ニコラ・テスラ

日英が生み出した世界初演ミュージカルを体感せよ!ミュージカル『ニコラ・テスラ ~エジソンが恐れた孤高の天才~』

ニコラ・テスラホリプロステージ

イギリス・ウエストエンドで注目を集めるクリエイターとホリプロがタッグを組んで立ち上げた、新作オリジナルミュージカル『ニコラ・テスラ ~エジソンが恐れた孤高の天才~』。2026年9月に東京・紀伊國屋ホール、10月に大阪・梅田芸術劇場シアター・ドラマシティにて上演されます。

音楽・歌詞をニック・ブッチャーさん、脚本をロジャー・ディッパーさん、演出・翻訳を下平慶祐さんが手がけ、海宝直人さん、成河さん、濱田めぐみさん、昆夏美さんが出演します。

本記事では、囲み取材会の様子とともに、実際に舞台を観劇したレビューをお届けします。

100分ノンストップミュージカル

今作は、とにかく素晴らしかった――!
ぜひとも、生で観ていただきたい!
と、声を大にして叫びたくなる作品でした!そして観劇後、きっと誰かと話したくなる、語りたくなる作品です。

100分、ノンストップで駆け抜ける本作は、ニコラ・テスラの一生を描くには、決して長い時間とはいえず、ところどころ速足に感じる部分もあります。しかし、流れるように展開されていく舞台は疾走感にあふれ、無駄が一切ありません。

ミュージカルというと、二幕構成で3時間を超える作品も少なくありません。作品によっては、どうしても中だるみを感じたり、ふと眠気に誘われたりすることもあります。
けれど、本作は違います。一瞬たりとも見逃せない思考を凝らした構成で、次々と場面が展開していくため、100分が本当にあっという間でした。

ダンサーやアンサンブルも登場せず、出演するのはわずか4名の俳優のみ。それにもかかわらず――いや、だからこそ、日本を代表する実力派ミュージカル俳優4人の姿、歌声、演技、チームワークを、たっぷりと堪能できる、とても贅沢な作品になっていました。

ニコラ・テスラホリプロステージ

海宝直人が魅せるニコラ・テスラ

主人公である孤高の天才、ニコラ・テスラを演じるのは海宝直人さん。
言わずもがな、ビジュアルも歌声も演技も素晴らしい、私が大好きな俳優さんの一人です。
そんな海宝さんを、「これほど間近で観て、声を浴びていいんですか――?」そう聞きたくなるほど、紀伊國屋ホールは舞台と客席の距離が近い劇場です。

前回の『レベッカ』が上演されたシアタークリエも比較的コンパクトな劇場でしたが、今回はさらに、最前列なら見上げるほどの距離。まさに目の前で、海宝さんの姿を拝むことができます。
そんな近い距離で、観客を圧倒する海宝さんの歌声と、心を震わせる演技を堪能できるのは、まさに贅沢の極みかもしれません。劇中、何度も何度も、涙が込み上げてくる瞬間がありました。

海宝さんは、ほぼ出ずっぱりで、テスラの幼少期から青年期、壮年期、そして晩年まで、一人の人生を演じ切っています。特に心に残ったのが、テスラの「目」です。
生気を失った目に、やがて希望や情熱が戻っていく様子――。無邪気な少年の目から、死の直前に見せる目まで。表情や声色だけではなく、テスラの目の奥に宿る光、その光の変化までもが目の前で伝わってきたとき、海宝さんの圧倒的な演技力に改めて驚かされました。

4人で何役!? 俳優陣の芸達者ぶりに脱帽

本作の大きな見どころの一つが、4人の俳優による圧倒的な多役です。

濱田めぐみさんは、キャサリンを含む5役を演じ分けます。
テスラに常に寄り添う、献身的で聡明な女性・キャサリン。濱田さんの包容力に満ちた歌声が、テスラを支える彼女の深い愛情をより一層際立たせ、思わずその歌声に魅了されました。

