているうちに、何となく弾けるような感じにはなっているんですけど、独学なので限界を感じますね・・・。最初に触ったDTMはPC-9801時代のFM音源でしたね。

関口 NECの・・・

五條 そうです。その頃はまだ中・高校生で使いこなせませんでしたが(笑)でも今のソフトは格段に使いやすくなっているし、音の表現も素晴らしいので「もう一回チャレンジしてみようっかな」って、最近また始めています。

関口 もうちょっと前でも、既に随分使い易くはなっていましたけどね(笑)

五條 最近になるまで、仕事の事で頭が一杯でしたから。ゲームで成功するのって難しくて、それも開発費に見合う成功って相当なものでして。

最近は、課金で高価値なキャラクターを獲得するといったビジネスモデルが主流でして、このモデルを採用する限り、ゲームの構造が似たり寄ったりになります。個人的にはもうそろそろこれをゲームと呼びたくないのですが。

関口 要するにガチャガチャなんですね。

五條 はい。昔のように数千円でソフトを売ったら終わりではなく、ゲームを更新し、継続してプレイしてもらうものがほとんどです。うまくハマれば本当にすごい収益になります。

関口 だから球団持てちゃったりとかするんですね。

五條 もちろん、そうしたビジネスモデルであっても、楽しんでもらえるものを一生懸命作っています。が、なかなか脱却できていない・・・

関口 成功例があるが故の・・・成功者の悲劇。

五條 売上目標は当然のように上がっていきますので、苦悩しているクリエイターは多いと思います。

関口 僕の好きな俳優の山崎努さんが本の中で、好きな仕事をしていく為には「生活水準を上げないことだ」と発言されていて、全くその通りだと思う訳です。ただ、個人の芸術家とは異なり、企業の場合はなかなかそうはいかないでしょうからね。何億円、何十億円を相手にしている企業が「今回は好きなこと出来たから1千万円でOK! 皆さん、今年度はお昼の外食やめましょう。自炊で!」とはいかないですもんね。

五條 もちろん、売上は大切ですけど、そこに執着しすぎてもね。

関口 クリエイティブとビジネスに関する“成功すればするで大変“の見本の様なお話です。

五條 お客様とゲーム内やTwitterで会話するとよく分かるのですが、結局はお客様は楽しんだ分の対価を支払ってくれる訳です。だから、そこを追求したいと思うし、まだまだ出来ていないので、今もゲームの現場にいます。クリエイター層は面白いものを創ろうとするんですよ。

関口 そうでしょうね。

五條 自分が創ったもので誰かを楽しませて、笑顔になってもらいたい。でも、まずは自分が楽しまないとそれを提供できないと思い至り、プライベートで色々やり始めてるんです(笑) 例えば、演劇(五條氏は以前アマチュア劇団に所属していた)もその一つです。未知の世界で得た経験が本業に活かせないか?という目線です。キャストも楽しんでやらせていただいたんですけど、稽古にあまり参加出来ず迷惑をかけたこともあるので、今は主に音響をやっています。作曲家ではないので、場面に合いそうなフリーの楽曲を使うんですけど、やっぱり納得がいかないんですね。

関口 (笑)

五條 一見、成立している様には見えるんですけど、全然納得いかない音楽を鳴らしている自分が許せなくって。凝り性なものですから(笑)

関口 (笑)

五條 という経緯で、最初の話になりますが、やっぱり音楽もやろう!となった訳です。そして、スキルが上がって、もし求めてもらえたらゲームの現場でも音楽に関われたらいいなと。

関口 それって、本業に活かす云々抜きにして、それ自体が既に立派なクリエーションな氣がするんですね。最早、そういう意味では例えば音楽を創るのも五條さんのクリエーションの一つで、そっちは趣味でゲームが本業というよりも、“五條さんのクリエーション”として成立している様に思われるんです。

五條 そうかもしれないですね。

関口 専門職としての技術が大切なのはもちろん百も承知なんだけど、敢えてそういう部分、技術云々は抜きにして、全体としてのクリエーションとして成立しているというか・・・。いわゆるプロの音楽家としてのそれとは別な形ではあったとしても、五條さんの音楽への感性は五條さんのモノ創りにそれ相応の役割を果たしているという意味で・・・もちろん演劇も。美術以外の仕事も精力的にこなした岡本太郎さんは本職を問われて「人間」と答えたと言いますが、まあ人間が職業かどうかはさておき(笑)、言わんとしていることは僕にもよく分かる様な気がします。僕自身、演出家? 文筆業? 音楽家? プロデューサー?などと昔からよく聞かれ続けてきました。みんなそれほど僕に興味もないくせに(笑) 特定の職業でその人物を判断しようとするのは全くもってナンセンスだと思っています。評価すべきは“全体としての人間”と言ったところでしょうか。

五條 僕も本業という言い方はしていますけど、それがゲームである必要は全くなくて、自分が関わったもので誰かの心をちょっとでも動かせられたらいいなというマインドでやっています。

関口 これは聞いた話なんですけど、最近、老舗の某音楽大学で今までみたいなクラシックの技術を学ぶ作曲科というのを廃止しようという動きがあるそうなんです。で、その代わりにゲーム音楽科とか音楽プロデューサー科なんていうのがいいんじゃないかと。クラシックのオーケストラ楽曲なんて書けても需要がないと。それより何より、クラシックの作曲なんて興味ないけどケーム音楽の作曲家になりたいという子が増えている。だからゲーム音楽科とした方が生徒が増える。演劇で言えば声優科なんていうのがそれに当たる訳です。まあ、確かにそういう部分はあるかもしれないけど、僕としてはそれはちょっとどうかと思うんです。例えば、オーケストラの音楽なんて将来書かないかもしれないけど、そういった一見無駄だと思えるようなこと(勉強)が、人によってはそれこそゲームの音楽だったり、そういった一見関係なさそうな所で面白いものを生み出す要因になったりするんじゃないのかなと思ったりする訳です。「ゲームの音楽はこうやって作るんですよ。さあ、それでは皆さん、ゲーム会社に就職してゲーム音楽の作曲家になりましょう!」みたいなのはちょっとどうかなと思うんです。それじゃあ、ちょっと・・・つまらないものになっちゃうんじゃないかと。

