三島由紀夫の異色ファンタジーに霧矢大夢、多和田任益、田村芽実らが挑む unrato#8『薔薇と海賊』2022年3月4日から東京・大阪で上演
unrato#8『薔薇と海賊』出演者unrato#8『薔薇と海賊』が2022年3月4日(金)から東京芸術劇場シアターウエストで、3月25日(金)から大阪・茨木クリエイトセンターで上演される。出演は霧矢大夢、多和田任益、田村芽実など。
『薔薇と海賊』は1958年に発表され同年、文学座が初演。思想的で高尚なイメージを持ちがちな三島由紀夫作品だが、『薔薇と海賊』は虚実の夢と純愛が詰め込まれた異色のファンタジーになっており、三島由紀夫自身がこの舞台を涙を流しつつ観ていたという逸話も残されている。
また、三島由紀夫は本作について、【世界が虚妄だ、といふのは一つの観点であつて、世界は薔薇だ、と言ひ直すことだつてできる。しかしこんな言ひ直しはなかなか通じない。目に見える薔薇といふ花があり、それがどこの庭にも咲き、誰もよく見てゐるのに、それでも「世界は薔薇だ」といへば、キチガヒだと思はれ、「世界は虚妄だ」といへば、すらすら受け入れられて、あまつさへ哲学者としての尊敬すら受ける。こいつは全く不合理だ。虚妄なんて花はどこにも咲いてやしない。(略)】と記しているという。
出演は霧矢大夢、多和田任益、田村芽実など。
演出は大河内直子、音楽は阿部海太郎が手がける。
STORY
童話作家の楓阿里子邸。そこに、阿里子の童話のファンで30歳の松山帝一が訪ねてくる。帝一は、自分を童話の中の主人公・ユーカリ少年だと信じている知的障害の青年で、後見人の額間に付き添われてやってきた。楓邸は童話の世界のように仕立てられ、阿里子は19歳の娘・千恵子にも登場人物のニッケル姫の扮装をさせていた。帝一はこの家にずっと住みたいと言い出し、阿里子と帝一の夢の世界のような純愛が始まる。
千恵子は額間と出会い、押し込めてした本音があふれ出て来る。帝一の登場で、阿里子の夫の重政、その弟の重巳との館での生活にもひずみが生まれていくのだが…。
【演出】大河内直子
「世界がひっくりかえっても別にかまやしないー」
三島由紀夫の戯曲、初めての挑戦です。
虚構と現実がひっくりかえり、世界が薔薇となったものがたり、
憧憬の地への船出。
三島由紀夫が託した思いに私たちの現在(いま)が出会いますよう。
霧矢大夢
初めて三島由紀夫作品に挑戦させて頂きます。
「挑戦」という言葉が相応しい、役者としての意気込みと覚悟を感じています。
三島の言葉に翻弄され、虚実の夢に迷い込みそうになる事が想像されますが、苦しみながらどっぷり浸りたいと思います。
人との接触を遮断された日々が続き、より自分の想像力と人間力を試され、心を柔軟に、豊かにしたいと思っていました。そんな想いを思いっきりぶつけたいです!
是非、劇場へ体感しにいらして下さい!お越しをお待ちしております。
多和田任益
三島由紀夫さんの作品で、純愛。
その世界に没頭できることが今からとても楽しみです。
演出の大河内さん、共演の皆さんも初めましての方ばかりで、そこで生み出されること、いただけるであろうたくさんの刺激に備えて、
しっかり準備したいと思います。
田村芽実
お話をいただいた時、とても嬉しかったことを覚えています。
戯曲を拝見した時は、こんな難しい作品が自分に務まるのか。と、不安な気持ちになりましたが、読み進めていくと同時に、作品の虜になり、この世界の一員になりたい。演じたい。とびこみたい!と、強く強く思いました。
今回私にとっては初めての挑戦ばかりなので、この作品に、先輩方に、体当たりで挑んでいけたらと思います!
詳細は公式サイトで。
https://tomin-fes.com/list/theater02.html
(文:エントレ編集部)
unrato#8『薔薇と海賊』
【作】三島由紀夫
【演出】大河内直子
【音楽】阿部海太郎
【出演】
霧矢大夢 多和田任益 田村芽実 須賀貴匡 鈴木裕樹
大石継太 飯田邦博 羽子田洋子 篠原初実 松平春香
2022年3月4日(金)~13日(日)/東京・東京芸術劇場シアターウエスト
2022年3月25日(金)・26日(土)/大阪・茨木クリエイトセンター
公式サイト
https://tomin-fes.com/list/theater02.html