あなたの人生をカラフルに変える、物語はここに。礼真琴主演『BOOP! The Musical ブープ!ザ ミュージカル』観劇レビュー&囲み取材レポート

1930年に誕生し、今なお世界中で愛されるキャラクター『ベティー ブープ』。本作は、そんなベティーちゃんが白黒アニメの世界から現代のニューヨークへタイムワープ!? カラフルな世界や夢を追いかける人々との出会いによって、「本当の自分とは何か」そして「自分らしく生きること」の意味を見つけていく物語です。
2025年に開幕したブロードウェイ公演でも高い評価を受けた話題作が、待望の日本初上陸! 誰しもが心の奥底に秘めているであろう“情熱”と“愛”に「目覚めよ!立ち上がれ!」と刺激を与えてくれるような、心踊る物語が動き出します。


©梅田芸術劇場

主人公ベティー ブープを演じるのは、元宝塚歌劇団星組トップスターであり、本作が退団後初のミュージカル出演となる礼真琴さん。去年までたくましい筋肉で娘役さんたちをグイグイとリードしていた人と本当に同じか?と驚いたほど、露出度の高い衣装から出る身体のラインのしなやかなこと。そもそもあんなに礼さんの肌色の部分を見たことがなかったので個人的には見慣れ始めた頃には2幕だったのですが(笑)、女性らしいセクシィな身のこなしや声の高さなど、さすがの仕上がりに衝撃が隠せませんでした。
礼さんといえば、ミュージカルからJ-POPまで様々なジャンルを自分色に染めて歌いこなす天才。とはいえ今回は、地声とは違うベティーとしての高さをキープした歌声が要求されているので、なかなかのスパルタ教育を喉に施したのではないかと思いますが、パワフルさと愛くるしさが共存した“最強”の歌声が完成されていて鳥肌。今後あの歌声を武器にどこへ羽ばたいていくのか、楽しみです。
そしてこれはまた個人の感想ですが、宝塚歌劇団時代に出演した『ガイズ&ドールズ』という作品のアデレイド(女役)を思い起こさせる可愛いくしゃみに再会できて嬉しかったです(笑)。

ニューヨークの街に迷い込んだベティーに優しく手を差し伸べてくれる青年ドウェイン役はWキャスト。


©梅田芸術劇場

松下優也さんは、分類するならば炎タイプ。「ミュージシャンになりたい」という夢への熱い心とベティーに向ける優しい眼差しのギャップが、あまりにも世にいう“リアコ男子”すぎて胸が締め付けられる想いに。歌のグルーブ感も相変わらず素晴らしくて、ブロードウェイミュージカルとの親和性の高さと観客を惹きつける力の強さを改めて見せつけられました。


©梅田芸術劇場

水江建太さんは、水タイプ。基本的に体温が低そうでクールな雰囲気を放っていますが、ベティーに恋をしたと自覚した瞬間から彼女にかける声は柔らく、向ける瞳が甘く変化するのが非常にメロくて良かったです。私は水江さんを今回初めて拝見したのですが、少女漫画のプリンスのようなキレイなお顔と爽やかなお声が魅力的で、これからあんな役もこんな役も見てみたいと妄想が膨らむ素敵な役者さんだなと感じました。

ベティーに憧れる少女、トリーシャ役もWキャスト。


©梅田芸術劇場


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鈴木瑛美子さんは、“推し”に対して猪突猛進な感じが非常に可愛らしく、若さゆえに将来への葛藤を抱える姿が等身大の女の子という感じ。藤森蓮華さんは、見た目は明るく元気だけれども、心の奥底に隠しているであろう哀愁が見え隠れするのが切ない。どちらも「頑張れ!」と応援したくなるトリーシャでした。ベティーが彼女のことを「5秒であの子に恋しちゃった♡」と評するのが納得です。

次期ニューヨーク市長を志す政治家・レイモンド役は、渡辺大輔さんと中河内雅貴さん。


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絵に描いたような胡散臭さと気難しさが逆に清々しい。渡辺さんも中河内さんも、素のお姿は男前で素敵なのに、むしろちょっと気持ちが悪い(※盛大に褒めております)あの雰囲気が出せるのは本当に凄いなと終始感心していました。