ニコラ・テスラホリプロステージ

昆夏美さんは、テスラの兄をはじめ、エジソン、店員など、なんと計12人を演じ分けます。
昆さんは、以前は可愛らしい役のイメージが強かったのですが、ミュージカル『トッツィー』などで振り切った演技も拝見し、コミカルな演技も面白い俳優さんだと感じていました。
しかし今回は、その振り幅の大きさがひときわ際立っていました。気絶してしまうウェイターから、外国人の工員まで、性別を越えてさまざまな役柄を演じ分ける姿は、まさに芸達者。
ほんの一言で「フフッ」と笑わせたり、短い登場でもしっかりと印象を残したり。どの役にもそれぞれの個性があり、次はどんな役で登場するのかと、つい目で追ってしまいます。

ニコラ・テスラホリプロステージ

ニコラ・テスラホリプロステージ

そして昆さんを上回る、なんと13役を演じたのが成河さん!
これまで成河さんの出演作も何度か観劇してきましたが、ここまで多彩な役柄を演じ分ける俳優さんだったとは、知りませんでした。
厳格な父から、腰の曲がった大学教授のおじいちゃん先生まで、「こういう人、いそう!」と思わせる人物描写も見事でした。
特に、エジソンの右腕・ハロルド・ブラウンは、何とも憎たらしく、ねっとりとした癖のある役柄。足をスッと高く上げたり、お姉のようなしなやかで優美な動きを見せたり、その独特なキャラクターに目を奪われました。
昆さんと成河さんのダンスシーンもユーモアがあり、好きなシーンでした。

ニコラ・テスラホリプロステージ

アンサンブルの俳優が複数の役を演じ分ける作品は数多くありますが、メインキャスト級の俳優が、一人で10役以上もの人物を演じ分ける姿を目の当たりにしたのは、私は初めてでした。「そんなことが可能なのか」と思わず唸らされるほど、次々と異なる人物へと変貌していくその演技力と切り替えには驚きました。

そして、何がすごいって、皆さん役柄を演じ分けるだけではありません。舞台上のセット展開や配置移動までも、すべて4人だけで担っているのです。衣装チェンジのタイミング、早口言葉のような台詞や歌…少しでもズレればテンポが崩れ、間合いやリズムが狂ってしまうはず。しかし、4人の息は完璧に合っていて、観ていて気持ちがいいほどの一体感がありました。

取材会で、演出の下平さんが4人の俳優の魅力について、「4人が4人、全く違う武器や考え方を持っていて、裏にいる人たちも全て混じり合っていて、個々というより一つの存在として成り立っている」と語っていました。
その言葉の意味が、実際に観劇してみて、ようやく分かったように感じます。

まさに、4人が一心同体のように生きることで成立している舞台でした。何より印象的だったのは、4人のキャストがとても生き生きとしていて、本当に楽しそうだったこと。

舞台上を縦横無尽に動きながら、次々と役を切り替え、セットを動かし、物語を進め、そして歌う。その姿は圧巻でした。

ちなみに、海宝さん、濱田さん、成河さんは、以前ミュージカル『イリュージョニスト』でも共演されています。こちらもイリュージョンを巧みに取り入れた作品だったこともあり、今回の舞台を観ながらふと思い出しました。

『イリュージョニスト』ではシリアスな役どころが印象的だったお三人ですが、今作ではまた異なる表情を見せてくださいます。過去の共演作を知っている方には、そんな違いを楽しむのもおすすめです。

ニコラ・テスラの人生から見えてくるもの

物語の主人公ニコラ・テスラについて、観劇前の私は「アメリカの電気自動車メーカー・Teslaの名前の由来になった、有名な発明家」という程度の知識しかありませんでした。

しかし本作を通して、彼がどのような人物で、どのような人生を歩んだのかを知ることができ、ニコラ・テスラという愛すべき人物に出会うことができました。

そこに描かれていたのは、偉大な発明家としての姿だけではありません。人に理解されない孤独や、思い描く未来と現実との間でもがき続ける、一人の人間としてのテスラでした。

物語は、命の灯火が消えようとしているニコラ・テスラのもとを、友人のキャサリンが訪れる場面から始まります。彼女が追悼文を書くためにテスラの半生を振り返る形で進みます。

オープニングでは、嵐の夜に生まれたテスラの誕生から、最愛の兄ダネの死、そして厳格な父との関係が描かれ、早くもどこか不穏な空気が漂います。「闇の落とし子」と呼ばれながらも、自らは「光の子」として生きようとするテスラ。その言葉の裏にある葛藤が、幼少期の姿からも感じられます。