五條 そうですね。一見関係ない経験が色んなところで活きますよね。その人が見てきたものが、その人の全てだと思います。ゲーム開発に特化した学科は確かにありますけど、そこを卒業してすぐに面白いゲームが作れるとは思わないですね。ゲームらしいものは出来るでしょうけれど。ただ、分かり易くはありますけどね、そういった学科名だと・・・ここに行けばゲームが作れるようになるのかな?みたいな(笑)

関口 でも本来は、ゲーム音楽ありきじゃなくて、先ず音楽があって、それがこうゲーム音楽だったりオーケストラだったり、ポップスだったりする訳じゃないですか。

五條 そうですね。もう既にゲーム音楽というジャンルというよりは、そのゲームやシーンに合った音楽を作りますね。映画と変わらないんじゃないですかね。

関口 そう思うんですよ。当然、個人を超えたその分野特有の経験値みたいなものは確かに必要だったりするんだけど、一見、全く関係のない様に思われるものも必要かと・・・僕はいつもこれを「芝居から芝居が創れるとは思わない」という風に表現しているんですが、ゲームもそうじゃないですか? まあ、ただ単に作るだけなら作れるだろうけど、面白いものを創ろうとすると・・・。

五條 そうだと思います。

関口 だから僕は、音楽には詳しいけど他のことは全く知らない、知ろうともしない音楽家であるとか、芝居にしか興味がないから「他のものは全く観ません」なんていう演劇人とか、そういうタイプの人をあまり信用していなくて・・・。

そういう意味で、僕は五條さんを面白く思ったというか、その仕事の仕方に興味を持った訳です。演劇を始めてみるとか、音響やってみるとか、更にはそれだけでは飽き足らず自身の納得いく音楽まで創ろうという(笑)。一見、ゲーム創りには直接関係ない様なものかもしれないけれど、そういった色々なものが五條さんの中で集まって、ゲームという世界にアウトプットされている様なイメージかなあ。

五條 色々なものの良い部分だけでなく、悪い部分も含め、自分の中でミックスしていく素材を色んなところから拾いたい。でも何から吸収したらいいんだ?となるとちょっと分からないので、とりあえず演劇(笑)

関口 (笑)

五條 仕事に対する姿勢にも現れると思います。どこまで突き詰めるか。定時で帰りたいから「これでいいや」と切り上げることは自分はしたくないです。最近は歳のせいかすぐ疲れるので自信はなくなりつつありますけど(笑)

関口 思うんですけど、今、ブラック企業ってあるじゃないですか? でも“モノ創り”って基本そういうところありますよね(笑) 別に誰に強要される訳じゃなくても。

五條 弊社はフレックスで、コアタイム(10:30〜15:30)仕事していれば原則OKです。

関口 いい会社だなあ(笑)。

五條 でも誰も15:30で終業する人はいません。むしろ遅くまで熱中して創ってたりします。でも誰もブラックだとは思ってないんじゃないかな。

関口 (笑) でも、それ言ったら僕たちもそうで、極端なこと言えば、道歩いてても作品のアイディア考えたりしている訳で・・・実際、ローソン100の前でiPhoneのメモ機能にセリフ打ち込んだかと思えば、稽古中に台本の裏に五線を引いて思いついた楽想をメモしたり。本来、“モノ創り”ってそういうとこあるかと・・・。

五條 そうですね。

関口 ワークライフバランスってよく言われますけど、モノを創る、クリエイティブな仕事っていうのは、いわゆるワークライフバランスっていうのとはちょっと違うのかなと思うんです。

五條 合わないと思いますね。

関口 ワークアズライフって言った人がいるけど、確かにそうだなと思うんです。要するに人生そのものが仕事だったりして。ワークとライフみたいな境界線がないんですよね“モノ創り”って。だから何時から何時までっていうのはちょっと・・・でも最近、そういったことを志向する子が増えてきた様に思うんです。何時から何時まで演劇やって、それで有名になりたいみたいなね。「明るいうちに帰りたいんですけど」みたいな(笑)

五條 むしろ逆ですもんね。自分から時間を作って、突き詰めないといけない世界だと思うので。

関口 そう! 僕の方が「お願いだから帰らせて!」っていうぐらいが丁度いい。昔はそういうこともあったんですけど、最近はあまりないなあ・・・「私、ちょっと残ってこれだけやっていきます」とかね。

五條 会社も法令を遵守しますから「これ以上は残業だめ!」と、ブラックにならないように配慮してくれます。終業後に止むを得ず仕事した場合も「ちゃんと申請してね」と。でも、クリエイティブの現場でそんなこと言い出したら、満足いくものは生まれない。

関口 芝居もそうですね。

五條 “会社員の仕事”と捉えている人には当然かもしれないけど、「良いモノを創りたい!」と思っている人には合わない。

関口 そもそも本来、そういった“いわゆる会社員”的な人には向かない仕事ですよね。

五條 と思いますね。

関口 大体、モノを創るって、何処で終わらせるかってのが一番難しいじゃないですか?やろうと思えば永遠とやっていられる。

五條 そう、永遠なんですよ。

関口 それを何処かで我慢するというか、何処で手を打つか・・・何処で筆を置くかってのが創り手的には一番辛いところで・・・。

五條 辛いですね。

関口 でもそれが逆になると変な感じですよね。「何時までに終わります?」とか(笑)そこじゃないだろ!って。

五條 今のゲームは更新が出来るので、今回無理でも次回入れられるっていうのもあったりしますけど・・・。

関口 それはいいですねえ。

五條 良い面でもあるのですが、それはそれで甘えになっちゃうみたいな。

関口 アップルなんかでもハードとソフトの担当者でその辺りが違ったりなんていう話は聞きますよね。ハードの担当者は発売時の完成度に拘るし、ソフトウェアの担当者は更新ありきで発表後に完成を目指すみたいな。

五條 個人個人が拘っている部分や目標が違うので、プロジェクトとしてまとめるのって大変だなと思います(笑) やりたくても出来なくて悔しい思いをした部分を、取材で記者から「なんでやらなかったんですか?」とか聞かれると「やりたいんだよ、こっちも!」ってなる(笑)

関口 それはありますよね。で、難しいと思うのが、もちろんそういった次元の問題もあるんだけど、芝居なんかやってると、まあ、僕は演出する訳ですよね?で、まあこれは役者さんのせいにする訳ではないんだけど、演出通りに出来ないことがある訳ですよ・・・まあ、それも結構な頻度で(笑)。でも、それを観たお客さんにはそれが全てなんですよ。

