サンプルの松井周が北九州に滞在しながら新作を創作 北九州芸術劇場クリエイション・シリーズ 『イエ系』10月26日から北九州芸術劇場で上演/11月4日から芸劇でも上演
北九州芸術劇場クリエイション・シリーズ 『イエ系』北九州芸術劇場クリエイション・シリーズ 舞台『イエ系』が10月26日(木)から北九州芸術劇場 小劇場で上演される。また、11月4日(土)から東京芸術劇場 シアターイーストでも上演される。
北九州芸術劇場クリエイション・シリーズは、劇場とアーティストが2年間タッグを組み、地域の人々や表現者との交流など時間をかけて「地域」を知る1年目を経て、2年目に劇場オリジナル作品を創作するプロジェクト。第1弾は、関西を拠点に活動する劇団太陽族主宰の岩崎正裕が作・演出を手がけ「まつわる紐、ほどけば風」を創作した。
今回は、本企画の第2弾として、サンプルの松井周が北九州に滞在しながら新作を創作する。現実と虚構、モノとヒト、男性と女性、俳優と観客などあらゆる関係の境界線を疑い、踏み越え、混ぜ合わせることを試みている松井が今回描くのは、近未来の研修施設を舞台に繰り広げる、ある疑似家族の物語だ。
出演は石本径代、小野彩加、椎木樹人(万能グローブ ガラパゴスダイナモス)など。
家族という共同体をつくることで様々な優遇措置が与えられる”再家族制度”が制定された北九州。ばらばらの単身者たちが疑似家族として認定を目指しトレーニングを受けているところに、ある日ほんとうの肉親が訪れ「自分たちは捨てられた」と訴えてきて…。
「家族」という関係は何を隠し、何をさらしてしまうのか?疑似家族だからこその「家族」への願いを描きます。
北九州芸術劇場クリエイション・シリーズ 『イエ系』製作発表より
今作のテーマを「家族」としたことに対して松井は、
「ずっと僕自身が持っているテーマの一つに家族がある。今まで、家族あるいは家や家制度についてすごく反発心というか、何か人を縛ってしまうものだと思ってきていて。そこから離れていくことを寿ぎたいじゃないけど、そういう自由ってあるよなと。一方で、今はSNSで個人対世界という状況がリアルに起きていて、そこで何かを主張したり、間違えると徹底的に晒される。個人情報や態度や過去、色々なことが完膚なきまでに叩かれるという中で、クッションになるような最小の共同体として「家族」がうまく機能したり、動物や虫がやる擬態のように天敵から自分を守る防御方法のようなものを人間が選ぶことができたりしたら、もしかしたら少し生きやすくなるのかもしれない。そんなことを考えて今回のテーマにしました。」とコメント。
北九州芸術劇場クリエイション・シリーズ 『イエ系』製作発表より
今回のキャスティングについては、
「今回のオーディションでは、リラックスしていただこうとプロの方もアマチュアの方もみんな一緒に仲良く演技見たりしながらやろうってことで、劇場の真ん中に演技するスペースを作って周りに椅子を並べて、いつでも見てもいいし途中抜けてもいいしって感じにしてやってみたんですけど、なんか真ん中がリングみたいになっちゃって、周りが観客席でデスマッチを見るみたいな状況になっちゃったんですね。
だけど、そのデスマッチみたいな形になって物凄い緊張のなかこの方達は、なんていうか我関せずというか、自分の思っている、あるいは僕がディレクションしたことに対してどんどん変えたり楽しんだりする方達。それも自分なりのやり方で。
僕の中では、いい意味で相当変な人たちです(笑)。何を考えているのか、何を面白いと思うのか、知りたくてしょうがなくなった人たちと一緒にやっているという意識があります。」と、オーディションの様子を交えて語った。
北九州芸術劇場クリエイション・シリーズ 『イエ系』製作発表より
本作は10月26日(木)からJ:COM北九州芸術劇場 小劇場で上演。
その後、11月4日(土)、5日(日)に東京芸術劇場 シアターイーストで上演される。
詳細は公式サイトで。
https://q-geki.jp/events/2023/iekei/
(文:エントレ編集部)
北九州芸術劇場クリエイション・シリーズ『イエ系』
【作・演出】松井周(サンプル)
【出演】
石本径代、小野彩加、椎木樹人(万能グローブ ガラパゴスダイナモス)、鈴鹿通儀、鈴木麻美(にわか劇団けだものの界隈)、高山実花、椿直美、寺田剛史(飛ぶ劇場)、中島晴美、福永知花
上瀧雅大、日髙啓介(FUKAIPRODUCE羽衣)
2023年10月26日(木)〜29日(日)/福岡・J:COM北九州芸術劇場 小劇場
2023年11月4日(土)・5日(日)/東京・東京芸術劇場 シアターイースト