とは江戸時代(1635年)に初代結城孫三郎が旗揚げ以来、389年続く伝統ある糸あやつり人形劇団。国記録選択無形民俗文化財及び、東京都無形文化財に指定されている。
「伝統と革新、古典と新作の両輪」を活動指針に掲げ、古典公演はもとより、新作・写し絵・海外公演等、幅広く公演を重ねてきた。
2021年6月には結城数馬が十三代目結城孫三郎を襲名し、次世代へと着実に歩を進めている。
本作では、脚本・演出に劇団温泉ドラゴンのシライケイタ氏、人形美術に若手油絵画家の谷原菜摘子氏を迎え、フランツ・カフカの代表作「変身」を上演する。
2022年初演作品の再演となる今回は、より客席を巻き込んだ現代の物語として、普遍性を持った新演出で上質な人形演劇へと昇華させる。
奇しくもカフカ没後100年にあたる本年、カフカの色褪せない世界認識の鋭さに、江戸糸あやつり人形独自の表現で迫る。
三代目両川船遊(出演)
人形…人形遣い…
唐十郎さんの書いた「少女仮面」の中に、腹話術師と腹話術人形の役が出てくるのですが、腹話術師が人形に向かって「いつもお前ばかりが事件に遭って、自分には何にも起こらない」と言うセリフがあり、当時三十代の私は「そうだよなあ」とすごく共感を覚えたものです。
しかし現在八十歳にもなると、抱えきれない問題に直面しているのは自分ばかりで、人形の方は以前と変わらない表情をしている。人形遣いと人形の時間の過ごし方が違うのに愕然とするのです。そもそも、モノとしての人形自体、出来上がった瞬間から得も言われぬ表現をしているのに、人形遣いが遣うことで人形の持つエネルギーを削ぎ落としているのではないだろうか……舞台をやるたびに頭の中でくるくると繰り返されるのです。
今回の「変身」では、人形と人形遣いを引きはがす作業をしてみるかなと思っています。メチャクチャに不安で仕方がありませんが、この何十年間も抱えていることに、そろそろ決着をつけなければならない時が来ているのかも知れません。
本作は5月29日(水)から東京・ザ・スズナリで上演される。
詳細は公式サイトで。
https://youkiza.jp/archives/10301
(文:結城座 監修:エントレ編集部)
江戸糸あやつり人形結城座自主公演『変身』
【脚本・演出】シライケイタ
【原作】フランツ・カフカ
【出演】十三代目結城孫三郎 三代目両川船遊 他結城座
2024年5月29日(水)~6月2日(日)
会場:ザ・スズナリ (東京都世田谷区北沢1丁目45−15)
公式サイト
https://youkiza.jp/archives/10301
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