幼い頃から、テスラの頭の中には次々とアイデアやビジョンが湧き上がり、彼はその情熱に突き動かされていきます。しかし、周囲にそれを伝えても「ありえない」「不可能だ」と否定され続け、次第に孤独を深めていくことに。

そんなテスラの内に秘めた才能と決意が一気に弾けるのが、楽曲「稲妻走る頭脳」です。

「稲妻走る頭脳で夢を現実に変え、世界を灯す」と、周囲の常識を突き破り、自らの道を切り拓こうとするテスラ。爆発的な閃きが次々と溢れ出すようなロックポップス調のビートが実に心地よく、聴いているこちらまでワクワクさせられます。

なかでも印象的なのが、「どうやる? いつやる?」というフレーズ。エネルギーに満ちたその言葉が強く耳に残り、観劇後もしばらく頭の中でリフレインしてしまうほどでした。

孤独や葛藤を抱えながらも、自分の可能性を信じて前へ進もうとするテスラ。その“覚醒”の瞬間を、音楽の力で鮮やかに体感できるナンバーです。

想いや勢いに突き動かされながら学生生活を送っていたテスラでしたが、その後、大学を中退。生活も不安定になり、やがて心を病んでいきます。
そんな彼にキャサリンは、「自分に合わない環境に身を置き続けても、時間を無駄にするだけ」と語り、自分にとっては退屈な「お裁縫の時間」を例に挙げながら、テスラを諭します。

そして、彼女がテスラに投げかけるのが、「あなたの物語は、あなたが書くの」という言葉。
楽曲「あなたの物語」は、自暴自棄になったテスラを丸ごと肯定し、もう一度前を向くよう力強く背中を押す、ポップでパワフルなナンバーです。
キャサリンの言葉と音楽が重なり、聴いているこちらまで勇気をもらえるような一曲でした。
そしてテスラは、自らの物語を動かすように、パリへ、そしてニューヨークへと旅立っていきます。

しかし、希望を胸に入社したテスラを待っていたのは、すぐに自分のアイデアを形にできる環境ではありませんでした。「まずは働け」と諭され、目の前の仕事に向き合い、周囲から信頼を得ていくことを求められます。

どれほど素晴らしいアイデアを持っていても、それだけですぐに認められるわけではありません。天才であっても、社会の中で信頼を築いていく過程は、私たちと変わらないのだなと、どこか親近感を覚えました。

その後、テスラは地道に仕事に取り組み、推薦を受け、憧れだったエジソンのもとで働くことになります。

しかし、そこでも思うようにはいきません。どれだけ努力しても、自分の理想とはかけ離れた形で働かされているように感じ、会社を辞めることに。その後は肉体労働に従事し、1日1ドルにも満たない収入に苦しむ生活を送ります。

そんなテスラの苦悩に、私も自分自身を重ねる部分がありました。
誰しも、目標や夢を持って飛び込んだ世界で、「もっとこうしたら良くなるのではないか」と、自分なりの思いやアイデアを上司や先輩に伝えた経験があるのではないでしょうか。
けれど、それが「新人の戯言」や「ただの愚痴」と受け取られ、聞き流されてしまう。悔しさを抱えながらも、どうにか良くしようと試行錯誤し、もがき続ける日々。そしていつしか、「伝えても無駄だ」「どうせ無理だ」と思うようになり、かつて持っていた熱意や情熱さえ失ってしまう。

同じような思いを抱えたことがある人も、決して少なくないのではないでしょうか。
天才であるテスラでさえ、いや、天才だったからこそ、時代の先を行きすぎてしまい、彼は周囲に理解されず苦しんでいました。

しかし、悩み、もがきながらも、自分の信じるものを追い続けるテスラ。その姿に次第に引き込まれていきました。

ニコラ・テスラホリプロステージ

研究とお金

本作で印象的に描かれていたのが、研究と「お金」の問題です。どれほど優れた才能やアイデアを持っていても、それだけで生きていけるわけではありません。日々の生活や研究を続けるためには資金が必要です。

作中では、テスラがわずかな収入を得るために穴掘りをして働く姿も描かれます。偉大な発明を生み出す「天才」のイメージとはかけ離れた泥臭い労働。その姿からも、研究を続けることの厳しさがひしひしと伝わってきました。

劇中、「壁から誰かが出てきてお金出してくれたりしないでしょう?」とテスラが語る後ろの壁から突然、弁護士(成河さん)とエンジニア(昆夏美さん)が顔を出し、「特許を取ってライセンスビジネスをやろう!」という展開に。「実際はこんなに都合よくいかないよね」と思わず笑ってしまいましたが(笑)、特許をめぐる出来事を経て、テスラの人生は大きく動き始めます。楽曲「特許を取得」は一度聞くと歌詞も音楽も頭から離れなくなるようなキャッチーなナンバーです。

仮面をかぶったエジソン。その意味とは?