五條 そうですよねえ・・・。

関口 だから昔、自分も観てる側の時は「なんでこんな演出するんだよ!」とか思ったり・・・そういう生意気な時期って一度は通るじゃないですか?(笑) でも実際、自分でやってみると・・・。まあ、本当に演出の失敗ってのも中にはあると思うんだけれども、今は他人の芝居観てる時なんかでも「これは分かんないなあ」ってのが沢山ある訳ですよ・・・演出の失敗なのか、演技の失敗なのかが。本当は自分ではこうしたいと思ってちゃんと指示してても、結果としてそれが反映されない時もあるし。散々苦労して演出したのに、当の演出や台詞が飛ばされちゃうとか・・・あれが辛いんですよ。最近は慣れましたけど。

五條 台詞が飛ぶのは完全に“情報が欠ける”ってことだから辛いですねえ。上手くフォロー出来る内容ならまだいいですけど(笑)

関口 演出家殺すにゃ刃物はいらない(笑)

五條 (笑)

関口 そういった意味では映像系の人が羨ましい。上映の度に演技が変わることはないし、延いては演出も変わらないから。

五條 そうですね。

関口 演劇ってナマモノなので・・・。だからシェフなんかも苦労するんだろうなあ。「良い金目鯛が入らない!」みたいな。

五條 本当に出したい味を提供出来ない!みたいな(笑)

関口 「俺はこんなじゃない!」みたいな(笑)音楽なんかもそうで、生楽器で生演奏なんてのはちょっとそういうところがある。下手な奏者相手の場合、苦労するのは目に見えているけど、かといって、どんなに上手い奏者が来たとしても、必ずしも自分の思い通りに演奏してくれるとは限らない。だからそんな時はスタジオに籠って一人でシンセサイザーやコンピューター相手に録音している方が良いとか思っちゃうんだけど、しばらくすると人恋しくなると言うか(笑)

「なんで俺、一人で永遠とこんなことやってるんだろ?」っていう気になる。あれはなんなんだろうなあ・・・。だから五條さんがTwitterでファンの人とコミュニケーションをとるってのは・・・まあ、心ないことを書く人も居るんだろうけど。

五條 そう言う辛辣なことを言ってくる方とゲームの中で2時間ぐらいチャットで話したことがあるんですけど・・・

関口 それは親切ですねえ(笑)

五條 想いがお客様に届いた時に「なるほど」と思って下さるところもあるみたいで・・・最終的には理解してくれました。

関口 そもそも、2時間も相手してくれる人なかなか居ないですよ(笑)

五條 気持ちを分かってもらいたい(笑)それに会話することで色んなヒントを頂くことも多いです。

関口 でも、そうやってお客様と直接コミュニケーションをとるのは良いことかも知れませんね。だって、お客様の顔が分からないまま、毎週上がってくる数値だけ見て“モノを創る”ってのはちょっと怖いかも。

五條 そうなんですよね。会議だと数字の報告ばっかりで。コミュニティにはは厳しい言葉もあるので、みんな見たがらない訳ですよ。

関口 まあ、そうですよね。

五條 まあ、それも分かるんですけど、そこは見なくちゃいけない。創り手がお客様のことを無視して、独りよがりなもの創ってもしょうがないのでね。満足してもらわないといけないので。

関口 そこ、難しいですよね。技術屋さん(開発する人)ってテクニック的に「ほら、俺こんなすごいことやってるぜ! ほら、ここ見て!」みたいなところが・・・

五條 わかります。

関口 音楽なんかでもあるんですけど、「ほら、このストリングスのアレンジ! これ今、俺のほかに日本で出来る人いる?」みたいな(笑)

五條 そこは突き詰めた人じゃないと解らない世界ですよね(笑)普通「そうなんだ」で終わっちゃう(笑)

関口 ほら、もともと好きでやり始めたってとこあるから・・・自分の為というか(笑)。でも「じゃあ、それだけでいいのか?」ってなると、やっぱりお客さんっていうのがいないと・・・ってのもあって。でも、技術的なことに関しては、やればやるほどプロにしか解らない領域に行くんで・・・。

五條 そうですねえ・・・。

関口 だから開発してる人とかは(「真っ直ぐ」を手で表現して)こうでしょ?

五條 ゲーム体験は変わらないけど、裏側の処理を改善したなどはお客様に見えない部分ですからね。だから寂しさはあると思います。

楽劇座スタッフ 「マカロンちゃんの憂鬱」という作品で「スイパラ」(主題歌「Sweet parapara Paradise」)創った時、関口自身は「こんな単純な曲、今まで創ったことない!」って言ってたんだけど、蓋を開けてみれば、すごく評判良くってCDなんかも思いのほか売れちゃったりして(笑)

関口 「あれいい曲ですよねえ」とか「あの曲にはポテンシャルがある!」とか言われちゃったりして(笑) あんなドミソの曲なんて13歳以来書いてないぞ俺みたいな。

五條 何かが宿ってるんですよ(笑)

関口 あれはビックリした・・・

五條 それを聴かせるタイミングとかもあるんじゃないですか? 音楽のイメージとして。

関口 まあ、そういうのあるんですよねえ・・・でもまあ、誰も聴かないよりは「これいい曲ですね」って言ってもらえる方が良いのは良いんですけどね。

五條 良いと思いますよ。

関口 「難しいなあ」と思ったのが、最近、特に感じてるんですけど、モノ創るってことには凄いジレンマってのがあって・・・。それはね、いわゆるマスコミの仕事とかやってる時は「クリエイティブじゃない」とか思ったりしてたんですよ。技術的にもそんな面白いことやれる訳じゃないし・・・。ところが「ちょっと待てよ」と思うことがあって・・・さっきのゲームの売れる売れないの話にも通じるところあるんですけど・・・まあ、あんまり具体例を出しちゃうとマズいんだけど(笑)・・・かつて有名ドラマに出てるタレントなんかのプロデュースをやっていたことがあるんですけど、そういう時って“その子自身”というよりも、「こういうイメージで出そう」みたいなのがあって、下手すると僕が彼女のコラム書いたりすることなんかもあって、全部とは言わないまでも結構手直ししたりして(笑)。まあ、いわゆるゴーストライターもどき。で、そうすると、それを読んだ人からファンレターが来たりするんです・・・僕が書いてるとも知らずに。「〇〇ちゃんは僕の理想の女の子です!」なんて具合に。そりゃそうですよね? 男から見た理想の女の子を書いてるんだから(笑)

