本企画はシアターコクーンの舞台上に巨大なスクリーンを設置し、過去の名作舞台を映像で楽しもうというもの。
今回上映されるラインナップは、松尾がこの20年間シアターコクーンで上演した作品の中から3作品、初代・芸術監督である串田和美、二代目・芸術監督である蜷川幸雄作品から1作品ずつ、また松尾が“演劇を始めたころの素朴な喜び”を求めプロデュースした二人芝居『命、ギガ長ス』と、その創作過程を追ったWOWOWオリジナル・ドキュメンタリー『ノンフィクションW 松尾スズキ 人生、まだ途中也』も特別セット上映される。
ラインナップは以下の通り。
女教師 (撮影:谷古宇正彦)
「女教師は二度抱かれた」 2008年
作・演出:松尾スズキ
音楽:星野 源、音楽監督:門司 肇
出演:市川染五郎(現・松本幸四郎)、大竹しのぶ、阿部サダヲ 他
上映スケジュール:本編193分(休憩10分含)
10/6(火) 10:20~ / 10/7(水) 15:00~/ 10/8(木) 19:20~/ 10/11(日) 10:20~
下谷万年町物語(撮影:細野晋司)
「下谷万年町物語」 2012年
演出:蜷川幸雄
作:唐 十郎、音楽:猪俣公章
出演:宮沢りえ、藤原竜也、西島隆弘 他
上映スケジュール:本編183分(休憩10分含)
10/6(火) 15:10~/ 10/9(金) 10:20~/ 10/10(土) 19:30~
もっと泣いてよフラッパー(撮影:細野晋司)
「もっと泣いてよフラッパー」 2014年
作・演出・美術:串田和美
作曲:越部信義、八幡 茂、乾 裕樹
音楽監督・作曲・編曲:ダージリン(佐橋佳幸/Dr.kyOn)
出演:松たか子、松尾スズキ、秋山菜津子、石丸幹二 他
上映スケジュール:本編198分(休憩10分含)
10/6(火) 19:05~/ 10/7(水) 10:20~/ 10/10(土) 15:20~
キレイ-神様と待ち合わせした女-(撮影:引地信彦)
「キレイ-神様と待ち合わせした女-」 2014年
作・演出:松尾スズキ
音楽:伊藤ヨタロウ 、音楽監督:門司 肇
出演:多部未華子、阿部サダヲ、小池徹平、田辺誠一、松雪泰子 他
上映スケジュール:本編218分(休憩10分含)
10/7(水) 19:05~/ 10/8(木) 14:50~/ 10/9(金) 18:45~/ 10/10(土) 10:20~
ゴーゴーボーイズ ゴーゴーヘブン(撮影:細野晋司)
「ゴーゴーボーイズ ゴーゴーヘブン」 2016年
作・演出:松尾スズキ
音楽:伊藤ヨタロウ 、音楽監督:門司 肇
出演:阿部サダヲ、岡田将生、寺島しのぶ 他
上映スケジュール:本編190分(休憩10分含)
10/8(木) 10:20~/ 10/9(金) 14:45~/ 10/11(日) 18:15~
命、ギガ長ス(撮影:引地信彦)
【特別上映】
松尾スズキプロデュース 東京成人演劇部
「命、ギガ長ス」 2019年
上演日程:2019年7月4日(木) ~ 7月21日(日) ザ・スズナリ ほか5会場
作・演出:松尾スズキ
出演:安藤玉恵、松尾スズキ
<セット上映>
「ノンフィクションW 松尾スズキ 人生、まだ途中也」
上映スケジュール:本編&ドキュメンタリー180分(休憩10分含)
10/11(日) 14:25~
本企画の初日にあたる10月6日(火)に開催された初日舞台挨拶に、シアターコクーン芸術監督の松尾スズキに加え、『女教師は二度抱かれた(08年)』出演の大竹しのぶ、『下谷万年町物語(12年)』出演の宮沢りえ、『キレイ-神様と待ち合わせした女-(14年) 』出演の小池徹平が登壇。
コメントは以下の通り。
松尾スズキ
今回の企画は大きな劇場で上演した舞台を同じ劇場で上映するのは面白いんじゃないかと思ったのがきっかけです。ただこれくらい大きな劇場で実際に行うとなると画質や音響などなかなか実現が難しかったのですが、ようやく実現できました。
【媒体質問】もし、今日の3人(大竹さん、宮沢さん、小池さん)をキャスティングして舞台をやるとしたらどのような舞台を作りたいですか?
⇒みなさん力がありますので、美術のない素舞台でいきましょう(笑)。無人島に流れ着いた見ず知らずの3人が一つのパンを取り合うような内容がいいですね。
大竹しのぶ
演劇は全体の空気感を含めてその時に味わえるものと思っていたのですが、この時期だからこそ、映像でも楽しめるというのは、面白いと思います。
私が出演した『女教師は二度抱かれた』は楽曲は星野源さんが書き下ろされていたのですが、すごく覚えやすく、独特なメロディーでした。阿部(サダヲ)ちゃんをはじめ、出演者の皆さんは普段とても物静かで繊細な印象でしたが、芝居に入るととても素敵で、いつも驚かされていたのをいまでも覚えています。
宮沢りえ
舞台はその瞬間を共有した人の記憶の中だけに生きるものだと思っていたので、こうして大画面で楽しめる事がすごく嬉しいです。参加した作品はもちろん、当時観られなかった作品の臨場感を私も大画面で体験したいと思います。
『下谷万年町物語』は私にとって蜷川幸雄さんに出会えた特別な作品です。唐十郎戯曲のヒロインとして希望と絶望を交差したその時間は私の宝物です。その時に小道具で使っていたサフランの花は今でも楽屋に飾っています。
小池徹平
この時期だからこそ、とても素敵な企画だと思いますし、舞台上にスクリーンがあるっていうのは僕も初めて見るので、今までにないわくわく感があります。
2014年の「キレイ-神様と待ち合わせした女-」は松尾さんととにかく一緒に舞台をやりたくて、松尾さんの目の前でアカペラで歌ったりしたことをとてもよく覚えています。昨年の2019年の再演では青年ハリコナ役を演じて、僕の大好きなナンバーである「宇宙は見えるところまでしかない」歌わせていただき、こんなに素敵な時間はないなと思いながら過ごしました。
詳細は公式サイトで。
(文:エントレ編集部)