本作では、テスラ側から見たエジソンが描かれており、私自身、これまで知らなかったエジソンの一面を知ることができました。
まだテスラが何者でもなかった若き日。その頃すでにエジソンは「発明王」として成功を収め、大きな会社を経営していました。テスラにとって、エジソンは憧れの存在です。
ところが後に、テスラはエジソンの地位を揺るがす存在となっていきます。
エジソンが確立した直流電流に対し、テスラが生み出した交流電流。自らの発明によって絶対的な地位を築いたエジソンにとって、テスラはその立場を脅かす存在になっていったのです。
物語が進むにつれ、今作の「エジソンが恐れた孤高の天才」という副題にも納得しました。
エジソンは自ら直接手を下すわけではありませんが、テスラをじわじわと苦しめていきます。
そんなエジソンを演じるのが、「仮面」をつけた昆さん。この仮面には、一体どんな意味があるのか。観劇中、考えさせられる部分でした。もしかすると、人間が持つ「表の顔」と「裏の顔」、あるいは、一人の人間が持つ多面性を表していたのかもしれません。

そして、テスラとエジソンの火花散る宿命の対決、「電流戦争」も大きな見せ場のひとつ。互いの信念とプライドがぶつかり合う、手に汗握る展開にもぜひご注目ください。

ニコラ・テスラホリプロステージ

発明がもたらすもの

テスラは、自らの発明を「人々の生活を豊かにするもの」と考え、そこに大きな誇りを持っていました。
実際、彼の発明によって、それまで電球さえ見たことのなかった人々の暮らしは、より豊かで便利なものへと変わっていきます。人々から感謝され、まさに世界に「光」を灯したテスラ。しかし、その発明は、彼が思い描いていたものとはまったく異なる形でも使われることになります。

それが、死刑囚のための電気椅子でした。

自分が人々を幸せにするために生み出したものが、人の命を奪うために使われてしまう。テスラ自身も予想していなかった使われ方に心を痛め、さらに世間から彼自身や彼の発明に対するマイナスイメージまでついてしまいます。

かつてダイナマイトを発明したアルフレッド・ノーベルも、自らの発明が戦争に利用されたことで苦悩したという話は有名です。テスラにも、こんな苦しみがあったのかと、観ていて胸が痛くなりました。

冒頭、真ん中に一脚の椅子だけが置かれた、シンプルな舞台から始まりますが、そこから、これほどまでに目が離せない物語が生まれるとは、誰が想像できたでしょうか。
決して大きな舞台ではなく、派手なセット展開があるわけでもありません。それでも、「電流」「電力」というテスラの人生を象徴するテーマを生かした演出や壁面、引き出し等を使った仕掛けには思わず驚かされます。

限られた空間を最大限に活用し、シンプルでありながら想像力をかき立てる舞台が作り上げられ、まさに「光の魔術師」のよう!

そして、最初はただそこにあるだけに見えた椅子が、物語の中で「電気椅子」という非常に印象的なアイテムへと変わる演出の巧みさにも思わず目を見張りました。

キャスト陣の実力の高さに唸らされたのはもちろん、演出、構成、舞台美術、そして4人の一体感……そのすべてにリスペクトを抱いた作品でした。

愛する人との関係性

私が個人的に一番切なく感じたのが、テスラとキャサリンの関係でした。

最初は、キャサリンという最愛の存在が、常にテスラに寄り添い続けたのだと思っていました。

しかし、物語が進むにつれ、二人の関係の見え方が少しずつ変わっていきます。

テスラは、自分がキャサリンに恋心を抱いていることも、彼女が自分に想いを寄せてくれていることも分かっていました。それでも、友人という関係から一歩踏み出すことはできず、昼夜を問わず研究に没頭していきます。