五條 すげえ(笑)

関口 自分が書いたものに全国の男の子から「理想の女の子です!」とか「好きです!」みたいなのが来てちょっと複雑というか・・・気持ち悪いものがあるというか(笑)

五條 面白いじゃないですか(笑)響いてるなあ。

関口 まあ、面白いと言えば面白いんですけど・・・。で、例えば、番組の放送が終わった直後に、新しい写真や動画、音楽、メッセージなんかをアップしたりして・・・今じゃ当たり前ですけど。当時、まだ今ほどインターネットなんかも盛んじゃない頃で、大手の芸能事務所ですらまだあまりオフィシャルページがなかったりした時代なんです。ましてやYouTubeなんかはある筈もなく・・・そんな時代に今考えると結構、斬新なことをやっていた。

五條 僕もその頃、Webの仕事してました(笑)

関口 と言うのも、当時、友人がWebデザイナーだったりなんかしてたこともあって、僕もちょっとネット関係の仕事したりして・・・アイドルのプロモーション動画なんかの音楽書いて演出したり。確か、運営してたのは大手企業の関連会社だったと思うんだけど、社会党(当時)の土井たか子さんの動画かなんかを配信したりしていたサイトが、第2弾としてアイドルのコンテンツを作ろうみたいな感じだったかしら。今考えると振り幅が・・・(笑)。まあ、それはともかく、そういったコネクションなんかもあって、正月、1月1日の0時にオフィシャルページのトップ画像を「着物姿に変えてくれ!」とか贅沢が出来たんです。多分、何処かのWeb制作会社に仕事としてそんなこと頼んだら莫大な金額がかかったんでしょうけれども、幸い無料でお願い出来た(笑)。で、そういったことに皆さん(ファンの人)、実に見事に反応して下さる。で、それって自分では全然クリエイティブだとは思ってなかったんですよ。ずっとクラシックの音楽なんてのを書いていたりした人間からしたら。正直、「何やってるんだ俺」とか思ってた・・・下手すると、「ちょっと情けない」ぐらいな感じ。でも、今考えると「結構あれ、クリエイティブだったんじゃないかなあ?」と。

五條 うんうん。

関口 でもその時は、そういったマスコミ的な世界は「もういいや!」ってなって、自ら芝居、その中でも特にインディペンデントな世界に活動の場を移すことにして来年 (2020年)で10年経つんですけど、ところがやっぱりメディアの力って大きくて、凄く色んなところに届くんですよね。

五條 みんな見てますからねえ。

関口 そう。だから今考えると、そういった意味でマスコミの世界も「面白かったなあ」と思うんです。でもまあ、今やってるルーシーみたいなのをあのままテレビで放送するのは無理なんで(笑)

五條 そうですね。もうちょっとマイルドにしなきゃいけないかもしれませんね(笑)。

関口 だからこの前、1話だけ丸々ネットに載っけたけど、ほとんどピー音だらけ(笑)

五條 逆に面白いですけどね(笑)

関口 まあ、そういう不自由さはあるんだけれど、ああいう(マスコミ的な)不特定多数の反応ってのは面白いですよね。

五條 面白いと思いますねえ。

関口 マニアックなことをやる人間・・・自分でそう思ってやっている訳では無いんですよ。自分では普通にやっているつもりなんですけど、他人からそう言われるだけで・・・としては、相反する二つの力のせめぎ合いみたいなものがあって、マニアックだから小さなコミュニティでやれば良いのかというと、必ずしもそうではなくて、むしろ、マニアックなことをやるためにこそ、大きな市場が必要だったりもするんです。マニアックなものこそ、凄い数の色んな人にバーっと情報が行った方がいいんですよ。その中の数人が集まれば結構な数になる。

五條 なるほど。

関口 要するに、全体に対して少ない割合なら母数の多い方が望ましい。僕が創ってる作品も、実は僕が予想もしていなかった様な人たちが面白がってくれるかもしれない。今はそうした環境にないからってのもあるけど、マスコミの仕事してる時の方がもしかしたらそういった可能性はあったかもしれない。最近、ほんと難しいと思うんです。ポピュラー音楽なんかも、最近はああやって(楽劇座で)書いてるじゃないですか?

五條 ええ。

関口 でも、かなり前に嫌気がさして「やーめた!」って。

五條 もったいない。

関口 数年前まで全く書いてなかったんですよ。ポピュラー音楽に関して言えば、マカロンやルーシーの楽曲が十数年ぶりくらいですよ。

五條 凄いですね・・・でも、それで・・・ねえ?

関口 いやいや。でも、そうすると意外なところに面白がる人がいたり・・・。

五條 知ってるかもしれませんが・・・楽劇座さんのCDほとんど持ってますよ(笑)。

関口 ありがとうございます(笑)。あれだってもっと安く出来ると思うんですよ、何万枚のマーケットならね。最近、そんな単純なことを考えたりするんです。

五條 全然、安いと思いますけどね。刺さる人にさえ刺されば良いと思うのであれば別に・・・値ごろ感はあると思いますよ。

関口 まあ、そうなんですけどね。

楽劇座スタッフ この間、観にいらしたお客様が、客入れの時に「新宿の女」と「あなたがくれたチーズタッカルビ」がかかってたんですけど、「あの客入れの時にかかっていた曲のCDが欲しいんですけど」って言われて。ああ、気になったんだなって(笑)

五條 客入れの時にかかる曲、僕も聴きながら「ああ、今月もここへ来たなあ」なんて思ってます(笑)

関口 本当は、モノ創りを難しく考えちゃうのはイケナイのかも知れないんだけど・・・

五條 基本的には楽しみたいですよね。創ったものが誰かに分かってもらえたら幸せみたいな。当てに行こうとすると科学的になって面白くなくなるので・・・自分がやりたいものを素直にやりたいと思いますね。

関口 結局ねえ、インディペンデントなやり方で自由を得ようなんて思ったりなんかもしたんだけれども、却って制約が多くなったりなんかもしたりするんですよ。

五條 そうなんですか。

関口 大手の部署なんかで仕事すると・・・まあ、そんな単純ではないんだけど、ある意味、創ることだけに集中出来るんですよ。

五條 なるほど!