ベティーを現代へと送り込んだ発明家・グランピー役は、大澄賢也さんと東山義久さん。


©梅田芸術劇場


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某身体が縮んでしまった名探偵作品に登場する某博士のような温厚さとピュアな恋心を持ちながら、踊るとキレッキレなところに役者さんの技量が存分に現れていて最高でした。

グランピーが現代の世界で出会い、特別な感情を抱く相手でもある宇宙物理学者・ヴァレンティーナ役は、柚希礼音さん。


©梅田芸術劇場

「私が同じくらいの歳になったら、こういうキュートな女性になりたいな」と憧憬の眼差しを向けたくなる程ハッピーで愛らしい人物で、柚希さんにピッタリなお役だなと感じました。


©梅田芸術劇場


©梅田芸術劇場

その他、レイモンドの右腕・キャロル役のまりゑさんはパッション溢れる歌声で観客の心を揺らし、ベティー作品の世界では、監督・オスカー役の青柳塁斗さんを筆頭に、カートゥーンアニメ特有のコミカルな動きで観る者を白黒アニメの世界へ自然と誘導。そしてベティーの愛犬・パジーは人形としてJIJOさんが操っているのですが、まるで生きているかのように表情が豊かで動きもなめらかでとにかく可愛らしい。今からで良いのでパジーのグッズを売って欲しいです。お願いします。


©梅田芸術劇場

アンサンブルの方々含め、短期間で制作されたとは思えないクオリティの高さに終始圧倒されまくり。夢に向かってまさに今頑張っている人はもちろん、かつて夢を追っていた人、どこか自分らしさ(色)を見失っている気がする人、すべての人にきっと刺さるメッセージのある作品だと思います。
今を懸命に生きるすべての人たちへ。本当のあなたは、どんな人ですか。どんな色で輝く人ですか。


©梅田芸術劇場

ここからは、5月27日(水)に行われた、初日前会見の様子の一部をレポートいたします!
登壇は、礼真琴さん、松下優也さん、水江建太さん、大澄賢也さん、東山義久さん、柚希礼音さん、演出のジェリー・ミッチェルさん。

BOOP 囲み取材引き絵
©梅田芸術劇場

ーー『BOOP! The Musical ブープ!ザ ミュージカル』はブロードウェイで誕生した作品ですが、日本版ならではの特徴はどのようなところにありますか。 

ジェリー 全員がスターです。素晴らしい才能に出会えて感謝の気持ちでいっぱいです。今日まで8週間ご一緒させていただいていますが、毎日が喜びで溢れていました。この人たちがいて幸せだなと本当にそう思っています。

ーー礼真琴さんは宝塚歌劇団退団後、初舞台になります。今のお気持ちは、いかがですか。 

 本当に緊張しておりますが、共演者の皆さんがスペシャルな方ばかりで、その方々とお稽古をする毎日のほうが緊張していたので、今は思い切り楽しみたいなと思っています。 

ーー今回のお衣装をご覧になった感想は、いかがでしょうか。 

 きっとみんなびっくりするだろうなと思っています!(笑)。私はだいぶ見慣れましたけど、お披露目したあとの感想がどうなのか、ドキドキしますね。


※ネイルの色は光沢感のあるキレイな白。ドレスに施されたハート形のスパンコールなども、芸が細かくて素敵です。

ーードウェイン役のおふたりは礼さんの初めての男性の恋のお相手になりますが、一緒に演じてみていかがですか。 

松下 さいっこうに楽しいです! (水江に)ねっ!

水江 はい!

松下 男として礼さんにツッコまれなようには一生懸命頑張っていました。「そこちゃうんちゃう?」とか言われるかもしれないじゃないですか。

 あはははは(笑)。リードしてくださいましたよ、2人とも。ありがとうございます。

松下 ちえさん(柚希)にも、いろいろとアドバイスをいただいて。

柚希 いえ、とんでもございません!!

ーー礼さんとしては、ついリードしてしまうこともあったり…? 