観客という客観的な立場から見ていると、「一言、愛の言葉を伝えればいいのに!」と、なんとも歯がゆい気持ちにさせられました。

もし、あのとき一歩踏み出していたら。
もし、胸の内にある想いを言葉にしていたら――。

もしかしたらテスラは、孤独な最期を迎えることなく、キャサリンとともに生き、家族を築く人生もあったのかもしれません。
テスラの心の中には、研究への情熱とともに、いつもキャサリンがいました。しかし、どれだけ頭の中で未来を思い描いていても、行動に移さなければ、それは現実にはなりません。その「あと一歩」を踏み出せなかったテスラに、私はなんとも言えない切なさを感じました。

一方で、テスラが恋よりも発明や研究を優先したからこそ、今日の私たちの暮らしにつながる発展があったのかもしれないと思うと、単純に「こうすればよかった」とも言い切れません。

大きな夢を追い続けた天才でありながら、愛する人を前にすると、自分の想いを素直に伝えることができない不器用な一人の男性でもあったニコラ・テスラ。

その真っ直ぐさと、人間らしさが愛しくて、最後には思わず抱きしめたくなるような気持ちになりました。

ニコラ・テスラホリプロステージ

年老いたテスラは鳩を大切に可愛がっています。
かつては世界中に手紙を届け、人々の暮らしを支えていた伝書鳩。しかし、時代が進むにつれてその役割は失われ、いつしか忘れられた存在になっていました。

時代の中で役割を失い、忘れられていく伝書鳩。その姿に、テスラは自らの人生を重ねていたのかもしれません。

「いかれた鳩好きじいさん」と自らを称し、鳩たちを愛でるテスラ。その姿には、哀愁が漂っていました。

そんなテスラですが、彼の死後、その功績や研究は改めて評価されていきます。記念館が創設され、彼の名は後世へと受け継がれ、現在では硬貨にもその姿が刻まれています。

生前には理解されなかったものが、時代の進歩とともに評価されていく。まさに「時代が追いついた」のです。

本作は、偉大な発明家ニコラ・テスラの人生を描きながら、観る者自身にもさまざまなメッセージを投げかけてくれます。

「夢とどう向き合い、どう行動するのか」
「頭の中で思い描いているだけでは、何も始まらない」
「素晴らしいアイデアも、目に見える形にして誰かに届けてこそ、意味を持つ」

そして、物語の最後に投げかけられるのが、

「やれることはやれたか?」
「この人生に悔いはないか?」

という問い。

全力で自らの信念を貫き、夢を追い続けたテスラの生き様から、私自身も大きな力と、これからを生きていくためのメッセージを受け取ることができました。

ぜひ劇場で、“孤高の天才”ニコラ・テスラの人生と、4人の俳優が生み出す、圧倒的なエネルギーに満ちた世界を体感していただきたいです。

取材会で、演出の下平さんは、「この先もずっと続いていく日本発のミュージカル」であることを大切にしてきたと語っていました。

また、音楽・歌詞を担当したニックさんも「日本発の伝説的なミュージカルを作る、その一部になれたら」と、これからの作品への思いを口にしていました。

お二人の言葉を聞き、実際に作品を観劇した私自身も、この舞台がここで終わるのではなく、これから何度も再演を重ねながら、より多くの人に届いていってほしいと感じました。

ニコラ・テスラの人生が時代を超えて受け継がれてきたように、この作品もまた、時を重ねながら多くの人の心に残り、語り継がれていく――。

そんな未来を期待させてくれる、これからがますます楽しみな作品です。

(文:あかね渉)

公演情報

ミュージカル『ニコラ・テスラ ~エジソンが恐れた孤高の天才~』

<スタッフ>
音楽・歌詞:ニック・ブッチャー
脚本:ロジャー・ディッパー
演出・翻訳:下平慶祐
訳詞:福田響志
<キャスト>
海宝直人、成河、濱田めぐみ、昆 夏美

東京公演:2026年9月6日(日)~9月29日(火)紀伊國屋ホール
大阪公演:2026年10月3日(土)~4日(日)梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ

公式サイト
https://horipro-stage.jp/stage/nikolatesla2026/

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