
舞台『ブルーロック』5th STAGE ー新英雄大戦(ネオ・エゴイストリーグ)開幕ー 観劇レポート 音と身体表現で描く試合の迫力、キャストの熱演が光るステージ
舞台『ブルーロック』5th STAGE ー新英雄大戦(ネオ・エゴイストリーグ)開幕ーが上演された。
原作は金城宗幸、漫画はノ村優介によるサッカー漫画『ブルーロック』(講談社「週刊少年マガジン」連載)。
脚本・総合演出を伊勢直弘が務める本作では、個性豊かなキャラクターたちが繰り広げる試合や、選手たちの内面の変化を舞台ならではの演出で描き出す。
音と動きがシンクロする、印象的なオープニング
幕開けを飾るのは、登場人物一人ひとりに焦点を当てたキャラクター紹介の演出だ。それぞれのキャラクターが登場し、個性を反映した動きでボールを蹴る。
そこに音がぴたりとはまることで、動きと音が一体となったスタイリッシュなシーンが展開される。
ボールを蹴る瞬間に合わせた音の使い方が印象的で、キャストの動きと音響のタイミングが緻密に組み合わされている。
単にキャラクターを順番に紹介するだけでなく、それぞれの個性を身体表現によって見せながら、作品の世界観を提示する構成となっていた。
一人ひとりの登場がテンポよくつながり、音と動きの連動によって視覚と聴覚の両面から楽しめるオープニング。
キャラクターの魅力を伝えるとともに、これから始まる物語への期待を高める演出となっている。

©金城宗幸・ノ村優介・講談社/舞台『ブルーロック』5th STAGE製作委員会
音と光、身体表現で描き出す試合シーン
本作の中心となる試合シーンでは、実際にボールを使用する場面を交えながら、ダンスに近い身体表現によって選手たちの動きや試合の展開を描いていく。
サッカーの試合をそのまま再現するのではなく、キャストの動きと音響を組み合わせることで、プレーの流れや試合の緊張感を舞台上に表現。
選手たちが動くタイミングや身体の向き、動作の連続によって、試合の展開を伝えていく。
さらに、舞台装置や照明を活用した演出にも工夫が見られる。ゴールが決まると舞台装置のライトが点灯し、得点の瞬間を視覚的にも印象づける。
音だけでなく光も効果的に取り入れることで、試合の展開に合わせて舞台上の見え方が変化していく。
こうした演出は、試合の状況を伝えるだけでなく、観客の視線を舞台上の動きへと導く役割も果たしている。音響、照明、舞台装置、そしてキャストの身体表現。
それぞれが組み合わさることで、限られた舞台空間の中にサッカーの試合を立ち上げていた。

©金城宗幸・ノ村優介・講談社/舞台『ブルーロック』5th STAGE製作委員会
キャストの熱演で描かれる選手たちの葛藤と変化
試合シーンが多い本作では、キャストそれぞれが生み出す迫力も大きな見どころだ。
身体を大きく使った表現に加え、表情や立ち姿、相手と向き合うときの空気感によって、選手たちの感情や試合に懸ける思いが描かれている。
物語終盤の試合で存在感を放つのが、ミヒャエル・カイザー役の仲田博喜だ。鬼気迫る表情や張り詰めた雰囲気が、試合の緊迫感を高めていく。
激しい試合展開の中で見せる表情や佇まいからは、カイザーという人物の強い意志が伝わり、終盤の試合における印象的な存在となっていた。

©金城宗幸・ノ村優介・講談社/舞台『ブルーロック』5th STAGE製作委員会
また、氷織 羊役の三浦海里が演じる、心境の変化にも注目したい。過去の経験から消極的だった氷織が、竹中凌平演じる潔 世一の試合を目の当たりにし、少しずつ変わっていく。
試合を通じて自分自身と向き合い、意識を変えていく過程が、キャストの演技によって表現されている。
なかでも印象的なのが、潔と氷織が互いに減らず口を交わしながらも、プレーに必要な意識を共有していく場面だ。
言葉の上では軽口を叩き合いながらも、互いの考えを理解し、プレーの中で呼吸を合わせていく二人。そのやり取りには、単に同じチームで戦うだけではない、互いを理解し合う関係性が表れている。
言葉を交わしながら意識を共有し、プレーへとつなげていく姿からは、二人の間に築かれた信頼関係が伝わってくる。
試合の迫力だけでなく、選手同士のやり取りや関係性の変化にも目を向けることで、舞台上で描かれる物語がより立体的に浮かび上がる。
選手たちがぶつかり合う試合の中には、それぞれの葛藤や決意、他者との関わりによる変化も描かれている。
キャストの身体表現が試合の動きを生み出す一方で、表情や会話を通して人物の内面も伝えていく。こうした身体的な迫力と心理描写の両面が、本作の見どころとなっている。