 はいっ、すみませんでした!(笑)

柚希 私としては案外そういうことはなくて凄いなと思っていましたけどね。

水江 僕は結構リードされそうになったこともあったと思うんですけど。

 失礼をいたしました!!(一同笑い)

水江 いやいや(笑)、本当に助かったなと思って。いろんなことを勉強させていただいて、毎日明るく稽古することが出来たので、すごく幸せでしたね。


※水江さんの「リードされそうだった」という発言に爆笑する礼さんと苦笑の松下さんとの対比が面白かったです。

ーー大澄さんと東山さんは今回、おじいさん役ということですが。 

大澄 僕はずっとジェリー・ミッチェルさんの作品に出たい出たいと思っていたので、今回この『BOOP! The Musical ブープ!ザ ミュージカル』でジェリーのディレクションや振付を8週間も受けることが出来たことが本当に幸せですし、かけがえのない宝物になりました。


※会見中も終始ニコニコと楽しそうに微笑んでいるWグランピーが癒しでした。

東山 こんな素敵な衣装で皆さんの前に出るの初めてなので緊張もしていますけれども、ジェリーさんのハッピーオーラが全部、音楽や演出に詰め込まれたこの作品に参加出来て、不安なこともありましたけれども、いろいろなご指導のもと、ここまで来られたのは本当に嬉しいです。

ーー柚希さんもヴァレンティーナのような役は初めてではないでしょうか。 

柚希 お稽古でジェリーさんがお手本を見せてくださるんですけど、それが本当に全部素敵だったので、真似してやっていました(笑)。日本版から新たに加えていただいた振付などもありますので、ぜひ楽しんでいただけたらと思います。ジェリーさん自ら毎日毎日、深く教えていただけたことは本当に宝物になりました。

ーージェリーさんはなぜ、今回新たに振付を増やされたのでしょうか。

ジェリー もともと宝塚ファンだったんです。そして今回この2人(礼と柚希)とご一緒して、やっぱり宝塚が行っているトレーニングはすごく上手なんだなということがわかりました。何をお願いしても出来てしまう。すごい才能ですよね。

他の皆さんも、素晴らしいダンサーばかりです。彼(大澄)なんて僕と同世代なのに、僕よりダンスが上手いんですよ! この作品を初めてニューヨークの外でつくるにあたってなぜ僕が日本に来たかというと、この素晴らしいみなさんとクリエーションがしたかったからです。このカンパニーならではの『BOOP! The Musical ブープ!ザ ミュージカル』を一緒につくりたかった。どれほど喜び溢れる舞台になったかは、ご覧になっていただければわかると思います。

ーー礼さんと柚希さんが並んでいる姿にグッとくる方も多いと思います。いかがですか。

 感無量。大歓喜!

柚希 本当に大喜び。礼真琴ちゃんの退団後初のミュージカルに関わることが出来て本当に感動しております。伸び伸びと公演できるように皆で支えていきたいと思います。


※柚希さんに憧れてファンレターを書き、宝塚歌劇団を受験。芸名に「礼」の字をもらい、ついには同じ星組のトップスターになった礼真琴さん。奇跡のような本当のお話。この並びの尊さたるや。

ーー礼さんにとってはかなり心強いのではないでしょうか。

 本当に! ちえさんがいてくださることでここまで私も元気に来られましたし、この場をお借りしてお礼を申し上げます。ありがとうございます!

柚希 いやいやいや!

 何から何まで全部教えていただいて。「明日は何を着るんですか?」とか、「持ち物は何ですか?」とか。

柚希 「この時はお化粧はするんですか?」とかね。

ーー着るものなどもアドバイスしてもらったのですね。

 そうですね。ベティーちゃんはずっとミニスカートを履いているので、実は決意を固めて行ったことのないようなお店でミニスカートをいっぱい買いました。この先、そのミニスカートに出る幕があるのかは不明です(笑)。

ーー演じる上で大切にしたいことや、「ここだけは見逃さないでほしい!」と思っている場面はありますか。

 ジェリーさんからは稽古中にずっと、カートゥーンらしさやアニメらしさというのをアドバイスしていただいていました。最初はアニメの世界から始まるんですけど、そこからグランピーと一緒にお芝居をして、ドウェインに出会って…というくだりにもっとアニメらしさが出たらいいなというのはすごく意識しています。そこから2幕に入って、だんだんリアルな心が芽生えていく過程も大切にしたいです。
アンサンブルのみなさん含め、とにかく歌って踊ってパワフルにこの作品を盛り上げてくれているので、隅々まで楽しんで観ていただきたいなと思います。

松下 見どころはいっぱいありすぎるけど!!