関口 自分は、ここ10年ぐらいインディペンデントの世界でやって来て分かったことは、「創ることだけに集中するべきだったな」ということなんです。僕はそっちの人間なんだなと気付かされた。創ること自体は永遠とやってても大丈夫なんです。ただ、それ以外の部分ってのは、普通の人以上に辛いかも(笑)

五條 ハハハ(笑)

関口 ストレスが(笑)

五條 私もそっち側のタイプかも(笑)

関口 だから、そこは昔の方(大きい組織)が良かったかなと。まあ結局のところ、自分が求めるものは自分がいる場所には常に無いものなんだなと。要するに、無いものを求めるんだなと。隣の芝生は青く見えるじゃ無いけど、何やっても・・・「これやれたらいいな」みたいなことがやれたとしても、必ず何かはあるんだろうなと・・・そんな気はします。ずーっと同じこと続けて行くってのが一番苦痛かなあ・・・僕はですけど。だから今なんかも全然違ったことをやってみたいっていうのがあったりします。

五條 継続していくことで、新しいものを取り入れたりもしますから、求めるものが変わって行くのは自然なんでしょうね。僕がゲーム会社にいなから、演劇もやりたいと思うのはそういうことだと思います。音楽もやりたいなあとか。ただ軸はあまり変わってないと思うんです。“人を楽しませたい”ってのは変わらないんです。

関口 なるほどね。僕も“反抗的である!“ってのは変わらない(笑)

五條 アハハハハ

関口 それだけは一貫してるんです(笑)

五條 いいと思います(笑)

関口 いろんな人いた方がいいんで。まあ、それで人が楽しんでくれるならそれが一番いいんでしょうけどね。

五條 僕の場合、ちゃんと“楽しませられたな”と実感出来たら変わるのかもしれません。自分が楽しんできたゲームと同様の感動を他人(ひと)に与えられているか?というと“まだ出来ていない”と思っているので、ゲームから離れていないだけなのかもしれない。その次にまだ行けていないという・・・。

関口 それは僕なんかもあるかもしれない。自分が、何かその・・・まあ、芝居は流れでというと語弊はありますが、気がついたらやっていたみたいなところがあるんですけれども・・・音楽なんかで言えば、子供の頃に感動したもの、そういったものをまだ自分はやっていないというのが強くありますね。で、話はガラッと変わりますが、こだわりの五條さんにはアナログシンセなんかいいんじゃないですか?

五條 触ったことがないですねえ。

関口 ツマミをほんのちょっと触っただけで音色がそのままリアルタイムに変化するので・・・

五條 今持ってるMIDIキーボードも、オプションでツマミが二個付いてるんですけど、パラメーターを変えてウニョウニョ動くのは面白いなと思って遊んでます(笑)

関口 アナログは・・・

五條 あれ、メチャクチャ高くないですか?

関口 高いですよ(笑)いや、安いのもありますけど・・・

五條 多分、どハマりすると思いますよ。一日イジってると思います。

関口 あれはちょっとイジるだけでニュアンス変わりますから。まあ、今はソフトのシンセサイザーなんかもありますけど、やっぱり実物はいいですよ。こだわる方には(笑)

五條 高校の時に「バンドやろう!」って話になり・・・僕の友人は変な奴ばっかりで・・・YMOをやることにしたんです。キーボードを並べて「東風」とか弾いているうちに、「文化祭に出よう」って話になりましてね。校内で審査を受けるんですが、普通はドラムが置いてある体育館のステージでやるんですけど、僕らは実習室(笑)キーボードを並べるだけならそこでいいだろうって。「せーのっ!」ってみんなで弾いてましたよ(笑)昔の、特にセガのゲーム音楽をはじめ、結構、電子音で育っていますね。

関口 僕も子供の頃に影響受けたのはYMOだったりするんですよ。

五條 そうですか。

関口 あれなかったら、音楽やってないかもしれない。

五條 なんかスタート地点がちょっと似てるのかもしれない。全然結果が違うけど(笑)

関口 今でも全部弾けますよ。

五條 それは凄いですねえ!

関口 本番前にチェックや指慣らしやってる時はほぼYMO(笑)

五條 あの機材(関口が楽劇座公演で演奏しているシンセサイザー)あったら弾きたくなりますよねえ。

関口 だってあれ、YMOがワールドツアーやってた時とほぼ同じ機材ですから(笑)

五條 メチャクチャ羨ましい(笑)

関口 あれ、見る人が見るとびっくりすると思います。演劇見に来たはずなのに「何故、ここにある?!」って(笑)

五條 YMOの曲は聴いてましたけど、機材とかまでは知らなかったので・・・でも横目で見て(関口の機材を)、「これは絶対凄いものに違いない」と思って観てました(笑)

関口 いつも「魔法の呪文」(ルーシー・フラワーズの楽曲)で使ってるボコーダーVP-330はYMOの「テクノポリス」の「TOKIO!」と同じものですよ。

五條 あれ、芝居と演奏、どっちを観たらいいか分からなくなるんですよ(笑)

楽劇座スタッフ 今は改装されたので、ステージの後ろで純さんが演奏しているので、芝居も演奏もどっちも観れます(笑)

五條 それは気になってしょうがないですよ、僕(笑)

楽劇座スタッフ ステージの奥、薄い幕越しに純さん演奏してるみたいな。

五條 だって、横に来る前(演奏スペースが)は、ずっと後ろで弾いてたじゃないですか? ずっと気になってましたもん。「弾いてるわ!」と思って。

楽劇座スタッフ もともと大きなホールで演っていた時は、ステージの後ろや少し奥まった真ん中で演奏していたんですよ。結構、芝居関係の方には「あれ、面白いねえ」とか言われてたんですよ。

五條 そりゃあ絶対面白いですよ!

関口 公演が常設小屋のRroseになってから、後ろになったんですよ。音のバランスみるのに良いし、狭いってのもあるし。それで演奏スペースを後ろにしたら、知り合いの劇団の制作の方に「何であれやめちゃったの?」って言われて・・・。まあ、そもそも一番初めは出たくてステージの上で演奏していた訳ではなくて、セットの予算の都合もあったり、まあ時間もなかったしで「じゃあ、シンセサイザー、全部並べよう!」ってことであんなもの(現在の台数)じゃなかったんですよ。5台ぐらい並べてたんですよ(笑)

五條 それをお一人で演奏されてたんですか?

