2018.11.13  912

稲垣吾郎×剛力彩芽の熱演に歓喜! 激動のベートーヴェンの人生を描いた舞台「No.9 不滅の旋律」観劇レビュー


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舞台「No.9 -不滅の旋律-」稲垣吾郎、剛力彩芽 photo 岩田えり
舞台「No.9 -不滅の旋律-」稲垣吾郎、剛力彩芽 photo 岩田えり
 

舞台「No.9 不滅の旋律」観劇レビュー

 
舞台「No.9-不滅の旋律-」を観てきました!

タイトルの「No.9」はベートーヴェンの交響曲第九番のこと。もうすぐ年末。今年も街から聞こえてくるであろう「第九」ですね。
本作「No.9-不滅の旋律-」は、この偉大な名曲・第九を作曲したベートーヴェンの半生を描いた物語です。

白井晃さんが演出、中島かずきさんが脚本、三宅純さんが音楽監督、そして主演のベートーヴェン役が稲垣吾郎さん。初演が3年前で、私は初演を観ていないのですが、3年で再演というのはこの規模の舞台としてはかなり早いのではないでしょうか。それだけ評判が良かったということでしょうし、期待が高まります。

 
舞台「No.9 -不滅の旋律-」稲垣吾郎、片桐仁 photo 岩田えり
舞台「No.9 -不滅の旋律-」稲垣吾郎、片桐仁、鈴木拡樹 photo 岩田えり

ところで、ベートーヴェンのことを、みなさまはどれくらいご存知でしょうか? 歴史物(特に戦記物とか)は時代背景をあらかじめ知っていた方が楽しめるなんてケースがあると思います。

私は、ベートーヴェンの有名な楽曲や、耳が聞こえなくなったということは知っていますが、細かいエピソードであったり時代背景みたいなところは、恥ずかしながらあまり……。そんな知識不足が観劇の足を引っ張らないといいなーと思っていましたが、そんなことは杞憂に終わり素直に楽しめました。『ベートーヴェンのことは名前しか知らないよ』という方でもすんなりと物語に入っていけると思います!

 
舞台「No.9 -不滅の旋律-」稲垣吾郎 photo 岩田えり
舞台「No.9 -不滅の旋律-」稲垣吾郎 photo 岩田えり

まず、この舞台はなんと言っても稲垣さんでしょう! 日本人が外国人を演じると時折違和感が出てしまうこともありますが、稲垣さんは本当に違和感なし!
取材でご本人がベートーヴェンとの共通点について「ヒステリックなところ」と話していましたが、そういったところも含めて、どんどんベートーヴェンに見えてきて、どんどん感情が1800年代のウィーンに引っ張られていきます。

もちろん、周囲の出演者も素晴らしく、メトロノームの発明者であるメルツェル役を演じる片桐仁さんは出演の最初の場面で「胡散臭い人物」として散々いじられます。醸し出される存在感はさすがの一言(笑)ヒステリックなベートーヴェンが主人公ですので、場の空気を存在だけで変えられるというのは貴重です。再演にあたって、一部キャストは変更されていますが、片桐さんも初演に引き続いて出演。納得です。

そして、女性陣です。「No.9-不滅の旋律-」では主に3人の人物がそれぞれの形でベートーヴェンに好意を持ちますが、ベートーヴェンは独身で生涯を終えていますので、史実に沿うのであれば、がっつり恋愛関係を描くのって難しいんですよね。
強いて言うなら、奥貫薫さんが演じるヨゼフィーネでしょうか。「No.9-不滅の旋律-」のヒロイン的なポジションである剛力彩芽さんが演じる「No.9-不滅の旋律-」オリジナルの人物であるマリアは、最終的にベートーヴェンの恋人ではなく、ベートーヴェンの理解者・同士のポジションになります。様々な感情を持ちながら、ベートーヴェンとともに「No.9-不滅の旋律-」のキャッチコピーにある”私の頭の中の完璧な音楽”にたどり着く、マリアを見事に演じていました。

