朗読タイムレスストーリーシリーズは、主に明治、大正、昭和時代の小説や随筆作品を、朗読を通して現在に描き出す朗読公演。2023年7月「山本周五郎『季節のない街』」から始まり、徳永直『こんにゃく売り』、岡本かの子『みちのく』、森鷗外『最後の一句』、宇野浩二『揺籃の唄の思ひ出』を日本近代文学館にて上演。本作はその第四弾となる。
今回は、教師のかたわら創作を重ね、南洋庁教科書編纂係を経て作家に専念するも三十三歳で夭折した中島敦による『山月記』、時を超え広い世代に読み継がれている小説家・芥川龍之介による『白』を二本立てで上演する。
朗読を務めるのは、ヴァンニャ・ダルカンタラ監督『KOKORO』や、木村文洋監督『息衝く』、石原ひなた監督『THE HOMING』などに出演する無名塾出身の俳優・長尾奈奈。声の仕事には、佐藤大介監督『狭霧の國』があり、オーディオブック声の書店「日本近代文学名作選」(audiobook.jp)など、精力的に活動を続けている。
ぜひここでしか感じられない朗読を体験してほしい。
また、当日は日本近代文学館にて「教科書のなかの文学/教室のそとの文学Ⅱ―中島敦「山月記」とその時代」の展覧会開催日(別途拝観料一般300円、中学生・高校生100円))。
中島敦『山月記』
若くして官吏となった李徴は、その身分に満足できず詩家を志すが、妻子を養えないほど貧窮し仕方なく地方官吏として復職する。かつての同輩を拝する屈辱に耐えられなくなった李徴は発狂し姿を消してしまう。その翌年、林を通った李徴の旧友、袁傪は一匹の人喰虎に遭遇するが……。
芥川龍之介『白』
ある日、犬の白が散歩をしていると、仲良しの黒が大殺しに狙われている場に出くわす。「黒君、あぶない!」と叫ぼうとしたが、大殺しに睨まれ、恐ろしくなって逃げ出してしまう。家に帰ってきた白は、飼主の会話から自分の体の毛がまっ黒になっていることに気がつく……。
本作は7月13日、東京・日本近代文学館で上演される。
詳細は公式サイトで。
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(文:エントレ編集部)
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朗読タイムレスストーリーシリーズ④
中島敦『山月記』芥川龍之介『白』
【作】中島敦、芥川龍之介
【出演】長尾奈奈
【主催】ROUDOKU.TALKER.JP
【協力】株式会社 仕事
2024年7月13日(土)/東京・日本近代文学館