関口 はい

五條 ハハハハハ

楽劇座スタッフ 一人YMOみたいな

五條 じゃあ、あっち行ったりこっち行ったりするんですか?

関口 そうですよ。テルミンなんかもあったりして

五條 テルミンまで?!(笑)

関口 後ろにラックがあるんですけど、僕の背ぐらいあって(笑)

五條 壮観ですね。

関口 そうです(笑) だから「あれ面白かったのに、何でやめちゃったの?」って言われて・・・

五條 それは絶対面白いですよ。またやって欲しいです。観に行きたいです。

関口 まあ、そんな訳でセットの代わりだったんですよ最初は。

五條 代わりというか・・・間違いなく見応えはあるでしょうけど。

関口 そんな感じで、僕、燕尾服かなんか着て演奏してたんですよ。

五條 で、ステージ上ではお芝居も展開していた訳なんですよねえ?

関口 はい

五條 やっぱり、どっち観て良いか分からないですよ(笑)

関口 まあ、もともとそういうLive感みたいなのは創りたかったんで。セットの代わりにっていうのはあるんだけれども・・・

五條 生はいいですよね。

関口 そうなんですよ。で、最近、音楽がまた面白くなって来ちゃって・・・実は昨年、レーベルを作ったりなんかして楽劇座とはまた別の音楽もリリースする予定だったんですけど、時間がなくなっちゃって延び延びになっておりまして。

五條 是非やって欲しいですねえ・・・かなり影響受けてるんですよ僕。

関口 いやいや、何言ってるんですか?!

五條 そもそも「演劇やろう」って思ったのも楽劇座さんの舞台を観たのがキッカケなんですよ。本当に。

関口 いや・・・申し訳ないです(笑)

五條 でも、普通に暮らしていたら接点は無かったでしょうね。さっき話ましたけど、お客様と話す時とか、自分が生放送に出た反響を見る時にエゴサーチするんです。で、自分の名前で検索するとなつきさん(楽劇座の看板女優・五條なつき)の名前が出てくるんです(笑)で、妙に気になる時があって・・・何してる人なんだろうなあって・・・ピンクのカツラ被ってるし(笑)ああ、演劇かあと。自分と同じ名字の人に会ったこと無かったので、何かの縁だと思って行くことにしたんです。それが最初だったんですけど、観たら観たで物凄いので、「あれ?僕のイメージしてた演劇と違う!」って。もの凄いスピード感を感じたと言うか。面白いなあって。

関口 音楽みたいに創ってるんで・・と言うか、まあ、それを理想にして創ってるんですよ。

五條 ああ。なんかねえ、観ててもリズムを感じると言うか・・・

楽劇座スタッフ 素養をお持ちなんでしょうね。普通の方、そこまで分からないと思います。

五條 僕、小学校時代、志村けんさんのコントが好きすぎてテープに録音して聴いてたんですよ。ぼーっと聴いていると台詞がない部分に笑い声があって「あれ?このシーンなんだろな?」と思って、ビデオで確認するみたいなことをやってました。自然と、間の取り方と言うか、無言のコントを研究してましたね・・・

関口 マニアックな子供ですねえ(笑)

五條 そうなんですよ(笑)

楽劇座スタッフ 吉本なんかもお好きですか?

五條 吉本新喜劇も大好き。

関口 実は僕も好きなんですよ吉本新喜劇。実は。

五條 ハハハハハ。なんかバカにしそうじゃないですか(笑)

関口 いやいや、そんなことないですよ。僕、あれ分析なんかしたりして劇団員にも観てごらんって。

五條 あれは勉強になります。僕も言ってるんですよ吉本観ろって!

関口 すっちーさんとかシェイクスピアやったら面白いかも。あのままだったら。個人的には井上安世さんなんかいいと思います。

楽劇座スタッフ 顔が?

関口 ああ、それもあるけど(笑)、演劇的にも。普通のお芝居させてみたい。見た目なら小寺真理さんも悪くない(笑)

五條 吉本まで共通点(笑)

関口 じゃあ、YMOと吉本は(笑)

五條 ヤバいですねえ(笑)

楽劇座スタッフ 関口に言わせると、すっちーさんの芝居は、今何考えてるかが顔と動きだけで全部分かるから・・・あれ、皆んな出来ないんだよねえって。

五條 確かにそうかもしれない。自分でやってみると突っ立っちゃいますねえ。なかなか難しいですよね。いやあ、接点が割とあるんですね(笑)

関口 接点といえば、僕も中学生の時にYMOのコピーバンドとか児童館でやってましたよ。実習室じゃないけど(笑)

五條 やっぱりやってるんですね(笑)

関口 児童館の下の階がご老人の施設で、大きい音で演奏してたら、「このやろう! うるせー!」って杖を振り上げたご老人が、それこそ間寛平さんの如く(笑)夏休みの思い出です(笑)

五條 へえ(笑)

関口 あの頃、弾いたものってみんな覚えてるんだよなあ・・・

五條 YMOも中学〜高校くらいに聴いていたんですけど、その頃になるとYMOはひと昔前というイメージで「文化祭で弾くにはマニアック過ぎるからやめとこ」って言われたんです。結局、文化祭には出られず仕舞いで・・・。

関口 僕、あれですよ、小学校の時、YMOの第2回ワールドツアーの武道館公演見てますよ。

五條 凄い(笑)

関口 小学校ですよ小学校。親に連れて行ってもらって。

五條 羨ましい。

関口 散開コンサートも行きました

五條 僕らそんなのとてもじゃないけど・・・名古屋で貧しく練習してました(笑)

関口 友達と武道館まで3〜4人で行ったり。矢野顕子さんのコンサートなんかウチの親が僕と友達何人か連れて行ったりしてました。

五條 いいなあ。

関口 東京なんで。矢野顕子さんのコンサートなんて、今は無くなっちゃったけど、ウチの芝居小屋Rroseの近くにあった新宿厚生年金ホールが会場だったんですけど、開演前にそこの地下だったかなんかで友達と一緒にピラフかなんか食べさせてもらって、帰りはタクシーかなんかで帰るんです。家が新宿区だったものですから。

五條 いい環境ですねえ。

関口 今考えると・・・。普通に渋谷公会堂とか結構行ってました。

五條 全員集合(「8時だよ!全員集合!」)とか生で観てたとか?