©金城宗幸・ノ村優介・講談社/舞台『ブルーロック』5th STAGE製作委員会
キャラクターの個性を際立たせるビジュアル
キャストのビジュアルにもこだわりが感じられた。『ブルーロック』は個性的な髪色のキャラクターが多い作品だが、舞台上でもそれぞれの髪色が鮮やかに表現されている。
キャラクターごとに異なるカラーリングは、舞台上で一人ひとりを見分けるうえでも印象的な要素となっている。
鮮やかな髪色がそれぞれの個性を際立たせ、キャラクターが並んだ際にも視覚的な違いが伝わりやすい。
舞台では、衣裳やヘアメイクといったビジュアル面も、作品の世界観を伝える重要な要素だ。
原作で特徴的な髪色が多く登場する『ブルーロック』において、それぞれのカラーリングを舞台上で表現することは、キャラクターの個性を視覚的に伝えることにもつながっている。
試合中の身体表現や音響、照明といった動的な演出に加え、キャラクターの姿を形づくるビジュアルにも目を向けることで、舞台全体の作り込みが感じられる。

©金城宗幸・ノ村優介・講談社/舞台『ブルーロック』5th STAGE製作委員会
舞台ならではの表現で描く『ブルーロック』の世界
音と動きをシンクロさせたオープニング、身体表現と照明を組み合わせた試合シーン、そしてキャストの演技を通して描かれる選手たちの葛藤や関係性。
さまざまな要素が組み合わさり、『ブルーロック』の世界が舞台上に表現されていた。
本作では、サッカーの試合を舞台上でどのように見せるかという工夫に加え、選手たちの感情や人間関係も丁寧に描かれている。
試合の動きを音や光と連動させる演出が迫力を生み出す一方で、潔と氷織のように、会話を通して互いの意識を共有していく姿が、物語に奥行きを与えていた。
ストーリーの細かな背景を知らなくても、キャストの身体表現による試合の迫力や、キャラクター同士のやり取りを通して作品の魅力に触れられる本作。
舞台ならではの演出と、選手たちの感情の変化が重なり合うステージとなっていた。
STORY
上最もアツく、最もイカれたサッカー漫画!
ついに、最終章突入!!
“青い監獄” 計画第二段階『新英雄大戦』が開幕。
次なる試練は、世界最高峰の欧州5大リーグ。世界を巻き込んだ新たな戦いが幕を開ける。
選手たちは “青い監獄”に招かれた世界のクラブに分かれ、世界的ストライカーの師事のもと特訓を開始。
ドイツ『バスタード・ミュンヘン』をはじめ、スペイン『FCバルチャ』、イングランド『マンシャイン・C』、イタリア『ユーヴァース』――
各クラブでの経験を糧に、選手たちは “青い監獄”の中で激突する。
潔 世一は同チームの絶対的エース、ミヒャエル・カイザーと対峙しながら進化を遂げていく。
己のエゴを武器に、世界一のストライカーの座を奪い取れ――。
詳細は公式サイトで。
https://officeendless.com/sp/bluelock_stage/
(文:河内友美)
舞台『ブルーロック』5th STAGE ―新英雄大戦(ネオ・エゴイストリーグ)開幕―
原作:金城宗幸
漫画:村優介「ブルーロック」(講談社「週刊少年マガジン」連載)
【出演】
潔 世一役:竹中凌平 國神鍊介役:織部典成 アレクシス・ネス役:福澤希空
雪宮剣優役:遊馬晃祐 黑名蘭世役:北川尚弥 氷織羊役:三浦海里
我牙丸吟役:村松洸希 蜂楽廻役:佐藤信長 乙夜影汰役:健人
凪誠士郎役:佐藤たかみち 御影玲王役:菊池修司 千切豹馬役:佐伯亮
アギ役:平賀勇成 馬狼照英役:伊万里有 ドン・ロレンツォ役:中村太郎
二子一揮役:前嶋曜 閃堂秋人役:松本岳 絵心甚八役:横井翔二郎
ラヴィーニョ役:才川コージ クリス・プリンス役:君沢ユウキ
マルク・スナッフィー役:碕理人 ノエル・ノア役:廣瀬智紀
ミヒャエル・カイザー役:仲田博喜 烏 旅人役(映像出演):宇野結也
グリム役:土居健蔵 ビルケンシュトック役:中土井俊允 メンサー役:窪寺 直
オリヴァ・愛空役他:雲母翔太 ウルサイス役他:池田寛人
ルーク役他:藤野大斗 雷市陣吾役他:坂本賢伸
2026年10月1日(木)~2026年10月11(日)/天王洲 銀河劇場 | THE GALAXY THEATRE
2026年10月16日(金)~2026年10月18日(日)/東京建物 Brillia HALL 箕面(箕面市立文化芸能劇場)
2026年10月23日(金)~2026年10月24日(土)/アイプラザ豊橋
配信:ABEMA PPVにて
東京公演:2026年10月10日(土)17:30公演 スイッチング映像(ライブ配信+見逃し配信)
愛知公演:2026年10月24日(土)11:30公演 全景映像(ライブ配信+見逃し配信)
【千秋楽】2026年10月24日(土)16:00公演 マルチアングル映像(ライブ配信+見逃し配信)

