
これは《大人も本気でハマる》忍者エンターテインメント! ミュージカル『忍たま乱太郎』第15弾 観劇レビュー
(C)尼子騒兵衛/NHK・NEP (C)ミュージカル「忍たま乱太郎」製作委員会
撮影:遠山高広
これは《大人も本気でハマる》忍者エンターテインメント! ミュージカル『忍たま乱太郎』観劇レビュー
正直、観る前はちょっと油断してました。「忍たま乱太郎」って、アニメもほんの少ししか見たことないし、ファミリー向けの可愛い舞台なんだろうなぁ〜なんて…すみません、めちゃくちゃ違いました!想像のはるか上をいく完成度と熱量!もう一瞬で“忍ミュ”の虜になりました。
(C)尼子騒兵衛/NHK・NEP (C)ミュージカル「忍たま乱太郎」製作委員会
撮影:遠山高広
開演前から舞台上にはマッピング映像が流れ、すでに忍の世界が立ち上がっている。重厚な音楽が響いた瞬間、息をのむ緊張感。そしてクモタケ忍者隊の登場—カッコよすぎる!からの俊鬼のコミカルすぎる芝居に笑わされ、続く一年生トリオ(乱太郎・きり丸・しんべヱ)のハッピーな歌で会場が一気に明るくなる。テンションの波が完璧。そこへ本作の主軸・四年生たちが登場し、一気に物語の中心が動き出す。展開のテンポ、演出のセンス、音楽の厚み、すべてが想像以上!
(C)尼子騒兵衛/NHK・NEP (C)ミュージカル「忍たま乱太郎」製作委員会
撮影:遠山高広
あらすじ
「個性が強すぎて団結力のない四年生は、学園長先生の思いつきでリーダーを決めることになった。決戦場所は断崖絶壁の閻魔岳。怯える四年生だったが六年生が見守る中、戦いの火蓋は切られた。知力・体力・時の運を制した者だけに与えられるリーダーの称号と金ピカ羽織。決死の覚悟で頂上を目指す四年生だったが、謎の集団クモタケ忍者隊の根城である閻魔岳には不穏な気配が漂っていた・・・ 」
(C)尼子騒兵衛/NHK・NEP (C)ミュージカル「忍たま乱太郎」製作委員会
撮影:遠山高広
四年生たちはそれぞれ強烈な個性を持ちながらも、どこか不器用で憎めない。その彼らを見守る六年生たちが本当に頼もしい!リーダー決めを見守り、時に的確な助言を与え、時に背中を押す。個性をしっかり見極めた上で導く姿がいちいち沁みる。こんな先輩たちがいたら人生変わってたかも!? 六年生っていつもこんなにカッコいいんですか? 忍ミュファンの皆さん、教えてください!(笑)
そして驚きの事実—山田先生に息子がいたんですね!(初心者ですみません)。 しかもイケメンで身体能力が異常に高い!松原凜さん演じる息子・山田利吉のアクションがとにかくすごい。軽やかさと力強さを兼ね備えた動きに説得力しかない。どうやったらあんなに忍者みたいに動けるんだと感嘆の連続!小松田くんとの噛み合わない掛け合いも最高で、笑いとイライラのバランスが絶妙(笑)。 敵対するドクタケ忍者隊も負けていない。キャラが一人ひとり立っていて、まとめ役の達魔鬼の包容力が抜群。悪役なのにどこか憎めない“人間味”が滲み出ていて、存在感が際立っていました。
(C)尼子騒兵衛/NHK・NEP (C)ミュージカル「忍たま乱太郎」製作委員会
撮影:遠山高広
アクションは圧巻のひと言!個人戦の緊迫感もすごいけど、乱戦ではまるで映画を観ているような迫力。Gロッソならではの立体的な演出で、ロープを使った宙吊りや飛び降りも軽やかにこなすキャスト陣。息を呑む瞬間の連続!特に中在家長次を演じた新井雄也さんの縄鏢さばきは職人技レベル。軽々やってるけど、あれ絶対難しいやつ!努力とセンスの結晶、拍手しかない!
展開がテンポよく進むのに、情報がちゃんと整理されていて見やすい。自分はどちらかといえば舞台で混乱しやすいタイプなんですが(笑)、十二分に楽しめました。シンプルなストーリーの中で、キャラの魅力が自然に伝わってくるから、頭じゃなく感覚で楽しめる。
(C)尼子騒兵衛/NHK・NEP (C)ミュージカル「忍たま乱太郎」製作委員会
撮影:遠山高広
初めての観劇だったけど、もう帰り道には「このキャラ誰?」「あの関係どうなってるの?」と検索しまくってました…そう、これが“忍ミュ沼”の入口(笑)。
忍ミュ初心者でも余裕で楽しめるどころか、想像以上に胸が熱くなる。笑いあり、涙あり、アクションあり。四年生と六年生の絆が生み出すドラマに、何度も心を揺さぶられた。ファミリー向け? いや、これは“大人も本気でハマる”忍者エンターテインメント!
ぜひ劇場で、この疾走感を体感してください!!
(文:かみざともりひと)
ミュージカル「忍たま乱太郎」第15弾 再演 走れ四年生! 戦え六年生! ~閻魔岳を駆け抜けろ~
【原作】尼子騒兵衛 著「落第忍者乱太郎」より アニメーション「忍たま乱太郎」
【原案】アニメーション「忍たま乱太郎」より 「四年生頂上決戦!」(脚本 石山優子)
【脚本・作詞・演出】竹本 敏彰
【音楽監督・作曲・編曲・スーパーバイザー】玉麻 尚一
【忍術学園 六年生】
立花仙蔵:湯本 健一 潮江文次郎:渡辺 和貴 中在家長次:新井 雄也
七松小平太:坂垣 怜次 食満留三郎:鈴木 祐大 善法寺伊作:反橋 宗一郎
【忍術学園 四年生】
平滝夜叉丸:西岡 諒佑 綾部喜八郎:大谷 誠
田村三木ヱ門:沖矢 悠 浜守一郎:秦 健豪 斉藤タカ丸:川口 ナオ
※斉藤タカ丸役の川口ナオさんは怪我の為、当面の間は出演を見合わせさせていただき、代役として田中幸介さんにご出演いただきます。
【忍術学園 一年生】
猪名寺乱太郎[A]:塩田 宙 摂津のきり丸[A]:長谷川 悠大 福富しんべヱ[A]:山口 澄晴
猪名寺乱太郎[B]:沼澤 圭 摂津のきり丸[B]:猪股 怜生 福富しんべヱ[B]:田村 祷真
【忍術学園 関係者】
大川平次渦正:迫 英雄 土井半助:一洸 山田伝蔵:今井 靖彦
小松田秀作:輝山 立 山田利吉:松原 凛
【ドクタケ忍者隊】
稗田八方斎:幹山 恭市 キャプテン達魔鬼:高橋 光
竜鬼:小笠原 竜哉 俊鬼:伊藤 俊 来鬼:来夢 統鬼:川合 立統 曇鬼:開沼 豊
【謎の忍者集団(クモタケ忍者隊)】
天馬:翁長 卓 黒衛:小林 嵩平 鉄幹:吉田 邑樹 一颯:野間 理孔
2025年10月11日(土)~10月26日(日)/東京・東京ドームシティ シアターGロッソ
2025年11月1日(土)~11月3日(月祝)/大阪・梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ
2025年11月8日(土)~11月9日(日)/愛知・春日井市民会館