関口 それは観てないなあ(笑)

五條 僕は行きたくてしょうがなかったですけどね。

関口 テレビでは観てましたけどね。でも、あれは全国廻るじゃないですか。だから東京じゃなくても・・・あれは平等ですよ(笑)

五條 「東京には面白いことがある」というイメージを持って上京したタイプなんで(笑)

関口 でもそれは大人になってからですよね?

五條 二十歳過ぎてからですね。東京の地理が分からなかったので、とりあえず金八先生の土手がある、足立区に住もうと決めていました。

関口 金八先生観てました?

五條 第4シリーズ以降をリアルタイムで観て、面白くて第1、第2シリーズをレンタルビデオで観ました。

関口 僕、仕事で関わっていたのが第5シリーズで・・・

五條 僕がまだ名古屋で見てた頃です(笑)その頃からこういった世界にいらっしゃったんですね。

関口 アイドル女優さんのプロデュースなんかやったり・・・あまり書いちゃマズイけど、〇〇(某有名雑誌)に載った某アイドルのインタビュー、実際に喋ってるのは僕みたいな(笑)

五條 ちょっと!それ読んでるかもしれないんですけど(笑)

関口 ちなみに、楽劇座の「神々と善人たちの無力さの歌」なんかも、元々は当時、プロデュースしていたアイドル歌手の為に書いた曲だったんですよ。

五條 へえ。

関口 ところで、東京って思った様なところでした?

五條 僕の場合、仕事の選択肢からして違いましたからね。名古屋にいたらゲームの世界にも来てなかったと思います。そもそもゲーム会社自体があんまりなくって半分諦めてました。で、デザインの方に行って、上京してクリエイティブなことをやっていれば近づいて行けるのかなという思いはありました。

関口 でも凄いですね。現にそうなってる。

五條 そうなんですよ。実際そうなったので、住む場所っていうのは重要な気はします。

関口 僕はね、新宿出身なんですけど・・・まあ、新宿とは言っても民家の方なんで、いわゆる歌舞伎町的な、そういうイメージとは相当違うんですけど・・・面白い話があって、大学なんかで色んな地方から人が集まって来ると、どこ出身?って話になる訳なんだけれども、ウチらの地元の友人はみんな「新宿」って当然答える訳ですよ。で、それを聞いた地方出身者は大抵「凄いとこに住んでるねえ!」ってなるらしい。要するに歌舞伎町の真ん中に住んでるイメージ(笑)

五條 (笑)

関口 まあ、確かに近かったから子供の頃から色んなもの見れたってのはあるかもしれない。当たり前だと思ってたけど・・・

五條 絶対、それは大きいと思います。出会う人。もし名古屋にずっと居たら今日こんな所には居ない訳ですよ。

関口 さっきのお話聞いてて思ったんですけど、ほら、志村さんの番組録音して“間”について考えてみるとか。僕もちょっと違うんですけど、それこそ小学生の頃、フジテレビがYMOのLAでのコンサートを衛星中継とかしてたんですね。で、それをテレビチューナー付きラジカセかなんか持ってる奴が録音しているんですよ。で、それをダビングしてもらって聴く訳なんですけど、みんなで集まって、これはあのシンセサイザーを使った音だとか何だとか研究するんです。当時、坂本龍一さんなんか5台くらいのシンセサイザーに囲まれて弾いていたから・・・

五條 ありましたね。

関口 このフレーズを弾いているのはProphet5だとか、ARP Odysseyに違いないとか。そんなことやってました。まあ、それが遊びなんですよ。

五條 友達はその話、ついて来れたんですか? 

関口 うん。基本は音楽やってる友達なんで

五條 だったらいいですけど(笑)

関口 でも、僕があんまりそんな話ばかり楽しそうにしているもんだから、全然興味なかった奴も「俺、ベース始めたわ」みたいな(笑)

五條 僕の場合、コントの間を語り合う友達いなかったですからねえ(笑)

関口 まあ、そもそもなんか創ろうなんて思う人たちは・・・

五條 自分のことだから言えますけど、ちょっとおかしなことやってましたね(笑) 変な所にこだわったりとか。でもその積み重ねでゲームに対しても「自分ならこうするのになあ」となるんですよ。

関口 でも、そうやってみると順調に自分の思ったところに・・・

五條 自分の思い描いていたゲーム業界とはちょっと違いましたけども。

関口 まあ、ウチも試行錯誤の連続で・・・まあ、珍しい記録(8年間に及ぶ毎月連続公演&第100回定期公演を達成)は作れたので・・・

五條 そう簡単には抜かれないと思います。

関口 まあ、それだけやってみて初めて見えて来るものもあるので、いい勉強にはなったなと・・・こういうのはマズいんだなとか、こうすれば上手く行くんだなとか。まあ、数で言えば普通の人が一生で創る作品数を既に超えていたりする訳ですからねえ・・・もちろん、作品数が多けりゃいいってことでも無いんだけれども、それだけやってみて初めて見えるものもあるってことですかねえ。ただねえ、芝居の場合、自分だけじゃどうにもならない部分もあって・・・

楽劇座スタッフ 特に演出はそうですね。役者の比重がとても大きいので。本番で役者が間違えたら何も手出し出来ない訳ですし・・・

五條 はい。僕も役者として経験してるんで分かります・・・台詞を間違えた方で(笑)

関口 出演する役者さんによってお客さんの数も違いますし・・・特に日本の場合、一般的な方は作品を観るというより、役者さんを観に来る方が多い様ですね。まあ、クリエイターの方とか、そういう自身でモノを創る人はまた違うんでしょうけど、数から言えばそちらの方が圧倒的に少ない。

五條 そうでしょうね。

関口 一回、本当につまらない作品を意図して創ったことがあって・・・「メディウスは時に爆弾も必要さと言った」という作品なんですけど。書いてる本人がつまらないと言ってるんですから間違いないんです(笑)

五條 何故、それをやったんですか?