 声が大きいなぁ(笑)。

松下 (笑)。でもひとつあげるとするならば、僕がすごく好きなのは、2幕後半のベティーのソロナンバーです。毎回すごく感動するし、礼さんが素晴らしいので、観ていただけるのがすごく楽しみです。


※会見の録音を聞くと、礼さんと松下さんの声量が想像以上に大きくて、他の方の音量に合わせてからお二人の発言が始まった時に耳貫かれたかと思って笑いました。元気でなにより!

水江 僕は演出ですかね。何かが消えたり現れたり、劇場に来てから場当たりで稽古させていただいた時に客席から見ていたんですけど、本当に驚きがたくさんあって、「これがジェリーマジックってやつか!」と。ぜひお客さんにも楽しんでいただきたいなと思います。

ジェリー 作品に出ている彼ら一人ひとりを観ることが何よりも大事だと思います。ディヴィッド・フォスターとスーザン・バーケンヘッドの曲が本当に素晴らしいんです。『キンキーブーツ』や『プリティ・ウーマン』も日本で上演していますが、この作品の曲はトップだと思います。ぜひ楽しみにしていてください。

大澄 ジェリーが全部言ってくださいましたが(笑)。やはり僕はダンサー出身なので、ジェリーの振付を踊ってるアンサンブルチームのチームワークを楽しみにしていただけたらと思います。

東山 全部大澄さんが言ってくださったんですけど(笑)。僕がこの作品で一番素敵だなと思っているのは、最後にオールキャストで出演するナンバーです。ベティーとドウェインから始まって、だんだんと世界に色がついていく。あのトリックというか演出がめちゃくちゃ好きで、お客様にも喜んでいただける見どころのひとつなのではないかと思います。

柚希 私は勝手に、「ベティーちゃんは何かが足りないスター」だと思っているんです。それがいろんな愛によってカラフルに変化して、花開いていくのがこの作品で、いつもすごく感動して見ています。もしかしたら礼真琴のファンの方々は、そんなベティーちゃんの姿に彼女を重ねて見られる方もいるかもしれないし、そう見ることによって最強に感動できる時間を過ごせるのではないかとも思ってます。愛で満ちた時のベティーちゃんを演じる礼真琴は本当に輝いているので、その様子を見ていただけたらと思います。


※左から、ジェリー・ミッチェル、水江建太、松下優也(敬称略)


※左から、礼真琴、柚希礼音(敬称略)


※左から、大澄賢也、東山義久(敬称略)

本作は、東京・東急シアターオーブで上演されたのち、大阪、福岡、でも上演されます。
詳細は公式サイトで!
https://www.umegei.com/boop2026/

(写真提供:梅田芸術劇場 写真撮影・文:越前葵

公演情報

『BOOP! The Musical ブープ!ザ ミュージカル』

【脚本】 ボブ・マーティン
【音楽】デイヴィッド・フォスター
【作詞】スーザン・バーケンヘッド
【演出・振付】ジェリー・ミッチェル

【出演】
ベティー ブープ:礼真琴
ドウェイン(Wキャスト):松下優也/水江建太
トリーシャ(Wキャスト):鈴木瑛美子/藤森蓮華
レイモンド・デマレスト(Wキャスト):渡辺大輔/中河内雅貴
キャロル・エヴァンス:まりゑ
オスカー・デラコール:大澄賢也/東山義久
ヴァレンティーナ:柚希礼音

ほか
※Wキャストの出演回は公演オフィシャルサイトをご確認ください。

【東京公演】2026年5月27日(水)~6月21日(日)/東急シアターオーブ
【大阪公演】2026年7月4日(土)~22日(水)/梅田芸術劇場メインホール
【福岡公演】2026年7月30日(木)~16日(日)/博多座

公式サイト
https://www.umegei.com/boop2026/

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