“装い”を変えて帰ってきたハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」“進化の夏“ 。過去作品は熱い燃えるような試合シーンを中心に描かれてきたけど、今回は高校生の成長が垣間見える“人間ドラマ”が描かれていました。原作好きからすると、やっとあのキャラも見られる!日常が見られる!とワクワクする人もいたことでしょう(少なくとも自分はそうでした!)。
(C) HF/S・HPEH Photo by Shunsuke Watabe
今回は過去作品との比較ばかりになっちゃいそうだけど、これまでとは舞台美術も大幅にチェンジされ、色彩もグッとあがりました。なにもかも(見た目が)オシャレだしカワイイしユニーク!他国を思わせるポップでオシャレな雰囲気、これぞ演出ウォーリー木下さんの持ち味!と高揚しました。
これまでのハイキューは、白黒の漫画が舞台に飛び出してきた印象があり、映し出される原作漫画がより味深いものとして心に突き刺さり、イマジネーションを刺激されました。今回は色のあるアニメが飛び出した感じ!映し出された映像も漫画より実写が増えた気がする。テーマパークで感じるパーティー感が増しました。ここも”進化”ポイントかも。
(C) HF/S・HPEH Photo by Shunsuke Watabe
パーティー感といえば、やはり新キャラ!今回の出演者は総勢30名、新たなキャラがたくさん加わりました。過去3つの物語で烏野高校のメンバー中心に追ってきているので、正直新キャラがかすむんじゃないかと心配してたけど、皆無でした。序盤は女子マネージャーに焦点があたり、これまで女性の色がなかったハイキューの世界が全く別のものに感じたのは自分だけ?
前に進めずにいた谷地仁花(斎藤亜美)が、いつも前に進もうとする日向翔陽(須賀健太)を通して成長するんだけど、原作で内容知ってても、ちょっとキュンとしちゃった。新キャラを立たせながら、これまで主観で見ていたキャラを第三者的な目線で追えるのも、楽しみのひとつ!「やっちゃん(谷地)、翔陽はときどき暑苦しいけど、すげぇ良い奴だろ?」と、頭の中で翔陽の友達のような気持ちで言っちゃいました(個人的な見解&月島的感情が含まれています)。
(C) HF/S・HPEH Photo by Shunsuke Watabe
おなじみ音駒高校、新たな宿敵・梟谷学園高校との東京合宿。一人ひとり紹介していくとキリがないほど新キャラについて書きたいことはたくさんあるけど、そこはもう観てくれ!そして萌えろ!(笑)
すごいと思うのは、初参加とは思えない自然な動き。あの運動量と段取りの多さ、公演を重ねる毎に難易度があがっているはずなのに…そう思うと彼等の努力と、これまでの参加者の協力があってこそだろうなと、舞台ハイキューの“地の強さ”を感じずにはいられなかった!
(C) HF/S・HPEH Photo by Shunsuke Watabe
冒頭にも書きましたが、今回は人間ドラマ。東京合宿の練習試合より、日向や影山、月島たちの”進化”に焦点を当てています。ハイキューの気持ちのいいところは、みんながバレーで高みを目指すから、ライバル高にだって助言する!バレーボールではボールを繋ぐのが当然だけど、彼等はコートの中でも外でも人として繋がって前へと進んで行く…メチャクチャ青春!あぁ、バレーボールやってみたい!
今回初めてハイキューを観る人は、過去の公演をBlu-rayやDVDでチェックしてもいいかも。もちろん見なくても楽しめるけど、個人的には今回の作品は“幕間”という印象。過去作でハイキューの息の詰まる試合を見て、今回で彼等の成長を見て、更に次回作があることを願いつつ観劇するのが、最高の楽しみ方な気がします!
(文:かみざともりひと)
ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」”進化の夏”
【原作】古舘春一「ハイキュー!!」(集英社「週刊少年ジャンプ」連載中)
【演出・脚本】ウォーリー木下
【出演】須賀健太/影山達也/小坂涼太郎 三浦海里 塩田康平 渕野右登 川原一馬
秋沢健太朗 猪野広樹 冨森ジャスティン/
永田崇人 近藤頌利 武子直輝 後藤健流 川隅美慎 梶原 颯 石倉ノア/
吉本恒生 結木滉星 東 拓海 三宅 潤 松波優輝 高根正樹/
山口賢人/佐達ももこ 山川宗一郎/長尾寧音 斎藤亜美/内田 滋 林 剛史
東京:2017年9月8日(金)~10日(日) TOKYO DOME CITY HALL
大阪:2017年9月15日(金)~18日(月・祝)大阪メルパルクホール
兵庫:2017年9月22日(金)~24日(日)あましんアルカイックホール
宮城:2017年9月29日(金)~10月1日(日)多賀城市民会館 大ホール
福岡:2017年10月14日(土)~15日(日) 久留米シティプラザ ザ・グランドホール
東京凱旋:2017年10月20日(金)~29日(日)TOKYO DOME CITY HALL