関口 マカロン(「マカロンちゃんの憂鬱」)とかやってた頃で、ファンの方が盛り上がっていたんですよ。ネットに感想コメント書いて下さったり、人によってはアイドルコンサートさながら紙テープを投げる方まで。

五條 あの劇場では危ないですねえ(笑)

関口 そう、危ないんですよ(笑)で、書き込みコメントなんか読むと、〇〇ちゃん、今回も可愛かったよとか・・・。今だから言えますが、そうした方々の人間性に特に不満があるという訳では全くもって無いのですが、そんなコメントばかりが続きますと、ちょっとイラっとしまして(笑)創り手的には。

五條 でしょうねえ。

関口 そういうコメントが書けない様なものを創ろうと(笑)

五條 (笑) 最初は嬉しいんですけど、「そこしか観てないんかい!」って感じになりますよね?

関口 そう、「俺、何書いても一緒?」みたいな(笑)だったら、そう言ったコメントが絶対書き様のないものを創ろうと。

五條 ハハハハハ。そうした方々はその公演、観に来ましたか?

関口 コメントはなかった様な。でも、帰り際に「・・・でも、こういうの好き」と仰っていたと風の便りに聞きました(笑)

五條 それは勝ちですね(笑)

関口 僕自身、演奏で参加してたんですけど、自分でも弾いてる途中に眠くなるみたいな(笑)

五條 それはヤバい(笑)すげーなあ・・・面白いことやってますねえ。

関口 その時は、流石に疲れましたけど(笑)

五條 短いスパンで公演をやって行くというのは、当初から目的としてあったんですか?

関口 まあ、なんかやらない訳にはいかないじゃないですか? 場所を造っちゃった以上。だから「何かやらなくちゃね」というのはあったんですよ。ただ、ここまで作品をやる様になるとは正直、思わなかった。

五條 ほう

関口 でも、毎月公演をする意味はあって、決して意味がないという訳じゃないんです。だって、新聞配達だって毎日、新聞を配達するし、ピザ屋だって毎日、ピザを配達するじゃないですか? それで上手くなっていく。

五條 なるほど

関口 さっきの話じゃないですが、就職で「こいつ優秀だ」って採用しても、すぐ使い物になるかといえば・・・

五條 難しい・・・

関口 ですよね? 要するに、会社に入ったからといって「俺はプロだぜ」って言われちゃ困るよってとこあるじゃないですか?

五條 ありますよね

関口 プロになっていく訳じゃないですか? 

五條 はい

関口 芝居の場合、皆さん、年に1〜2回程度しか演っていないにも拘らず「5年も演ってるんです」とか仰るんです。でもそれじゃあ「5年も」とは言え精々5作品、多くて10作品しか舞台に立っていない。しかも台詞が有るんだか無いんだかといった役だとプロと呼ぶにはちょっと辛いなと。だけどバイトのコンビニ店員を5年も続ければ「店長にならないか?」なんてオーナーに言われたりして。

五條 アハハハハハ

関口 これ結構、“役者あるある”だったりするんです。舞台には数回しか立ったことがなくても、コンビニのバイトは毎日やってる訳ですから・・・役者としての実力は一向に上がらないにも拘らず、コンビニ店員のプロにはなっていく。当然と言えば当然ですよね。

五條 やっぱり場数を踏むのとそこで得る・・・回数ですよね・・・

関口 で、結局、役者を諦めて田舎に帰るみたいなのが多いじゃないですか。

五條 はいはい

関口 やっぱり、プロってなっていくものじゃないですか? マスコミなんかがちょっと分かりにくくしているところがあると思うんですけど、初舞台初主演とか言ってるアイドルタレントなんかを見て、人気があってお金もらってる・・・これがプロだ!とかなっちゃうと、まあ、確かに職業としては成立している訳だけれども、技術的にプロかって言うのはまた別の話で・・・これが芝居とか音楽なんかの難しいところで。

五條 はい。

関口 上手いかどうかと集客っていうのはまた別もんなんで・・・僕がアイドル女優なんかのプロデュースやってる時なんか、テレビドラマに出たり、ファンなんかもそれなりに結構いたりする訳ですけど、技術的にその子がプロだったかと言えば、むしろ素人と言っていい。その辺りが難しいところなんですよねえ。でね、ホールなんか借りてやってると年に2回ぐらいが精々で・・・スタッフなんかも色んな会社が入る訳で、「ここ直したいんですけど」とか言っても、「今からだとちょっと・・・」とか言われちゃう(笑)小回りが効かない。だから、そういった意味で、小回りが効いて、常に芝居が出来る環境を創りたいというのは元々あったんですよ。ただ、先ほども言いましたが正直、ここまで出来るとは思っていなかった。

 

 

この後、五條さんをお誘いし、楽器屋に向かった。連弾を提案し、シンセサイザーでマーティン・デニーの「ファイヤークラッカー」(もちろんYMOヴァージョン)を一緒に弾いてみた。僕はメロディ、五條さんにはベースパートを弾いてもらった。思い出してみれば小学生の頃、日曜日に友人と連れ立って秋葉原にあったローランドのショールームでシンセサイザーをイジっていたっけ・・・。何十年経っても変わり映えしない自分に驚きつつも、私の場合は音楽や演劇、五條さんの場合はゲームといった様な、いわばクリエイティブな仕事人にだけ発行される“三つ子の魂百まで”的免罪符の効果を存分に享受しようと思う。

ちなみに、この対談後、五條さんは私も愛用するProphet6(まあまあ高額なプロ機)というアナログシンセサイザーをご購入されたそうである。舞台役者デビューを果たした五條さん、次はキーボーディストとしてステージデビューか?!

 

 
 


 
⇒舞台制作スタッフや俳優・観客の役に立つコンテンツ集
制作コラム、映像制作コラムなどの読み物もあります!

 

 
(文:関口純 ※文章・写真の無断転載を禁じます)

この記事を書いたのは

関口純
劇作・演出・作曲家。楽劇座芸術監督として7年間で100作品以上の演出を担当する。曽祖父は新劇の演出家、祖母はギタリスト、父は新劇プロデューサー、母は女優という芸術一家に生まれる。幼少期よりピアノ、十代の頃より音大教授に作曲を師事。その後、クラシックからポップス、劇音楽に至るまで幅広い分野でミュージシャンとして活動する傍ら、劇作・演出家の津上忠氏のもとで演出の研鑽を積む。日本テレビ音楽(株)顧問(サウンドプロデューサー)等を経て、現職。

 

 

関連記事

最近の記事


 ≫もっと見る
 

編集部ピックアップ!

エントレがおすすめする他の舞台



Copyright 2021 Village Inc.