 
舞台「No.9 -不滅の旋律-」稲垣吾郎、剛力彩芽 photo 岩田えり
舞台「No.9 -不滅の旋律-」稲垣吾郎、剛力彩芽 photo 岩田えり

さて、先ほども書きましたが、途中でベートーヴェンの耳が聞こえなくなってしまいます。
つまり「話の後半で主人公の耳が聞こえない=会話がスムーズにできない」会話劇なんですよね。観劇中にそれに気づいてちょっとぞっとしました。

しかし、そこはさすが『中島かずき脚本×白井晃演出』! 聞こえなくてもいい会話と細かいニュアンスを伝えるべき会話で見せ方を変えて、ストレスなく表現していました。私は音が聞こえる・聞こえないという事実を、言葉が届く・届かないという感じに解釈していたんですが、縛りがあることで表現が深化するのは、この舞台ならではないかと感じました。

 
舞台「No.9 -不滅の旋律-」稲垣吾郎 photo 岩田えり
舞台「No.9 -不滅の旋律-」稲垣吾郎 photo 岩田えり

そして、やはり音楽が素晴らしい! ピアノを上手と下手に置いて、末永匡さんと富永峻さんの2人のピアニストを生演奏をしっかり見せてくれます。劇中の演奏はもちろん、他の舞台だったらSEで処理するような音も、ピアノで生で奏でてくれるので、贅沢の一言です。
そして、もちろん「No.9」である大迫力の第九もしっかりと堪能させて頂きました! 非常に高い満足感を味わせて頂きました!

 
舞台「No.9 -不滅の旋律-」稲垣吾郎、剛力彩芽 photo 岩田えり
舞台「No.9 -不滅の旋律-」稲垣吾郎、剛力彩芽 photo 岩田えり

終盤のネタバレになりますので詳細は控えますが、『舞台ならではの仕掛け』も多かったです!そちらは劇場で発見してくださいね。

全編に渡って描代えるベートーヴェンの激動の人生。俳優、脚本、音楽、演出の効果が相乗し合い、絶望から歓喜が生まれる時、劇場は1つになっていました。

現在赤坂ACTシアターで開幕中の本作は大阪・横浜・久留米とツアー公演されますので、是非劇場でご覧ください!

 
このレビューを書いたのは

近藤悠季
こんどう ゆうき|作家。舞台脚本だけじゃなくて映像脚本、サウンドドラマ脚本などなど書いています。ライブや観劇中にネタが浮かぶクセがついていてお金がかかることが悩み。

 

 

 

公演情報

舞台「No.9 不滅の旋律」

【脚本】中島かずき
【演出】白井晃
【音楽監督】三宅純

【キャスト】
ルードヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン:稲垣吾郎

マリア・シュタイン:剛力彩芽

ヨハン・ネポムク・メルツェル:片桐仁
ナネッテ・シュタイン・シュトライヒャー:村川絵梨
ニコラウス・ヨーハン・ベートーヴェン:鈴木拡樹

ヨハン・アンドレアス・シュトライヒャー:岡田義徳
フリッツ・サイデル:深水元基
カスパール・アント・カール・ベートーヴェン:橋本淳
ヨハンナ:広澤草
カール・ヴァンベートーヴェン(青年):小川ゲン
兵士ほか:野坂弘
ルードヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(子供)/ カール・ヴァン・ベートーヴェン(少年):山崎雄大

ヨゼフィーネ・フォン・ブルンスヴィグ:奥貫薫
ヨハン・ヴァン・ベートーヴェン / ステファン・ラヴィック:羽場裕一
ヴィクトル・ヴァン・ハスラー:長谷川初範

 
2018年11月11日(日)~12月2日(日)/東京・TBS赤坂ACTシアター
2018年12月7日(金)~10日(月)/大阪・オリックス劇場
2018年12月22日(土)~25日(火)/神奈川・KAAT神奈川芸術劇場 ホール
2019年1月11日(金)~14日(月・祝)/福岡・久留米シティプラザ ザ・グランドホール

公式サイト
舞台「No.9 不滅の旋律」

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