演劇ユニット犬猫会が挑む!野田秀樹氏作『オイル』

日本劇団協議会主催・第9回江戸まちたいとう芸楽祭
「日本の演劇人を育てるプロジェクト」新進劇団育成公演 犬猫会
『オイル』が11月12日(木)から15日(日)までの4日間、上野ストアハウスで上演される。

『オイル』は、野田秀樹が2003年に発表した作品。1945年夏、終戦を迎えようとする島根・出雲を舞台に、戦争、原爆、日本とアメリカ、そして「復讐」という感情を、現実と神話を交差させながら描く。

物語の中心となるのは、出雲で暮らす女性・富士。島根には石油があったという学説が広がる中、彼女は神の声を伝える預言者となる。アメリカ、日本、そして神話の世界までもが入り混じり、物語は思わぬ方向へと動き出していく。

戦争が終わったあと、人は何を忘れ、何を記憶するのか。
誰かを憎み、復讐することは、何を生み出すのか。

本作は、アメリカへの復讐を願う一人の女性の物語であると同時に、戦争の被害と加害、そして戦後の日本が抱えた複雑な記憶を問いかける作品でもある。2003年の初演から20年以上を経た2026年、いま改めてこの戯曲と向き合う。

今回の公演は日本劇団協議会主催の新進劇団育成公演として、犬猫会が野田秀樹の戯曲に新たな視点から挑むもの。野田作品特有の言葉遊びやスピード感を活かしながらも、単に「野田秀樹らしく」上演するのではなく、2026年の現在から『オイル』をどう見るのかを問い直す。

潤色犬猫会、演出を手掛けるのは犬猫会の水野玲子。出演は犬猫会の山下智代をはじめ、オーディション参加者やこれまで犬猫会に参加してきた仲間たち。

山下智代(プロデューサー・出演)

『オイル』に登場する富士は、過去の声を聞き、それを今に伝える存在として描かれる。ある意味で、富士も当事者ではない。電話のこっち側にいた存在に、できることは何なのか。そこには、過去を語り直し、訴え続けることについての問いがある。私自身も、その声を繋ぐ存在になれるのだと気づいた。

少しずつ稽古も始まり、80年前のことを調べたり、触れたりするなかで、日本という国のアイデンティティや世界との関係性にまで、徐々に興味関心が広がっているのを感じている。

お世辞にも、日頃からちゃんと考えていたわけではない。どころか、知らなすぎる。でもどこかで、日常とは切り離していたり、あえて見ないようにしている部分だったりしないだろうか。

だからこそ、この作品を通して一緒に向き合いたいと思っている。戦争について、あの頃なにが起きていたかについて、私たちが今どのようにして日本に在るのかについて、そして平和について。

私も、今から知るところです。

 

水野玲子(演出)

『オイル』を2026年に上演するなら、何を描くのか。

野田秀樹さんがこの作品を書いた2003年から20年以上が経ちました。その間にも、戦争は繰り返され、私たちの暮らしのすぐそばで「敵」「味方」という言葉が使われることも増えています。

この作品に登場する「復讐」という感情も、決して遠いものではないのではないかと思います。

ただ、復讐する側とされる側、被害者と加害者を簡単に分けてしまうと、この作品の持つ複雑さをこぼしてしまう。

日本は戦争の被害を受けた国であると同時に、アジアをはじめ多くの人々に戦争を仕掛けた側でもあります。その両方を抱えたまま、私たちは何を記憶し、何を忘れてきたのか。

『オイル』という戯曲の持つ複雑さを、今の私たちの身体と言葉で立ち上げたいと思っています。

新進劇団育成公演という機会だからこそ、若い劇団がこの大きな戯曲に正面から挑み、自分たちなりの答えを探していきます。

一人の人間が抱く怒りや悲しみ、そして「誰かに何かを返したい」という衝動。
大きな歴史の中に埋もれてしまいそうな、一人の人間の感情から、この作品を見つめ直します。

劇場で、皆様とこの作品を共有できることを楽しみにしています。

詳細は公式サイト・公演特設ページで。

https://inunekokai.wixsite.com/koushiki/2026%E5%B9%B411%E6%9C%88%E5%85%AC%E6%BC%94

(文:水野玲子 監修:エントレ編集部)

公演情報

日本劇団協議会主催・第9回江戸まちたいとう芸楽祭
「日本の演劇人を育てるプロジェクト」新進劇団育成公演
 
犬猫会『オイル』

【作】野田秀樹 
【潤色】犬猫会 
【演出】水野玲子(犬猫会、文学座)

【出演】
 梅村綾子(文学座)
 鹿島涼
 キクチカンキ(文学座)

 木内コギト(劇団だるめしあん)
 小林七緒(流山児★事務所)
 斉藤莉生
 seico(ファニーキャンクス)

 新部聖子(少年王者舘)
 橋本隆佑(サムライプロモーション)
 原田理央(柿喰う客)

 柳内佑介

 リ勇雅
 山下智代(犬猫会)

【音楽】後藤浩明
【音響】金子幸世(TEO)
【音響オペレーター】古原万稚
【照明】若林恒美
【舞台美術】正岡香乃

【衣裳】小林巨和

【ヘアメイク】国府田圭
【舞台監督】山田剛史

【広報】磯貝美来
【広報協力】小久井志織
【当日運営】太田知咲
【衣裳スタッフ】高橋萌夏
【小道具スタッフ】菊
【スーパーバイザー】劇団NLT 小川浩
【稽古場サポート】村山かおり
【宣伝美術】中村陽道
【宣伝写真・舞台写真】澤田詩園

【映像】吉田高尾
【鑑賞サポート】情報保障ユニット・シナモン
【制作協力】犬猫会

【主催・制作】公益社団法人日本劇団協議会


【協力】
柿喰う客/劇団だるめしあん/サムライプロモーション/少年王者舘/ファニーキャンクス/流山児★事務所/早川信

【助成】文化庁文化芸術振興費補助金(舞台芸術等総合支援事業(芸術家等人材育成))独立行政法人日本芸術文化振興会

 

【日程】
2026年11月12日(木)〜15日(日)
 11月12日(木) 14:00
 11月13日(金) 14:00 ★ / 19:00
 11月14日(土) 12:00 ☆ / 17:00 ★☆

 11月15日(日) 12:00 ☆◆ / 17:00

 ★ アフタートークあり

 ☆ Theater Cafeあり

 ◆ 鑑賞サポートあり
 ※全7ステージ

 ※上演時間:約2時間(休憩なし)予定


※Theater Cafeとは

 終演後に、お客様同士が語り合う場として設けられる交流の時間です。
劇場に集うすべての人が交流し、作品をきっかけに共に考える場を目指しています。



【会場】上野ストアハウス
 東京都台東区北上野1-6-11 NORDビルB1

【アクセス】
 JR「上野駅」入谷口より徒歩5分
 東京メトロ日比谷線「入谷駅」1番出口より徒歩5分

 
公式サイト&SNS

公式サイト: https://inunekokai.wixsite.com/koushiki
公式Twitter:https://twitter.com/inunekokai_27
公式Instagram:https://www.instagram.com/inunekokai.27/

チケット予約ページ
https://inunekokai.corich.co/oil/common

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